前回の朝劇・下北LOVER記事から熱気冷めやらぬまま、今回は、大人の麦茶『認めてどうしても欲しくて』を見てきました!

朝劇にも出演している宮原将護さん所属の劇団・大人の麦茶。

大人の麦茶に関しては、朝劇にいらっしゃっていたお客さんから、ちらっとお聞きしたのが最初だったと記憶しています。「将護さんが、いいんですよ〜」という言葉と一緒に知った大人の麦茶。

初めて訪れる『Geki地下Liberty』。

階段をダンダダンと下りながら、ワクワクとしてきます!いよいよ始まるぞ〜
大人の麦茶まで、あともう少し!
開場には団員の方たちが誘導してくださり、事前に団員の方々についてサイトやパンフ等で拝見していたため、「あ、テレビに出てる人だ〜」と似たような、ときめきがありました。ただ、テレビドラマや映画とは違って、演じる側と観る側の関係性を介して生まれるお芝居は、ナマモノ。改めて、そんなライブ感を確認しつつ前から2番目を陣取ります。

大人の麦茶が普段どういった演劇をされているかは、先入観を持つのが嫌だったので、一切調べていませんでした。ただ、今回のパンフレットを見てみると……?

「あたし、あたまの中に飼ってるからさ、くろいワニ。なんの許可もなしに夢に出てくるから餌代がかかんだよね」と目の細い赤星ちゃんは言った。

なんとも抽象度の高い文章で、軽く動揺。笑
以前に野田英樹さんのお芝居を観劇した際に感じた、とめどなく溢れてくる詩的で柔軟な言葉に翻弄されている感覚。迫力のある言葉たちが爆発して、脳が解読しきれていないもどかしさ。もしかして、今回のお芝居は結構難解なのか?そんな不安を抱きつつもスタート。

始まるやいなや、『オリンピック開催』『被災地復興』の究極heavyワードが炸裂。ただ、あくまでこれはお芝居、フィクションです。お芝居であるという前提があってこそ、口にできる思いや考えがあるよなあ、としみじみ。

私は「不適切な表現を控える」であったり「自粛する」であったり、そのへんの無菌化を促す動きに対して、あまり意味を見いだせない性格なので、この大人の麦茶の感じが「結構すきかもしれない」と、にんまり。

中には、結構長めの下ネタのくだりとかもあり、赤面しそうになるところもありましたが、慣れてくるものですね!だんだんと下ネタと打ち解け?ひたすら笑っている自分がいました。

赤星ちゃんという女の子が出て来るのですが、こじらせているが故の痛快のツッコミ?がかなりイケてました。
赤星ちゃんだけでなく、色んな人たちの心の声も頻繁に展開されて、その表現方法の狙ったチープ感も最高に笑えました。

マシンガンのように繰り出される、一癖も二癖もある台詞。それぞれの役が、濃厚な性格で、厄介。だけど、だからこそ、紡ぎ出される唯一無二の演劇世界。
笑いで茶化して見せながらも、言わんとしているところは、すごくすごく原始的で生きることに素直で、素直すぎるが故の絡まりが、とても愛おしくなりました。

オリンピックや被災地復興の他にも、スマートフォンだったかiPhoneだったかの台詞も印象的でした。お芝居とは一切関係がないのですが、大山卓也『ナタリーってこうなってたのか』(双葉社)のキュレーションメディアへの言説を彷彿するような、切れ味のある台詞で、聞きながらとても快感でした。

全体としては、タイトル『認めてどうしても欲しくて』そのものずばり、それぞれの登場人物たちの「認めてほしい」という切迫した思いが、これでもかと滲んでくるお芝居でした。「認めてほしい」という欲求が純真無垢でありながらも、業の深さも同時にはらんでいて、うーんと唸ってしまいます。

それぞれの自意識をこじらせながらも、最後には、フラットな地点があらわれて、最後に客席にポンと投げ出されます。「さあ、あなたは、どう生きますか?」

音楽や、映画にも言える話ですが、「作品を観る前と観た後では、景色が違って見える」ということがあります。お芝居はナマモノです。音楽も台詞も、時には役者さんの汗や唾も目に見えます。そんなダイレクトに五感に訴えかけてくるお芝居は、その「作品を観る前と観た後では、景色が違って見える」という感覚も、より感じやすいのではないか?という印象があります。

私は、今回の大人の麦茶『認めてどうしても欲しくて』を観劇して、家に持ち帰って考えることがいくつかありました。きっと、観た人の数だけ、その人にとっての作品というものが心の中に刻まれると思うのですが、ぜひ色んな人の感想を聞いてみたいなと思うような作品でした。

売り切れ必死、大人の麦茶『認めてどうしても欲しくて』。
ぜひぜひ、カオスでエネルギッシュな空間に身を投じてみてください!

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【大人の麦茶『認めてどうしても欲しくて』】
[作・演出]
塩田泰造
[出演]
岩田有弘
池田稔
並木秀介
宮原将護
野辺富三
全原徳和
和泉宗兵
今井和美
うえのやまさおり
傳田圭菜
小山まりあ
川口美紀
武田優子
[会場]
Geki地下Liberty(北沢2-11-3 イサミヤビルB1F)

[開演日時]
17日(火)19時半
18日(水)15時
19日(木)19時半
20日(金)15時、19時半
21日(土)14時、19時半
22日(日)14時
(各公演90分前受付開始、30分前開場、整理番号順入場)
[料金]
日時指定全席自由、前売3500円、当日3800円
[チケット予約]
http://ameblo.jp/otonanomugicha/entry-11966401494.html
[公式サイト]
http://ameblo.jp/otonanomugicha/

About the Author

かごんまなっちゃん

生まれは鹿児島。大学は大阪。現在は下北。言葉がしっちゃかめっちゃか。もちろん中身もしっちゃかめっちゃか。

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