地主麻衣子 特集上映「頭のなかの 柔らかな時間と 空間について」 地主麻衣子 特集上映「頭のなかの 柔らかな時間と 空間について」

地主麻衣子 特集上映「頭のなかの 柔らかな時間と 空間について」K2にて、9/19より公開

2025年9月19日(金)よりシモキタ – エキマエ – シネマ『K2』では、地主麻衣子 特集「頭のなかの 柔らかな時間と 空間について」が上映されます。

地主麻衣子 特集上映「頭のなかの 柔らかな時間と 空間について」
地主麻衣子 特集上映「頭のなかの 柔らかな時間と 空間について」

地主麻衣子 特集上映「頭のなかの 柔らかな時間と 空間について」は、9月19日より下北沢全域で開催される『ムーンアートナイト下北沢2025』の連動企画として開催される「K2 ART WEEK」による、実験的な映画上映プロジェクトです。

今年は 2010年から20本以上の映像を制作し、美術館やギャラリーなどで発表をし、国内外でますます注目を集まるアーティスト・地主麻衣子の初めての映画館での特集上映を実施。「頭のなかの柔らかな時間と空間について」という題のもと、森美術館での個展で発表され、話題を集めた《空耳》(2023 年)をはじめとする全5作を一挙に上映。地主氏が「新しいかたちの文学的体験」と言い表す独特の作品世界を体験する絶好の機会となります。

【上映作品一覧】

遠いデュエット

「遠いデュエット」

2016年/40 分
地主が敬愛するチリ人の小説家ロベルト・ボラーニョの長編小説『野生の探偵たち』から インスピレーションを受け制作された映像作品。

ブレイン・シンフォニー

「ブレイン・シンフォニー」

2020年/8分
鳥取県でのレジデンスの際に制作された映像作品。様々な視点から、記憶や記録についての思索を巡らせる映像詩。

リップラップ/エアーハグ/エネルギーの交換

「リップラップ/エアーハグ/エネルギーの交換」

2020年/2分
身体的接触を必要としない親密な行為の可能性についての詩にもとづいたアニメーション作品。

フォトン

「フォトン」

2023年/8 分
地主の友人が撮影した映像を100 倍に拡大した映像と、撮影時に何を見ていたかを語るコ メントからなる作品。病とともに生きることになった友人を内側から見つめるポートレート。

「空耳

「空耳」

2023年/30分
インスタレーションとして発表された作品の記録映像。祖父の 33 回忌の法事のあとに起こった不思議な出来事について、イメージと音と空間を使って物語る作品。

※日本語・英語字幕付きで上映

地主麻衣子氏よりコメント

わたしは、自分を含む人間がどのように生きるのか、 ということに関心がある。「愛」や「欲望」、「死」 といった人間にとって根源的でありながら、しかし 捉え難いものごとについて、また日々生きるなかで感じる様々なことがらについて、他者や自分自身との対話を通じて輪郭を与えようとする作品を制作してきた。

今回初めて映画館で特集上映をしていただけることになり、映画館でゆっくりみてもらうのに適していて、そして自己紹介にもなるような 2016年~2023 年に制作した 5 つの作品を上映することになった。

作品ごとにスタイル は異なっているけれど、特にコロナ禍以降よく考えていたのは、映像とわたしたちの身体との関係のあり方だ。例えば、わたしたちは日常的にスマホを縦にしたり横にしたりして、イメージをくるくると回転させているが、このような身体とイメージの関係は、これまで映画館やテレビを鑑賞するときに体験していたイメージと身体との関係性とは異なるものだ。わたしたちは、映像をもっと身体的に捉えるように変化しているのではないだろうか。スマホやカメラ、モニターは、 わたしたちの拡張された身体器官のようになり、 良いか悪いかは別にして、わたしたちは世界を認識するために、それらを通したイメージを受容している。

そんな時代に生きる自分にとって、リアリティのある映像とは一体何なのか。最近は、そんなことを考えながら作品をつくっている。

地主麻衣子
Photo: marisa shimamoto
地主麻衣子
Photo: marisa shimamoto

地主麻衣子氏プロフィール
東京を拠点にするアーティスト。個人的な物語をテーマとしたドローイングや小 説の制作から発展し、映像、インスタレーション、パフォーマンスなどを総合的に組み合わせた「新しいかたちの文学的体験」を創作する。 これまでに森美術館、国立新美術館、国立台湾美術館、クライストチャーチ・アー ト・ギャラリー、センター A などで作品を発表している。

トークイベント情報

9/19(金)19:30上映開始、上映終了後21:01からトーク(30分)
 登壇者:芹沢高志氏(P3)、地主麻衣子氏

9/20(土)17:35 上映開始、上映終了後19:06 からトーク(30分)
 登壇者:森直人氏(映画評論家)、芹沢高志氏(P3)、地主麻衣子氏

9/21(日)18:10 上映開始、上映終了後19:41 からトーク(30分)
 登壇者:黄 永昌氏、芹沢高志さん(P3)、地主麻衣子氏

9/23(火)18:15 上映開始、上映終了後19:44 からトーク(30分)
 登壇者:石原海氏(海外からのリモート登壇)、芹沢高志氏(P3)、地主麻衣子氏

※MCは大高健志(MotionGallery)が務めます。


『ムーンアートナイト下北沢2025』には、100を超える企画がありますがその一つがこのK2による「K2 ART WEEK」。「頭のなかの 柔らかな時間と 空間について」では、いわゆる映画とはひと味違う5本の映像作品が上映されます。

コメントや作品の解説を読んでもハッキリとしたイメージが湧かないのは映像作品だからということもありますが、『ムーンアートナイト下北沢2025』の様なアートイベントに映像作品が出展されるのは、大きな意味があると感じています。ぜひ、ご覧ください。

シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』

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