「FUNclusion映画祭」劇場アニメ・ルックバックの世界感を、音声だけで伝えることの価値 「FUNclusion映画祭」劇場アニメ・ルックバックの世界感を、音声だけで伝えることの価値

「FUNclusion映画祭」劇場アニメ・ルックバックの世界感を、音声だけで伝えることの価値

FUNからはじまる体験イベント「FUNclusion Week 2025」、既にメインとなるアート展示や体験は終了しましたが、シモキタ – エキマエ – シネマ K2では12月11日まで「FUNclusion映画祭」と題して7日間にわたり7つの作品をバリアフリー字幕&イヤホン音声ガイド/ディスクリプション付きで上映されています。

鑑賞した作品は「ルックバック」
鑑賞した作品は「ルックバック」

鑑賞したのは、12月7日(日)15時10分から上映された劇場アニメ「ルックバック」。この作品を選んだのは単純にこの日しかスケジュールが合わなかったからなのですが、結論から書くととんでもなく素晴らしい作品でした。というか、なんだかわからないけど最初から最後まで泣いてました、それはもう湧き水があふれ出るかのごとく。

少しだけ作品自体について触れておくと、小学生の同級生が卒業の日に初めて対面し(1人は引きこもりということもあり)、それをきっかけに2人で漫画を書き始める内容で、1年をかけて賞を受賞し、中高で雑誌に読み切りを7本掲載するというある意味サクセスストーリー。その後、2人は袂を分かつ事になるのですが、終盤にかけての展開が全くの予想外でした。音楽もすばらしかったなぁ、、、。

ネタバレしない方がよいと思いますので、これ以上は触れません。Amazon等で配信もされているので、ぜひ実際の作品を見ていただきたいです。ちなみに劇場アニメの公開は2024年6月28日で、2026年1月21日にはBlu-ray&DVDが発売されます。さらには、2026年には是枝裕和監督により実写映画化されます。2人を誰が演じるのか、とても気になります。

手渡された音声ガイド、FMラジオですね
手渡された音声ガイド、FMラジオですね

で、折角なのでイヤホン音声ガイド/ディスクリプションを体験することに。手渡されたのはFMラジオで、イヤホンから音声ガイドとディスクリプションが流れてきます。当然ですが、作品の音も聞くのでイヤホンは片側のみとなります。

目が不自由な方向けということもあり、映像が細かく音声で描写されるわけですが、これが想像以上にリアル。試しに1分ほど目をつむって耳を傾けてみましたが、視覚情報がなくなると音声に神経が集中し、映画における音声の価値を改めて感じました。ガイドの描写も素晴らしく、目が不自由でない方でもこのガイドはかなり役に立つと実感しました。

ちなみに、耳が不自由な方向けのバリアフリー字幕も表示されており、この素晴らしい作品を多くの方が楽しめることを実感しました。

実際に「FUNclusion Week 2025」で様々な体験をしましたが、この「FUNclusion映画祭」も体験してみて本当によかった。エンターテインメントにおけるインクルーシブに対する理解が深まったことはもちろんですが、素晴らしい作品を1人でも多くの人に届ける事の価値を改めて実感しました。耳が不自由なみなさんや目が不自由なみなさんに、この素晴らしい「ルックバック」という作品を鑑賞することができて本当によかったです。

「FUNclusion映画祭」
「FUNclusion映画祭」

FUNclusion映画祭」は、12月11日まで開催されています。目が不自由な皆さんや耳が不自由な皆さんはもちろんどなたでも、誰もが楽しめる映画の世界を体験していただきたいです。

アート展や体験のレビューはこちらから ⇒ 楽しみながら体験し新たな世界を知ることができる「FUNclusion Week 2025」