第1回『ぼっちゃん刈り可愛いね?』 ~ コラム:まとい絵日記

 

どうもこんにちは、眼鏡屋の纒です。まといと読みます。夫婦でやっている小さな店で、私はそこのお嫁です。傍ら、絵の仕事もしておりますので、こうして挿絵も自分で描いているわけです。かしこまって文章を書くのは大変ですね。ですのでまるで私の絵日記のような感覚でやらせていただきますので、よければどうぞお付き合いください。

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こういう商店街でお店をやっていて嬉しいのがですね、近所の子ども達の成長を追えることです。私が下北沢に来てまだ4年ほどですけど、子どもってその間に4つも年をとりますからね!もちろん自分だってそうなんですけど、子どもってメキメキ大きくなっていくじゃないですか。赤ちゃんが少年になっていくのを、ダイジェストで見れるのって面白いんですよ。

うちの眼鏡屋に、毎日のように遊びにくる男の子がいるんですけどね。彼ももう小学生になりました。最初に会った時はまだ乳母車乗ってたんですよ。そもそもの始まりは、彼のパパが眼鏡を買ってくれたところから。ちょろっと乳母車をのぞいたら、完璧に刈り上げられたお坊ちゃんヘアーの男の子がいたんです。もはや眉より脳天に近いラインで直線にそろえられた前髪と、その前髪から耳を抜けてまっすぐつながる見事な後頭部のあの衝撃。タ○ちゃんなのに、なんかめっちゃオシャレ!こここ、これがよく言う、「都会の一周まわったオシャレ感」なのか…!パパもママも、サングラスを小粋にかけこなしてるし、田舎者の私にしたらそのファミリーは、THE・下北沢の人たち、って感じだったわけです。わたしすっごく興奮しちゃって、すごいですねすごくいい髪型ですね、って店長と一緒に連発してましたね。そうそう……あの時ね、ちらっと聞こえてはいたんですよ・・・「すごいですね」の間に、「うらやましい」って店長の声がしたなって・・・。

あれから月日が巡って、ランドセルを背負うようになった下北沢のタ○ちゃん。パパの眼鏡も四角から丸い眼鏡へと新しくなって、ママは毎日のようにうちのカウンターで世間話をしています。大人だって、もう大きくはならないにせよ、なんとなく変わっていってるんでしょうね。だって私の隣には…坊主頭から坊ちゃん刈りになった店長が今日も眼鏡を加工中ですから……。

纏オプティカルコラム 01

【纏(まとい)オプティカル】
北沢2-34-10
03-3485-5115
11:00 – 20:00
水曜日定休
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