[レビュー]各駅停車 第20回本公演 「その流れを渡れ」

 

寂れた田舎の、山の中腹にある旅館。
昨日降った雨のせいで道が崩れ、宿泊客たちは足止めを食らっている。
ヘリコプターも入って来られない中途半端な山の中、
はじめはのんきに構えていた宿泊客たちにも、徐々に苛立ちが募ってくる。
そんななか、この帰れない状況を喜んでいる人たちもいる。

焦りとのんきはどこで混じり合うのか。
崩れた日常は、日常になり得るのか。

          一喜一憂する人々の、ささやかな数日間。 

シモブロのお芝居情報を入力していて、この一文に目がとまった。『各駅停車』という劇団のお芝居はもちろん観たこともないし、名前もこの時はじめて知りました。でも、なんだかとっても気になって、小劇場楽園に行ってきました。

各駅停車 第20回本公演 「その流れを渡れ」 小劇場楽園

登場人物は8人、「倒れている男」「若いカップル」「離婚寸前の夫婦」「噂好きの姦しい従業員たち」「旅館の社長」。最初に書いた設定に置かれた8人が、何を考えそして動くかをひたすら見続けるお芝居。このお芝居、とにかくセリフが多い印象、あくまで自分の感覚ですがとにかく誰かがしゃべり続けているイメージ。でも、あれだけセリフが続いていると、そのセリフが途切れた時間がとてつもなく重要で愛おしいものに思えるから本当に不思議。話している内容は難解なものではなく、その登場人物自身のことそして考え方をセリフを通して少しずつ伝えてくれます。

設定はある意味特殊だけど、そこに登場する人たちは至って普通の人々。そんな至って普通の人々が、特殊状況に置かれ人の本質を観ることができる。いつだって、他人に伝えられる自分は不完全、人と人が直接顔を見て話すことの重要性を改めて認識させてくれる、そんなお芝居でした。

100分のお芝居が終わったとき、目の前のお芝居は終わっているのに、自分の思考の中ではお芝居が続いていることに気づきます。物語は終わったけど、自分の人生はまだ続く。このお芝居を観て、なんだかとても重要なことに気づかされました。

各駅停車 第20回本公演 「その流れを渡れ」 小劇場楽園

このお芝居、本日が最終日で残すところ2月1日19:30からの公演を残すのみ。当日券が出るかどうか分かりませんが、気になる方は劇場までご確認ください。

劇団『各駅停車』の名前はしっかりと刻み込まれました。また、下北沢の劇場で観ることができますように。

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各駅停車
『その流れを渡れ』
寂れた田舎の、山の中腹にある旅館。
昨日降った雨のせいで道が崩れ、宿泊客たちは足止めを食らっている。
ヘリコプターも入って来られない中途半端な山の中、焦りとのんきはどこで混じり合うのか。
崩れた日常は、日常になり得るのか。
一喜一憂する人々の、ささやかな数日間
[会場]
小劇場 楽園

[作・演出]
中西隆雄

[出演]
長沢彩乃
水沢あや
安藤仁
岡崎良彦
中井亮
藤枝みのり

[開演時間]
1/28(木) 19:30
1/29(金) 19:30
1/30(土) 15:00、19:00
1/31(日) 15:00
2/1(月) 13:00、19:30

[料金]
全席自由/前売当日共¥2,800 学生¥3,200