まりさん: 今思い出したけど、モエちゃんが名古屋のMCで「メンバーが大好き」って話してたけど、私も同じなんだよね。モエちゃんが引っ張っていることもあるけど、メンバーを尊重してやっていることが伝わるから。自分たちは3人が全く同じ気持ちで、誰がリーダーとかいない。自分の想いに2人が付いてきていると思うけど、敢えてそれは言わない。2人とも人生掛けてくれてる、「掛けてくれる」って言ったら怒られそうだな、「こっちが勝手に人生掛けてるだけだから」って(笑)。モエちゃんは自分で表現したいことがたくさんあるだろうけど、メンバーにも気を配ってみんなが輝けるように自然に促してやっているんじゃないかなって。結構、気を使ってる?

メビちゃん: 気は使いますね。自分のことはもちろん好きですが、それ以上にメンバーのことが好きすぎて気を使いすぎて、、、メンバーのことが一番大事だったんです、ぽわんをやっていく中では。でも、その気持ちが強すぎで、前のメンバーが辞めちゃったりしました。期待が大きすぎることもあるし、向こうもぽわんの事が大好きで大事にしすぎることによる別れ、みたいな感じです。今は学生時代の友達というわけでもなければ年齢もバラバラなので、意思疎通のチェックみたいな集まりは事細かに開いてますね、「最近どう?」って

まりさん: 別々に会ったりする?

メビちゃん: 別々に会ったり、4人で会ったり、どちらもありますね

まりさん: そうだよね、2人で話した方がうまくいくときもあるし、3人で進めた方がいいときもあるし。自分たちは「続けている」ことしか残っていなくて、音楽には自信があってやっているけどそれがお金に結びつかないと、うちの親とか「あんたはいつになったらミュージックステーションに出るんだろうね?」って(笑)。自分が一番信じている音楽がつしまみれだから、それがいわゆる世の中に認められる姿にはしたいなって。一番小さいコミュニティがメンバーで、でもメンバーに遠慮していたらつまらなくて爆発しなきゃいけない部分もあるし、みんなで確認し合う部分もある。そんなことを繰り返して、長く続けているバンドだからこそ出せる音の重みはあると思うから

メビちゃん: つしまみれさんのライブを観ると、それをとても感じます。以前はその時のメンバーで音楽を作ることがつまらなくなったら辞めようという感じでしたが、今はちゃんとこのメンバーで音楽を作り続けたいという気持ちに変わり、そして続けるためには何が必要かを考えています。つしまみれさんを見ていると、続けることでしか出せないグルーヴ、そして音に対する信念が凄く、目標だと思いました

まりさん: う、うれしい。でも、前は嫌だったんだよね伝統芸的な感じが、フレッシュでいたいから。同じ事を繰り返している人になるのが嫌だと感じていたけど、同じ事を繰り返している人たちのヤバさにやっと気づいて、自分たちの伝統芸的な部分は大事にしようと思った。でも、今のメンバーで楽しむためには、新しいことをやっていかないと退屈じゃん。自分のコピーが一番いけない、この前作ったあの曲盛り上がったからアレみたいな曲を作ろうみたいな。でも、それが一番わくわくできない。今は新たな音楽・バンドを知ることが超楽しくて、それも昔の曲で変態的な60年代とか70年代の音楽ね。下北沢のバーで聞いているから、今度連れて行ってあげるよ

メビちゃん: 行きたい! ぜひ!

まりさん: 恋の悩みも聞いてくれるよ、枯れたマスターが(笑)

メビちゃん: 自分もルーティンだけで満足できず、新しいことをどんどん探したいタイプなんです。バンドをやる上で様々な音楽を聞きますが、常に新しいモチベーションで音楽を作っていることが、自分にとってはカッコいいと思っています。だからこそつしまみれさんのことが好きになんだと、お話を伺いながら感じました

まりさん: だから、違う土地に行くのもそうだし、行ったことがない国に行こうとか、知らない音楽を聞いてその影響を受けて曲を作ろうとか。それは今のレコーディングエンジニアさんの影響が強くて、peace musicの中村宗一郎さんというゆらゆら帝国さんを担当されている方でね。出会ったときにどんな音楽が好きですかと聞かれて「つしまみれが好きです」と答えたら、「恥ずかしくないですか?」って言われたの。「世の中に凄いたくさんの音楽あるのに自分たちしか好きじゃないって、井の中の蛙ですよ。もっと音楽聞いた方がいいですよ」、と言われて、強烈なドカーンとした衝撃を受けた。何回も泣かされてるし、いや、こっちが勝手に泣いてるだけだけどズタズタ。「なんで、そんなに歌うんですか? ひとことの方が重みがあるのに」とか、「叩きすぎ! 我慢してバンと打った一発の方がどれくらい重みがあるか」とか、凄いズコーンってくるの。

中村さんとは3年前くらいから一緒にやっているんだけど、その前は音楽的に飽和しちゃっててやりたいことを詰め込んで1曲作ってた。凄い変拍子とかトリッキーなことばっかりやっていて、メジャーに行ってフェスにも出してもらって自信があったんだよね。だから、メジャーと契約がなくなっても自分たちでやっていけると思っていたし、ライブも年に100本以上やってて怖いものない状態で、みんなに「うまいうまい」って言われてて調子に乗ってたの。そして、ついに憧れのゆらゆら帝国を録っている中村宗一郎さんにお願いしたときに、録ってくれたときの第一声が「うるさいですね」、って言われたの。で、「この曲、1回ドラムおかずなしでやってください」と言われて、ただのエイトをタム回しとかなしでやったら、録った音がめちゃめちゃスッキリして歌が浮かび上がってきて、ベースが新しいことを思いついてみたいな、引き算を教えてもらったんだよね。

そこから、「ロキシー・ミュージック知ってますか? トーキング・ヘッズ聞いたことありますか?」て聞かれて知らないですって言ったら、「何年音楽やってるんですか、恥ずかしくないですか?」って、いや恥ずかしいです(笑)。たぶん、そっちに転がったら面白いと思ってくれたんだと、共通点があるから出してくれたんだと思う。「レコードに一枚ずつ針を落として聞くのは全然違いますよ」って、それこそ音楽は手段だった、目立ちたかったんだ自分の声を聞かせたかっただけだと。「そのキー高すぎませんか、もっと低い声で歌ってみたら」といわれてそうしたら、全然重みが違う。「曲に色をつけていきましょう。今この曲に10色付いているけど、1色ずつ色をつけていきましょう」といった、曲を作ることを教わったのが3・4年前、そこで謙虚になれた。

スタッフやボランティアしてくれていた子たちもいなくなり、バンドの仲間も減ってきちゃって、3人しかいないという状態でものすごく頑なになってて。私たちカッコいいんで、私たち武道館行くんで、信じてくれる人だけでいいんで、みたいな気分だった。でも、そこで本当に自分たちの曲は面白いのかなと立ち返って、ダジャレももう飽きちゃったし、変拍子も飽きたし、詰め込むのも十分やったし、、、。その次のステージをエンジニアさんがもっと本気の音楽を教えてくれて、古い音楽とかパンクでもメロコアパンクとかではなく、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドみたいな頭おかしい人のパンクもあるんだとか、速ければいいってわけでもないんだって。もう一回真面目に音楽を聞こうって、それぞれのライブもどんなバンドにも面白いところがある学ぶべきところがあるなぁと思って。私も4・5年前にぽわんと出会ってたら「全然知らないしー」みたいな感じだったのかもしれない、そういう意味でもいいタイミングに出会えたのかな

---おふたりの話しを聞く限り、本当にずばりのタイミングでのツーマンライブになりそうです。つしまみれ、そしてぽわん、どちらのファンの皆さんにも、お互いのバンドにも観てもらいたいと真の意味で感じました

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クロダマサノブ

下北沢の音楽や演劇、イベント、そして飲食店などの情報を勝手に紹介。アタラシイ下北沢の魅力をいち早くお伝えします [Twitter]ymkx

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