劇団フルタ丸十五周年記念公演『ノーマークだった6人』

2017年6月15日から19日まで下北沢「劇」小劇場にて、劇団フルタ丸十五周年記念公演『ノーマークだった6人』が上演されます。その上演に先立ち、劇団フルタ丸 主宰のフルタジュンさんに、今回の公演の見どころをお伺いしました。

---今回のタイトルは『ノーマークだった6人』ですが、今回も劇団員だけの6人で演じられます

フルタジュンさん(以下、フルタ): そうですね、タイトルにずばり「6人」と入っていますからね。僕父(劇団フルタ丸 第24回公演 『僕は父のプロポーズの言葉を知らない』)があって、昨年のビッグマウス(劇団フルタ丸 2016年 本公演ツアー 『ビッグマウス症候群』)があって、ちょうど6人で作り始めて3作品目ですね

---劇団員のみの6人で演じられることは、かなり前から決まっていたのでしょうか

フルタ:はい、劇団の姿勢として、よっぽどのことがない限りこのままですね。やっている側の実感も含めてなのですが、今の状態から入れる意味があまり見つからなくなっている。それは、僕だけではなくメンバーも含めてですが

---もしかすると、劇団員自体も変わらないような状況でしょうか

フルタ:そうですね、6人のバランスがとれているので、正規メンバーを入れるということは思いつかないですね。その代わり役者志望兼演出助手は2名増えました、去年の寺山(*)失踪事件以降。彼らは二人ともフルタ丸のメンバーとして、スタッフ兼役者を目指しており、勉強しつつフルタ丸の公演に参加しています。一人は今回のフライヤーにも名前が出ている杉原で、もう一人はつい先日入ったばかりです。彼はよく使っている稽古場の隣のファミリーマートで働いていたヤツで、僕らが何回もファミリーマートに行くので気になっていたみたいです。役者をやりたくて愛知県から出てきていたんですよ、豊川から

*昨年の本公演『ビッグマウス症候群』直前に、突然劇団を辞めてしまった演出助手)

---え、豊川ですか? そこ、私の出身地なのですが、、、

フルタ:そうですよね(笑)。2年前に出てきてずっと何もできなかったみたいですが、今年の1月のひらフル(ひらフルプロジェクト第6弾『無礼講 into the Room』)と3月に演出を担当した公演(SFF vol.3 『3D欲求』)を観に来てくれて、勇気出してやりたいと言ってくれて。僕もこういう縁は好きなので、一緒にやろうよと。今、25歳ですね。大学を中退して、バイトでためた30万円だけを持って家出同然で出てきたとか

---驚きました、まさかこんなところで豊川出身の人の話題が出るとは。それにしても生きていけてるのか不安になりますが、、、ちなみにお名前は

フルタ:沢口ですね。僕もこうやって選ぶのは好きなんですよね、オーディションをして入れるよりも、いきなり隣のコンビニにいたとか、そういうのが面白いなと

---確かにフルタさんっぽさを感じるエピソードですね

---前回と同じく6人での公演となりますが、昨年の『ビッグマウス症候群』がある意味完成された公演だったと感じていて、そういう意味での真新しさがいまいちピンと来ていないのですが、今回の公演はどのような姿勢で臨まれるのでしょうか

フルタ:これはメンバーとも話していたことですが、十周年の時はそれまでの10年間を振り返るという意識が強く、10年間やってきたことに対する感謝の気持ちが強くありました。そして、今回十五周年を迎えるに当たり、もちろん感謝の気持ちはありますが、今の6人になって5年たったタイミングでもあります。清水さんは十周年記念公演に出てはいたのですが客演でしたからね。この6人で劇団フルタ丸と言い出してから5年が経って今思うのは、これまでの5年間を振り返ることよりもここからの15年間を劇団としてどのように活動していくのか、そのことばかり話しています。モチベーション的には次の15年に向いていて、僕らもいい年齢になってきたので自分の人生における立ち位置も含めた作品にしたいと

---そういうことなのですね、15年間というこれまでの期間にばかり注目していましたが、これからの15年間を見ていたとは、、、全くイメージしていませんでした

フルタ:懐かしむモードじゃもうないですね、「これまでやってきたなー」という感じではなく、先のことばかりを見ていますね。劇団乾電池が四十周年やっていることから考えれば、何が十五周年なんだと。まあ、十五周年やっている劇団も少ないですけど、四十周年やっている劇団が存在している街なので下北沢は。ここから先をいかに見て、みんなと共有して一つ一つの公演を大事にやれるか、それが6人で考えていることですね

---それでは作品についてお伺いしますが、まさにこのフライヤーに書かれているとおりですよね

劇団フルタ丸十五周年記念公演『ノーマークだった6人』 フライヤーより

フルタ:そうですね、全てではなく断片ではありますが。「ノーマークだった」というタイトルについて、これまでも公演ごとにタイトル案を出していますが、かなり前から「ノーマークだった」というワードを毎回思い出すように書いていました。なぜこの言葉に引きつけられたのか、有名と無名、その間に一本ある境界線、それはすべての表現者が超えたいライン。ノーマークじゃイヤなんです、マークされたいんです、注目されたいんです。注目されていることと注目されていない、売れていない立場にはずっとつきまとう景色なので、そのこともあってこの言葉が引っかかっていた。ポイントは『だった』の部分で、「ノーマークな6人」ではない。その線をどうやって乗り越えるのか、そういう意味では僕らのことでもあります。まだまだここでは終われないし、ここから15年間を見たときに今回が転機になってほしい。作品の内容に加えて、劇団フルタ丸としての意味もそこに入れています

---なんとなく前回の公演と姿勢的に似ている部分がありますね

フルタ:そこは僕の作風の共通点として大きいですね。今回や前回に限らず、全作品そこがベースになっている気がします

---タイトルやあらすじ以外にヒント的なものはありますか

フルタ:フライヤーの写真がヒントですね。これ、とある空港で撮影したのですが、むちゃくちゃ空港の人たちに「マークされて」いましたね(笑)。これ以外にもたくさん写真を撮ったのですが、ちょっとここで撮って大丈夫なのかみたいな。まあ、これも劇団員だけなのでできることなのですが。とにかく空港がキーポイントになりますね

---また、公演の公式サイトに『ピンチがスリルに変わる、フルタ丸クライムコメディー。』と書かれていますが、ずばり、フルタさんにとって「クライムコメディー」とは

フルタ:ジャンルとしてクライムコメディーと呼ばれるものは実はあまりないと思います。今回、「高飛び」をテーマにしようと思った時点で、これは犯罪なわけですから、フルタ丸としてのコメディーと掛け合わせてゆくと結果的にクライムコメディーとしか呼べないものになったという感じですね。そこには不謹慎という面白さも多分にあると思います。フルタ丸としてはあまり手を出して来なかった領域かもしれません

---そして、今回の作品は15歳の方が観劇無料という大きな話題があります。これまでの公演で15歳前後のお客さんはどの程度いらっしゃいますか

フルタ:普段はあまりいないですね。高校2・3年はいますが、15歳の高校1年生や中学3年生となると、自分単独で来るというのはなかなか無いですね、親御さんが連れてくることはありますが。そもそも、そういう年齢の子がこの情報を見つけられないですね

---そのあたりの年代だと、演劇をやっていて本当に好きな子とかですよね。そして、ネックになるのはチケットの値段ですが、その問題は今回はクリアしていますからね

フルタ:そうですね、お金的な問題はありませんので、是非観てもらいたいです。中3と高1ならチケットを無料にしますので

---演劇公演での割引というと学割はよく聞きますが、無料というのはあまり聞きません

フルタ:100円とかギャグみたいな金額を取る公演はありますが、ギャグにすることでも無いから単純に無料にしようと

---これは劇団フルタ丸からのプレゼント的な意味合いもありますね、是非15歳の皆さんには来ていただきたいです。下北沢の演劇に触れるチャンスです

---改めて今回はどのような作品になるのでしょうか

フルタ:作る作品はもちろんドラマですが、劇団としてのドラマでもあります。集団はドキュメンタリーな存在だと思っているので、両方をインパクトに残して楽しんでもらいたいと考えています

---作品自体はもちろんですが、それを生み出している劇団としての存在も、その二つを同時に感じてもらうということですね

フルタ:だからこそ、変に人を増やしたりできないですね。僕らの思い描いている6人のドラマを大事に運んでいる状況なので、この6人を崩せないですね。6人にしようと思って6人になったのではなく、6人に”なった”んですよね。ベストな劇団の人数は男女比も含めてわかりませんが、僕は男4:女2の比率も含めてすごく気に入っていますね。遙か昔に全員男だった時期もありましたけど、やっぱり息が詰まる感じがありましたね。全員女でも同じでしょうけど

---それでは最後に意気込みをお願いします

フルタ:常に意気込みすぎてて、意気込む言葉って何になるのかな、、、とにかく観に来てくださいということなのですが(笑)。フルタ丸の作品作りにも関係しているのですが、いかに日常から離れられるステキな嘘をつくか、それが僕の創作テーマなので、いかに日常の嫌なことを忘れられるかを考えています。日常から離れて、信じたくなるステキな嘘を、お客さんが90分なり100分の時間を楽しめるものを今回も6人で作ります。それはお約束します!

しっかりと皆さんの期待に応えて、期待を超えたいですね。これまでは期待を裏切って超えるという天の邪鬼なことを考えていた時期もありました。15年やってきて思うのは、期待に応えて期待に超えることをいかに劇団でやれるか、それを追求していきたいです。15周年かどうかはあくまで自分たちのことなので、そこはあまり気にしないでください。結局、フルタ丸で作りたいのは喜劇ですから

---ありがとうございました

劇団フルタ丸のお芝居はとにかく面白い、何も考えなくても楽しめることは間違いない。もちろん楽しいだけではない、物語を通して大きなテーマがありそれをはっきりと感じることができる。見終わった後の余韻はとても大きく、もう一度観たくなる、さらにはこの物語が終わった後のことまで気になってしまう。今回もこちらの予想を超えるお芝居を観れることはわかっている。だからこそ、今回はお芝居にではなく劇団に関わる部分について話を伺いました。

思い返してみれば、私が劇団フルタ丸のお芝居を初めて見たのは2012年9月に「劇」小劇場で上演された「うつくしい革命」でした。そう、私もフルタ丸の6人に出会って5年が経っていました。5年間で100本近くお芝居を観てきましたが、やはり劇団としてここまで愛する存在には未だ出会っていません。シモブロではフルタ丸をテーマとした記事は36本書かれており、いわゆる一つのテーマとしては最大の記事件数です。

今回のインタビューでフルタさんから「これからの15年」という言葉を聞いた時、本当に予想していない回答で固まってしまいました。これからの劇団フルタ丸がどのような展開を迎えるのか、そんなことを考えながら今回の劇団フルタ丸 十五周年記念公演『ノーマークだった6人』を観劇することにします。なーんだ、まだ5年しか観てないのかフルタ丸、まだまだずーっと観てられるじゃないか!

そうそう、最後にしっかりとPRしておきたいポイントを二つあげておきます。一つはインタビュー内でも触れていますが、15歳観劇無料(中3及び高1ならOK)というフルタ丸からステキなプレゼント。演劇が好きな学生さんはもちろん、下北沢の演劇を無料で観れる絶好のチャンス。でも、演劇に普段全く触れてないあなたに、ぜひ来てもらいたいです。本当に好きなものがわからない、将来どうしたらイメージできない、そんな15歳の皆さんに来ていただきたい。必ず何かを見つけるきっかけを与えてもらえるはずです。

そして、もう一つのポイントは「ノーマークだった6人」グッズの中にある「30周年記念公演チケット」(¥1,500円)。そういうことなのです、もう、今回のインタビューでもはっきりしましたが、フルタ丸は本当に15年後に向かって走り始めています。限定枚数のこのチケット、フルタ丸ファンは確実にゲットした上で額縁に入れて飾っておきましょう。

下北沢「劇」小劇場で6月15日に初日を迎える劇団フルタ丸十五周年記念公演『ノーマークだった6人』、チケットはオンライン予約フォームから。15歳無料の特典を受ける方は、メール予約が必要ですのでこの記事の最後に書かれている内容でメール予約を行ってください。あ、リレーブログも絶賛更新中なので、本番が近づいてきた劇団員の皆様の緊張感をぜひ感じてくださーい。

劇団フルタ丸十五周年記念公演
『ノーマークだった6人』

作・演出:フルタジュン
出演:宮内勇輝 真帆 篠原友紀 工藤優太 清水洋介 フルタジュン

日程:2017年6月15日(木)~19日(月)
劇場:下北沢「劇」小劇場(155-0031 東京都世田谷区北沢2-6-6)03-3466-0020(公演期間中のみ)
公演日時:
6月15日(木)☆19時半
6月16日(金)★14時/19時半
6月17日(土) 13時/18時
6月18日(日) 13時/18時
6月19日(月)★14時
料金:前売3,500円/当日3,800円
≪割引≫
☆初日割引3,200円
★平日マチネ割引3,200円
◎学生割引2,500円(学生証提示)
※前売り日時指定・全席自由
※受付開始は開演の40分前・開場は開演の30分前
ご予約・お問い合わせ:
●カルテットオンライン 予約フォーム https://www.quartet-online.net/ticket/nomark6
●電話 080-4898-2002(フルタ丸)
●メール info@furutamaru.com

【フルタ丸が生まれた15年前のあなたへ】
十五周年記念につき15歳の方は観劇無料(要メール予約・要証明)
メールの件名に「15歳チケット」、本文に「観劇日時・枚数・お名前・電話番号・中学3年生 or 高校1年生」を明記しご予約下さい。