連続8回のボイスドラマが完結したばかりの『嘘をついた下北沢』、その舞台版が7月24日からシアター711ではじまり、初日を観劇してきました。雨にもかかわらず、会場は超満員。開演前にはボイスドラマの最終話が流れていました。まだ、公演期間中と言うこともあり、詳細な内容については触れませんが、いくつか印象的な部分について書きたいと思います。
舞台がはじまった瞬間、それまで声だけしか知らなかったキャラクターが目の前にいる、そのことに何とも言えない不思議な感覚を受けます。散々、ボイスドラマで聴いていた声が、目の前でしかもそのキャラクター本人が現れる、感動するというかちょっと震える感じです。
そして、舞台美術。シンプルです、でもシンプルな美術の中に決定的な仕掛けがあり、舞台を演出する上でとても重要な役割を果たしています。
役者の皆さんは前回のボイスドラマでも見た面々ですが、りょう役のコロさんとレモン役の森谷さんは初めて。コロさんは、なんだろな。もう、本当に完全なる演劇人ですよね、自由に舞台を飛び回り、そしてアドリブを繰り広げていたんだろうなぁ、と(他の役者さんが吹いてましたからね、、、)。コロさんが演じるりょうは舞台真ん中で客席に向かって背を向けてシーンが多いのですが、後ろ姿がカッコいいんですよ、ホント。でもって、森谷さんは、レモンになりきってます、、、や、役なんだからなりきるのは当然なんですけど、それをさらに突き破ってレモンになっちゃってるんですよ、ええ。アイドルの人たちってみんなこんな感じなのかなぁ、、、とか、勝手にイメージしてしまいました(違うと思う)。
牛丸役の市来さん、ボイスドラマでもリアルと物語の世界を繋ぐ重要な役ですが、舞台でもその難しい立場を演じきっています。黒木役の大須賀さんは、、、なにも言いますまい、終盤大変なことになりますぞ。麻衣子役の山本さん、こちらも途中から大変なシーンばかりに、、、いい感じでした、いい感じー。荒木役の宮内さんはちょっとボイスドラマよりはまともなのかな、ボイスドラマで見えなかった部分がいろいろクリアになります。
リサ役の真帆さん、荒木との絡みが多いわけですが、なぜ荒木がリサをお気に入りなのかその衝撃の真相が劇中で明らかになります(そこかよ)。沢井役の篠原さんは、うーん、わかるんだけどわからない、沢井本人じゃないとわからない、いや沢井本人もわかってないのか、、、。田川役の工藤さん、ボイスドラマとは全く違う状態になります、思い切ったなぁ、振り切ったなぁ。そして、最後にトモヤス役を演じた清水さん、あんたなんでそのTシャツ着てるんだよ!!(ほとんどの人にとってはどうでもいい話し)
あと、グッズね、買ってきたよパンフとCD。パンフレットは完成度高い! 作・演出のフルタさんとボイスドラマの演出を手がけたひらさわさんをはじめとして、全キャストのコメント、そしてスペシャルインタビュー、さらにはキャスト全員の手書きサイン付き!! これは、絶対に買っておくべき、上演前に買って読み込んでおきましょう。CDは、ボイスドラマでもエンディングテーマとして使われていた「リンクな世界」と、「レモン1000個分の勇気」。2曲目についてはあえてなにも触れません。パンフレットは800円、CDは1000円、セットで買うと1500円。ここはセットでしょ、セットで買っておくべきでしょ!
公演終了後にはアフタートークもありました、初日は市来さん森谷さん真帆さんの3人。舞台終了したばかりの役者さんは、なんというか抜け殻的な感じですよね、当然ですけど。その状態の役者さんのトークは、いい感じにお芝居の余韻に浸ることができます。本日7月25日のアフタートークは大須賀さんコロさん篠原さんの3名、コロさんのアフタートークききてーーー。明日7月26日は、、、え! ミニミニライブ! レモン/RififiRi!! まじかーーー! いきてーーー、超いきてーーーー!! 毎日アフタートークはありますよー(詳細は公式サイトにて)。
さて、最後に全体的な感想を一言。ボイスドラマを含めて『嘘をついた下北沢』は下北沢の街にとって、とても重要な作品になると感じました。そう、下北沢という街にとって欠かすことができない作品、下北沢の歴史に残る作品になります。下北沢という街の本質に迫り、そしてフルタさんが至った結論をラストシーンで知ることになります。そしてそれは、下北沢で14年間働いてこれからもこの街に居続けるであろう、そんな私が持っている下北沢という街の本質と全く同じなんですよ、、、。下北沢という街が好きな人には全員観てもらいたい、そんな素晴らしい作品でした。
さー、皆さんもシアター711へ行こう!
【公演概要】
-あらすじ-
東京は世田谷区。カルチャーの町、下北沢。
そんな下北沢に憧れ、後追いで作られたニセモノの街、リトル下北沢。
どこか中国のテーマパークのように胡散臭い街であったが、
下北沢が失ってしまった“何か”をまだ持っていた。
下北沢とリトル下北沢。
ある日、2つの街を繋ぐ、一人の女が現れた―。
不思議なシモキタを舞台に巻き起こるSFコメディー。
-出演-
牛丸 :市来光弘 (マウスプロモーション)
黒木 :大須賀純 (マウスプロモーション)
りょう :コロ (コロブチカ)
レモン :森谷里美 (マウスプロモーション)
麻衣子 :山本綾 (アーリーウイング)
荒木 :宮内勇輝 (劇団フルタ丸)
リサ :真帆 (劇団フルタ丸)
沢井 :篠原友紀 (劇団フルタ丸)
田川 :工藤優太 (TACT/劇団フルタ丸)
トモヤス :清水洋介 (劇団フルタ丸)
-STAFF-
<ボイスドラマ版スタッフ>
作 :フルタジュン(劇団フルタ丸)
演出 :ひらさわひさよし
演出助手 :山口翔平
編集 :松尾崇宏、藤原道乃
映像編集 :平塚亮(アスラフィルム)、清田育代(アスラフィルム)
<舞台版スタッフ>
作/演出 :フルタジュン(劇団フルタ丸)
照明 :向井さとこ
音響 :前田真宏
舞台美術 :泉真
制作 :和田宜之
<キービジュアル>
西俊樹(west colors)/姫心重機/砂川俊輔(DICE CREATIVE)
<主題歌>
『リンクな世界』
歌 :RifufuRi
作詞 :Rie*HH
曲・編曲 :2Pla-Tone (Hal music)
<音楽制作>
2Pla-Tone (Hal music)
<WEB>
MAYA
<プロデュース>
ひらさわひさよし/フルタジュン
-スペシャルサンクス-
アーリーウィング/ダイスクリエリティブ/ダイスエンターテイメント
ハルミュージュック/マウスプロモーション
(かな順)
-公演スケジュール-
7月24日(水) 19:30~
7月25日(木) 19:30~
7月26日(金) 19:30~
7月27日(土) 14:00~、19:00~
7月28日(日) 13:00~、17:00~
-チケット-
前売 3,500円
当日 4,000円
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【おまけ】
この日はこのTシャツで観劇しました。下北沢は演劇の街です! 演劇はカッコいい! 大好きだ!!! 太巻の野郎は絶対に許さん!!!