12月25日に小田急電鉄および京王電鉄からニュースリリースが発行され、下北沢駅内で現在はつながっている小田急線と井の頭線の間に新たな改札口として、「小田急中央口」および「京王中央口」が設けられ2019年3月16日(土)始発からの利用開始が発表されました。
・下北沢駅 小田急中央口の使用を開始します[PDF]
・2019年3月16日(土)始発から井の頭線下北沢駅に改札口(京王中央口)を新設します[PDF]


小田急線が開通し下北沢駅が開業したのは1927年、その後1933年に井の頭線が開通しましたが、当時の井の頭線は小田急電鉄系の鉄道会社「帝都電鉄」として開業し後に小田急に合併され「帝都線」となったため、小田急線と井の頭線の間に改札は設けられていませんでした。そして、1942年に小田急電鉄が東京横浜電鉄に合併され東京急行電鉄の所管となり、その時に「井の頭線」という路線名に変更されます。
その後、戦後1948年6月に東京急行からそれぞれの鉄道会社が分離、その際に井の頭線は同じく買収されていた旧京王電気軌道と組み合わされ京王帝都電鉄(現在の京王電鉄)傘下となり、小田急と分離されることになりました。そういう経緯があり、元々下北沢駅の2路線間には改札が存在していませんでしたが、本来は別々の鉄道会社のため改札があることが正しい形であるといえます。
とはいえ利用者としては、今まで改札なしで乗り換えが可能だった下北沢駅内に改札ができるのは利便性が損なわれると考えざるを得ません。小田急電鉄はリリース内で、
「東西方向の自由通路機能が確保され、街の回遊性が向上するとともに、改札口が別になることで、お乗り間違いがなくなるなど、わかりやすく使いやすい駅に変わります」
※下北沢駅 小田急中央口の使用を開始します[PDF]より
と伝え、一方の京王電鉄のリリースでは、
「工事期間中、井の頭線下北沢駅は仮設通路や仮設改札口を使用しておりましたが、これにより通路が明確化され、よりご利用いただきやすい駅となります」
※2019年3月16日(土)始発から井の頭線下北沢駅に改札口(京王中央口)を新設します[PDF]より
と伝えています。下北沢駅に慣れている立場としては想像もつかないのですが、確かに改札口がわからずに西口で北沢タウンホールまでの行き方を聞かれたり、旧南口で下北沢成徳高校の場所を聞かれたりと、慣れていない方にとっては非常に難解な駅だったともいえます。改札が分離されることによって、慣れていない方にとってはより明確になります。
あと、大きなポイントとしてそれぞれの中央口から西口方面および南西口方面に通り抜けができる点があります(改札外の動線、小田急の図の「2階へ」の部分から)。元々の下北沢駅は、小田急線上の2階に改札があり右側に北口、左側に南口がありましたが、中央口から2階に上がることで、西口や南西口へもアクセスできるようになるため、下北沢という街の利便性向上につながります。小田急線の地下化により踏切が無くなり南北の回遊性が高まったことに加え、東西についても回遊性が高まります。改札ができることは日常の利用者にとっては不便を強いることになりますが、より魅力的な下北沢につながると考えています。


※駅サインなどは変更になる場合があります
(小田急電鉄リリースより)
また、京王電鉄からは井の頭線については京王中央口の利用開始に伴い、2018年度末までに駅構内に多機能トイレおよび男女トイレを新設、さらに2021年度の整備完了を目指しホームドアの設置工事を進めることも発表されました。
一方、小田急電鉄からもホームドアの設置が発表されています。地下1階ホームには2018年度中、地下2階ホームには2020年度中の使用開始を予定しています。また、ホーム新宿側に新たにエスカレーターが設置、2018年度中に使用開始とのことです。現在は新宿よりに階段やエスカレーターがなく不便でしたが、今後は東口方面へのアクセスは格段に良くなります。

(小田急電鉄リリースより)
長く続いてきた小田急線の地下化および複々線化に伴う工事も、やっと終わりが見えてきました。まだ、駅舎2階の商業施設にオープン、そして駅前広場などの道路整備完了には時間がかかります。特に道路整備については、2019年度に駅前広場の北側部分の設計が完了し、2020年度から工事が始まる予定であり、まだいつ工事が完了するのかわからない状況です。2018年12月22日に開催された「北沢PR戦略会議 vol.6」で、下記の平面図が公開されました。

青色の部分が利用できる空間とのことで、中央口へのアクセス通路、東口前に階段とスロープの設置、オオゼキ方面へのアクセス通路(幅6メートル歩行者のみ)、さらに旧南口方面へのアクセス通路などが整備される予定です。全ての工事完了はまだ先ですが、確実に駅周辺の工事は進んでいます。まだまだ様々な変化がありますが、新しい下北沢にぜひ期待してください!