下北沢は演劇の街だぁぁぁ!!!

 

皆さん初めまして!「演劇」のブログを担当することになりましたAzNです!

つたない文章ですが、どうぞよろしくお願いします!!

さてさて、本題に入りましょう。初の演劇ブログなんですから「本多劇場」で行われた舞台についてお届けします!

2013年6月22日~7月15日に、5年前ナイロン100℃の最高傑作と言われた舞台「わが闇」が20周年記念公演の締めとして再演されました。

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再演ですから戯曲変わらずですが、キャストも変わっていないという驚きです。

演出内容は変わっていましたが、相変わらずの「ナイロン100℃ワールド」満載の舞台でした!

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:犬山イヌコ 峯村リエ みのすけ 三宅弘城 大倉孝二 松永玲子 長田奈麻 廣川三憲 喜安浩平 吉増裕士 皆戸麻衣/ 岡田義徳 坂井真紀 長谷川朝晴

 

配役 柏木 立子   犬山 イヌコ     滝本 悟        岡 田 義 徳

   守口 艶子   峯 村 リ エ      大鍋 あたる      大 倉 孝 二

   柏木 類子   坂 井 真 紀                                

      皆藤 竜一郎  長谷川 朝晴      志田 潤        長 田 奈 麻

      三好 未完   三 宅 弘 城            初老の男・カメラマン  吉 増 裕 士 

   守口 寅夫   み の す け            田村・編集ライター   喜 安 浩 平

      柏木 伸彦   廣 川 三 憲           皆藤みどり・雑誌編集者 皆 戸 麻 衣

      柏木 智子・飛石 花    松 永 玲 子

簡単なあらずじとしては(注意:私個人で解釈した内容です。)

31年前、人口1000人も満たない「御五色村」という小さな村にある一軒家に引っ越してきた柏木家を舞台にしている。主に三姉妹(上の写真下 左から長女立子:たつこ 次女艶子:つやこ 三女類子:るいこ )の話である。そして、10歳から小説の執筆活動をし注目を浴びた立子が小説として、家族の内面的・表面的な闇を描いています。その本の題名が「わが闇」。この物語のお話。

物語は三姉妹の語りから入ります。「どうしてこの家に住むようになったのか」「その当時、どんな家庭だったのか」など、階段に年上順に下から座って、優しい声と楽しそうな表情でそっとゆっりと。そして、過去の描写はますます具体的に演じられていきます(簡単にいうと、話すから実際に過去の再現という感じです)。母親(柏木基子)が次第に見せる精神の不安定さ、それが原因での6年間の別居、その別居期間にできた父の恋人、離婚、離婚がショックで自殺してしまう母…これほどまでに、つらい思いやいきなりの出来事に幼少期から10代後半までに経験してきた三姉妹は、一つひとつ受け止め成長していく。

そして時はたち、ある年の冬。病床に臥せた三姉妹の父(信彦:のぶひこ)に、ドキュメンタリームービーを撮らしてくれと、大鍋あたると滝本悟がやってくる。そして、彼らも彼らで闇を抱えていた。季節が過ぎるにつれ、どんどんと個々の闇が表れてくる。この家族はどうなるのか、彼らの闇ははらされるのか…

感想は

何と言っても、柏木三姉妹のそれぞれの物語が、観客を「わが闇」の中に引き込でいきました。

成長し、各々が大人になった時、立子は小説家を続け、艶子は「寅夫」という少し問題のある旦那をもち、類子は女優をしているが失踪している。そして、それぞれにはそれぞれの事情がある。だけど、言えずに心の中にしまってしまう三姉妹。そんなあ雰囲気がじわじわと伝わってきたのを覚えています。

あと、この家族に忘れてはいけないのは「三好未完」という存在ではないでしょうか。未完が22歳のとき、柏木信彦に憧れ、半ば強引にこの家族の「何でも屋」みたいな立ち位置で住み込む。彼は、純粋で信彦や三姉妹、そして自殺してしまった基子に対しても気にかけ、精一杯この家族に愛情を注でいまいた。彼のおかげで、この家にある、闇も少しは和らいでいたようにも感じられます。だから、重要な存在なのです。

そして、映画を撮りに来た 大鍋と滝本について。彼らは仲良しなのか、どうなのか微妙な感じ(滝本が大鍋を嫌そうにする場面があるので)に思えるが、信彦の映画については真面目に考えていると思えました。しかし、いくら真面目に映画が撮りたいとなっても、滝本がプロデューサーに借りているお金の金額は異常だなと感じていました。余談ですが、大鍋は「現代に居そうな世間知らず感」満載なのに、どこか憎めないそんな人間ということが憎い!自分だけのことを考えらる、大鍋になりたいと思ったのも事実です:)

次に、立子の小説を出版している会社の編集者:皆藤君(かいどう)について。立子に対しての恋愛的な愛情が伝わってくるのがまたいいなと思いました。闇だけではない、闇の中にも光があって希望になるかもしれない。そんな感じに、彼の感情は捉えられました。

最後に寅夫について、彼は「嫌な奴」ってまとめてしまったら簡単かもしれません。けど、彼の過去を考えるとそうもいかないなと思えました。彼は、昔古本屋を経営していたのですが、自分の寝たばこのせいで家も店もそして、最愛の娘も失くしてしまいます。そうなれば、人間変わってしまうのは当たり前。劇中でみせる彼はとても短気で自己中ですが、ほんとはそんなことしたくないのでは等と深読みできる人間でした。また、火が怖くてたばこが吸えないトラウマを持っていたり、心が少しずつけがれていく彼が、一番闇なのではないかと勝手に想像もしてしまいました。

役以外に、ナイロン100℃は舞台美術・照明・音響でも心を掴んできます。今回の舞台セットは家でしたが、見たことのない映像を取り入れた舞台の使用、かっこいい異国の音楽、そして俳優やセットが際立つ照明の当て方。隅々まで目が離せないとはこういうことなんだと改めて思わされました。

下北での公演は終了してしまいましたが、まだまだ地方でのツアーは行っています。しっかりとした情報はナイロン100℃又は株式会社 cubeにてご確認ください!

それでも、下北で行われた公演の演技が見たいという方は初演ですがdvd も発売されています。どうぞ、ご購入して、下北沢で演劇をみるきっかけを作ってみてください!

あなたが下北沢で観劇をする日を心からお待ちしております。

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ちょっとした、地図です!青い線、赤い線にそって行ってみてはいかがでしょうか…。