艶∞ポリス 第十一回公演「飛んでる最高」 艶∞ポリス 第十一回公演「飛んでる最高」

[レビュー]艶∞ポリス 第十一回公演「飛んでる最高」

新しくできたシェアラウンジで朝から記事を書き続けていた、その日は朝から雨が降っていて、なんとなく気持ちも沈み気味な日だった。アラートに気がつき、すぐ隣にある駅前劇場に向かう。駅前劇場に入るのは3年ぶり、座席は最前列、低めの椅子に座りステージを眺める。なんとなく空港っぽい音が流れ、観劇前の注意アナウンスもどう考えても空港の放送っぽさ全開だ。照明が落ち、舞台の幕が開いた。

目に飛び込んでくる状況を理解しようとすると、それを超えるスピードで物語は進んで行ってしまう。随所に小ネタがちりばめてられているけど、それをのみ込む前にシーンはどんどん進んでゆく。空港という場所で同時に発生するいくつもの出来事、当事者でもなく観客からそれを見るだけの立場にもかかわらず、完全に巻き込まれてしまっている感覚。気がつけば話を理解しようとはしておらず、ただただ笑い震え、そして目の前で起きていることをいかに対処すべきかを考えてしまっている。完全にこのお芝居の世界に持っていかれた100分間だった。

舞台が終わり勢揃いしたキャストの素の顔を見て、現実に引き戻される。その時、自分の頭に浮かんだ言葉は、

空港は恐ろしいところだ

これに尽きる。いやいや、前回この場所で「個性が強すぎるのかもしれない」を観劇したときと全く同じ感想じゃないか。今回も空港を舞台に、完全に持っていかれてしまった。艶∞ポリス主宰の岸本鮎佳に完全に持っていかれてしまった。そして、彼女の世界観を演じきった、いや半ばそこから飛び出す勢いで演じた役者たちの素晴らしさよ、「飛んでる最高」というタイトルのままに私を揺さぶり続けてくれてありがとう。素晴らしすぎる歌をありがとう。

コロナ禍が演劇界に与えた影響は甚大で計り知れない。そして、それは空港という場所も同じであり、そこで働く人たちやそこに訪れる人たちに未曾有の影響を与えた。このわけの分からない状況から2年が経ち、人々はやっと前に進み始めている。そんなタイミングで、劇場という場所で見た空港の物語。劇場でお芝居がはじまる前のワクワク感・ドキドキ感と、空港から飛び立つ前のワクワク感・ドキドキ感はなんとなく似ている、そんなことを思い出しました。しばらく飛行機にも乗っていないな。劇場を出ると相変わらず雨は降り続いていたけど、最高のエンターテインメントを全身に浴び、ココロは爽快感で満たされていました。

艶∞ポリス 第十一回公演「飛んでる最高」は、24日(日)まで駅前劇場にて上演。あなたも、ぜひ駅前劇場で飛び立って欲しい。

艶∞ポリス 第十一回公演「飛んでる最高」
艶∞ポリス 第十一回公演「飛んでる最高」

艶∞ポリス 第十一回公演 「飛んでる最高」

作・演出: 岸本鮎佳
出演: 高野ゆらこ、渋江譲二、太田将熙、関 絵里子、奥村佳代、山田瑞紀、岸本鮎佳、小林タカ鹿、今藤洋子
日程: 2022年4月13日(水)~4月24日(日)
会場: 下北沢 駅前劇場
料金: 前売 4,500円 当日 4,800円(全席指定・日時指定・税込)
 チケット取り扱い
 ローソンチケット Lコード:32481
 https://l-tike.com/tsuyapolice11/
 CoRich!チケット
 https://ticket.corich.jp/apply/130149/
タイムテーブル:
 2022年4月13日(水)~4月24日(日)
 13(水)19:00開演
 14(木)19:00開演
 15(金)14:00開演
 16(土)13:00開演★/17:00開演★
 17(日)13:00開演
 18(月)14:00開演/19:00開演
 19(火)14:00開演
 20(水)休演
 21(木)14:00開演
 22(金)14:00開演
 23(土)13:00開演/17:00開演
 24(日)13:00開演
 ★…映像収録回
 ※当日券販売・受付開始は開演の45分前、
 開場は開演の30分前です。
 ※上演時間は約90分~100分を予定しております。

[スタッフ]
作・演出: 岸本鮎佳
音楽: カワイヒデヒロ
舞台美術: 門馬雄太郎
音響: 古川直幸
照明: 宮崎絵美子
衣装: 首藤和香子
演出助手: 石原美海
舞台監督: 土居 歩
撮影: Nomadic TOKYO & Co.
宣伝美術: 三ツ橋勇二
宣伝写真: 井上桂佑
制作: いとうかな
企画・製作: 艶∞ポリス
協力:株式会社アミューズ、株式会社アンカット、江古田のガールズ、BLUE LABEL、株式会社G-STAR.PRO

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