京王電鉄は「日本一安全でサービスの良い鉄道」を目指し、自動運転設備を活用したワンマン運転の実現に向けて、2025年春に井の頭線で自動運転の実証試験が開始されます。
京王電鉄では、少子高齢化や働き方改革などにより鉄道事業を取り巻く環境が目まぐるしく変化している中、ホームドアの整備や自動列車制御装置（ATC）導入など、お客さまの安全確保と地域社会の課題解決に取り組んできました。
この試験ではより高度な安全・安心に向けて、運転操作全般（加減速）を自動化し、均質な運転を行うことで、定時性向上と省エネ効果を検証します。また、駅停車時に使用する定位置停止装置（TASC）にて停車精度を向上させ、ホームドア設置計画へ対応するとのこと。また、この試験の結果を京王線での自動運転化にも活用するとのことです。
※定位置停止装置（TASC）・自動列車制御装置（ATC）について
定位置停止装置（TASC）は、駅停車時に停止位置目標へ自動的にブレーキをかけて正確な位置に停車させる装置です。
自動列車制御装置（ATC）は、先行列車との間隔や曲線、分岐、下り勾配、停車駅などさまざまな条件をもとに、常に適正な速度で走行するよう列車をきめ細かく制御する装置です。
自動運転と聞くと完全に無人で自動で運行することをイメージしましたが、今回実証実験を行うのは“GoA2”と呼ばれるモノで実際には半自動運転であり、運転士は運転室におり緊急時は手動で運転するもの。ドアの開閉も運転手が行うので、車掌は乗車せずワンマン運転になるのですね。
ちなみに実証実験では井の頭線1000系を走行試験車両として使用し、回送列車にて運転士と車掌が乗車した状態で昼夜共に実施。自動運転システムの安全性・安定性、及び自動運転時に乗務員が行う作業の課題抽出するとのことです。はい、いきなり私たちが利用している井の頭線で試験をするわけではありませんのでご安心を。
今回の実証試験や自動運転設備の詳細につきましては、確定次第お知らせされるとのことで、決まり次第改めてご紹介しますね。自動運転してる井の頭線、下北沢で見てみたいなー。
参考サイト： 知ってた？鉄道の自動運転レベル0〜4の定義や導入状況を解説 踏切がある一般路線での本格導入はこれから | 自動運転ラボ