劇団フルタ丸主宰・フルタジュンさん

下北沢を本拠地とする劇団フルタ丸。その劇団フルタ丸の第21回公演チャレンジング興行第二弾「Parallel/パラレル」が11月7日(木)から11日(月)まで、下北沢「劇」小劇場で行われます。前回の第20回公演に引き続き、【チャレンジング興行】と銘打った今回のお芝居の見所を、劇団主宰で作・演出を手がけるフルタジュンさんに伺いました。

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ymkx: 今日は劇団フルタ丸第21回公演チャレンジング興行第二弾「Parallel/パラレル」の話を伺いたいのですが、今回も【チャレンジング興行】とあえてつけられているので、まずは前回のチャレンジング興行第一弾「匿名家族」についても伺いたいと思います。劇団フルタ丸 第20回公演 チャレンジング興行 第一弾と銘打って行われた「匿名家族」ですが、私としてはチャレンジは達成した上での完成された公演だと感じたのですが

フルタジュン(以下、フルタ): そう言って頂ければ嬉しいです。僕たちは稽古中はどのように観てもらえるのかリアクションをとってもらえるのか不安で、でも、幕が開けたら同じ様な声がお客さんから聞けて安心しました

ymkx: 幕が開けてすぐにわかったんですよね、”家族”はその場では見えないんだ、ああ、そうなんだと。でも、もちろん役者さんはそこに”家族が”いる前提で演じているんですよね、こういうお芝居は役者の皆さんはそのような経験があったのでしょうか?

フルタ: 一人芝居だと割とある話しなのですが、集団対集団で存在しない相手に対して演じることについては経験無いと思います。僕も思いついたときに、これはどこもやっていない、だからこそ挑戦する価値があると思ったわけです。難しい点は集団対集団なので、同じ家族の中でも背の高さが違っていたりするので目線の位置を意識しないと、ずれてしまったりするんですよね。その辺りをキッチリ演じてもらうことが大変でした

ymkx: 自分がこのお芝居を観たときの違和感の無さは、その辺りの細かい部分までちゃんと演じていたからなのですね

フルタ: そう言って頂けれると、本当にうれしいです

ymkx: 正直な話し、観ている側として”家族”がいないシーンって、ちょっとホッとするんですよね

フルタ: その感覚、よくわかります

ymkx: 一方、見えない”家族”が存在しているシーンは、観ている側としては見えない”家族”がどんな動きをしているのかイメージしてすごくドキドキしていたりするわけですが、役者さんとしては”家族”がいるシーンといないシーン、どっちの方がやりやすいのですか?

フルタ: やりやすさという面では、もちろんいない時の方がやりやすいですよね。僕自身も”家族”がいないシーンでは挑戦から解放され、普通の演劇に戻る瞬間でホッとしていましたね

ymkx: あのお芝居、実際に”家族”が役者さんとして存在していても素晴らしい演劇だったと思いますが、実際に”家族”が存在した状態での「匿名家族」というお芝居はイメージできましたか?

フルタ: “家族”が存在しているバージョンってのは全然イメージできないですね。”家族”がそこには存在していないことで完成した作品でしたので

ymkx: ちなみに、”家族”の台詞というのは実際には存在していましたか?

フルタ: 僕の中にはありましたが、役者には伝えていません。みんなに想像してもらい、それを共有してもらうことで人物を作り上げてもらいました、大変でしたね

ymkx: こうやって、作品の話しを聞くと、本当にチャレンジングなお芝居だったと再認識させられました

稽古前に役者の皆さんに段取りを伝えるフルタさん

稽古前に役者の皆さんに段取りを伝えるフルタさん

ymkx: そして、今回のお芝居である「Parallel/パラレル」のお話を伺いますが、“選択”をテーマとしたお芝居とのことで、コメディーなんですよね?

フルタ: はい、コメディーを目指しています

ymkx: “選択”がテーマということでなんとなくイメージはできるのですが、稽古日誌を拝見していると役者の皆さんがとにかく大変だと伝えられています。具体的にどのあたりが大変なのでしょうか?

フルタ: “選択”をテーマとしていますが、演出としては、、、

(以下、「Parallel/パラレル」の演出としての話しが続きます、、、このあたりはぜひ劇場にて確認して下さい)

ymkx: 、、、前言撤回させて下さい、全然イメージしていたものと違いました、遙かに上回っていました、ちゃ、チャレンジングですね、チャレンジングすぎます、、、。話を聞いてなんとなくイメージはできるのですが、フルタさんの演出どおりに演じることができたら、これは凄いお芝居になりますね。当然ですけど、今までにこのような演出での芝居は他でやられていないですよね?

フルタ: 無い、と思います。このアイデアを思いついた人はいるかも知れないですが、、、でも、やらなかったでしょうね、大変すぎて。だからこそ、僕はやってみたいのです、”チャレンジ興行”としてやってみようと思ったわけです。正直な話し怖いです、前の公演(匿名家族)以上に怖いです

ymkx: 確かに、このアイデアを実現するためには、とにかく難しいお芝居が要求されますね、、、繰り返しになりますが、チャレンジングですね、、、

フルタ: チャレンジングなんです、誰も見たことがないお芝居になると思います

「Parallel/パラレル」の公演チラシ

「Parallel/パラレル」の公演チラシ

ymkx: 今回の公演チラシも素晴らしいデザインですが、これはフルタさんのアイデアですか?

フルタ: いえ、チラシのデザインについては、作成してくれる方にすべて任せています

ymkx: ちなみに、お芝居の内容は伝えているのですか?

フルタ: いいえ、「Parallel/パラレル」というタイトルしか伝えていません

ymkx: え? タイトルだけでこのチラシができたのですか? 今まで伺った話から考えると、「Parallel/パラレル」の物語をものすごく的確にそしてイメージを表現していると思いますが

フルタ: 彼は高校時代の同級生で、タイトルを伝えるだけでこっちが求めているデザインが「ビシッ」と上がってくるんですよね。演劇の内容と繋がる部分があったりして、このデザインが上がってきたときにはさすがに「ゾクッ」としましたね。彼とは最初の公演からお願いをしていて、長い期間一緒にやっていると、こんなリンクが生まれたりするんですよね

役者の皆さんの演技に対し、丁寧に指示をするフルタさん

役者の皆さんの演技に対し、丁寧に指示をするフルタさん

ymkx: 今回の公演もチャレンジング公演となりましたが、今後もチャレンジング公演は続けられる予定ですか?

フルタ: 一応、第三弾までと考えています、この呪縛から僕も逃れたいので、、、。何をチャレンジするのか考えるのが、実はしんどいと気づいてしまっったんです。演劇においてのチャレンジは、作品の内容ではなく演出なんです。今までありそうでなかった演出で作品を見せる、そこにアイデアや発見が必要となります。ですので、今回もこれでやろうと決まるまでが時間がかかりましたね。これならチャレンジと受け入れてもらえるだろうと。実際にやってみて「これ、チャレンジって言えるの?」って言われるのが悔しいので、ここまでやっておいたらチャレンジしたなと感じてもらえる作品を見せたいです

ymkx: ちなみに、前回(匿名家族)と今回(Parallel/パラレル)でチャレンジ度合はどのくらい違いますか? 前回とは次元が違う気もしますが

フルタ: そうですね、かなり高いと思います

ymkx: となると、三回目は、、、

フルタ: もう、どうしたらいいですかね、、、

ymkx: と、先の話をしてしまいましたが、まずは今回をどう乗り越えるか、このチャレンジに期待したいと思います。ちなみに、実際にこのチャレンジを行う役者さんの様子はいかがですか

フルタ: 稽古が進むにつれて、ピリピリしてくると思います

ymkx: 今回のチャレンジに対するレベルの高さが伺えますね

客演の山田伊久磨さんと演出について話すフルタさん

客演の山田伊久磨さんと、演技について話すフルタさん

ymkx: 本拠地の下北沢での公演になります、最後に意気込みをお願いします

フルタ: 演劇をよく観ている人にも衝撃があるし、演劇を全く見たことない人が「これどうやって作ったんだろう?」という驚きもあります。万人に楽しめるポイントがあります、大いに期待して、そして劇場でおののいて、度肝を抜いてもらいたいと思います!

ymkx: ありがとうございました

フルタジュンさんと役者の皆様

フルタジュンさんと役者の皆様

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今回の取材は稽古場で稽古開始前に行ったわけですが、とにかくフルタさんのチャレンジのレベルが凄まじく高く、実際に会場となる「劇」小劇場で観るのが楽しみで仕方ありません。ちなみに、取材後の稽古も拝見させてもらいましたが、、、もう、凄いですよ、なにが凄いかは書けないけど、、、。フルタさんも最後に語られていますが、演劇をよく観る人にも観たことがない人にも、このお芝居は絶対に観てもらいたいです、「Parallel/パラレル」の演出へのチャレンジは保証します! 私は初日に行く予定、みなさんも今すぐこちらからチケット予約です! (ymkx

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劇団フルタ丸 第21回公演
チャレンジング興行第二弾
「Parallel/パラレル」

劇団フルタ丸「Parallel/パラレル」あの時、あっちを選んでいたらどうなっていたのか? 
選ばなかった人生は、いつもあなたに並走して、あなたのすぐそばにいる。

<公演日時>
11月7日(木)~11日(月)
7日(木)      ★19時半
8日(金) ◎14時  19時半
9日(土)  14時  19時
10日(日)  13時  17時
11日(月) ◎14時  19時
(受付開始は開演の45分前・開場は開演の30分前)

<チケット>
前売:3,300円
当日:3,800円
★初回割引 :3,000円(7日・19時半)
◎平日昼割引:3,000円(8日・14時/11日・14時)
学生割引:  2,500円(学生証提示)
※前売り日時指定・全席自由

■電話予約 080-4662-4471(フルタ丸)
■メール予約 info@furutamaru.com
チケット予約の際には、「日時・枚数・お名前・電話番号」をお伝え下さい。
フルタ丸からの受付確認をもって予約完了、ご予約は公演日の前日まで。
■チケット予約フォーム:https://ticket.corich.jp/apply/49565/

<会場>
下北沢「劇」小劇場
〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-6-6
Tel:03-3466-0020
小田急線・京王線下北沢駅下車徒歩3分

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About the Author

クロダマサノブ

下北沢情報サイト【しもブロ】のキュレーターです、キュレーターってなんやねんって?下北沢のありとあらゆるモノをキュレーションしています。下北沢の街にたどり着いて25年、常に変化し続けるこの街のことを見続け、下北沢のイマを伝えています

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