下北沢ものがたり

 

3月31日に発売された『下北沢ものがたり』、実際に読んでみてこの本は下北沢という街が好きな人にとっては必読書だと感じましたので紹介します。下北沢歴20年くらいのおっさんですー、ymkxですー。

下北沢ものがたりの表紙リリー・フランキーよしもとばなな柄本明金子マリ曽我部恵一、、、下北沢を代表する著名人の下北沢に対する想いをぎゅぎゅっと詰め込んだ一冊。下北沢は演劇の聖地であり音楽の聖地でもある、いやいや雑貨屋さんや個性際立つ飲食店もたくさんあるしヘアサロンもひしめき合ってる、その辺のモールに大量出店してあんま珍しくはなくなったけどその中でも別格最もイケテル ヴィレッジヴァンガードの下北沢店だってあるんだ。そんな下北沢という街を、ミュージシャン、作家、役者の皆様が自分たちの目線で語っています。

と、この本で下北沢を語っているのは下北沢に縁がある著名人だけじゃない、「本多劇場グループ代表の本多一夫さん」、ライブハウスを運営している「ロフトプロジェクトの平野悠さん(Shelter、下北沢LOFTの設立者)」、「下北沢南口商店街前理事長の吉田さん(吉の字は正確には土に口)」、など下北沢にゆかりが深い、というかこの人たちがいなかったら今の下北沢はなかったと言い切れる皆様も語られています。

さらに、毎週土曜日に南口すぐのところで時に優しくそして激しく漫画を読んでくれる「漫読家の東方力丸さん」、1982年から輸入中古アナログレコードショップを運営している「フラッシュ・ディスク・ランチの椿正雄さん」、下北沢情報満載のWebメディア「下北沢経済新聞編集長の小川たまかさん」、様々なメディアで紹介され続けている喫茶店「邪宗門の作道貴久枝さん」、一番街にあるザ・定食屋「とん水の野口光二さん」、もう凄いです凄まじいです溢れんばかりの下北沢感、、、ん? 小川たまか? 下経の小川さんだよ、すっげええええええ!

下北沢経済新聞小川たまかさん

超絶うらやましいいいいいいいいい、さすが無駄に美人なだけはある(おいおい)、まー、小川さんの写真は載ってないんだけど、、、。ちなみに、小川さんは下北沢ブロイラーのことも取り上げてくれたよ-、超絶サンキュー、ハイパーサンキュー。今度なんかおごります、宿場で(おいおいお)。

で、本の内容ですが、下北沢の過去と現在を写真で比較した「写真で見る下北沢今昔」にはじまり、2013年3月22日深夜の写真「下北沢地上駅最後の日」、なぜこの本を出版するに至ったのかが書かれている「はじめに」、下北沢という街がどのように生まれたのかが書かれている「下北沢の変遷」、そして先ほど紹介した総勢13名(組)の下北沢人の皆様が下北沢について語りまくっています。下北沢全般の話しを語っているのではなく、本人と下北沢の接点だけにクローズアップしており、13通りの下北沢を見ることができます。

皆さんの語る下北沢は、『わかるー』というものから『え?そうだったの??』というものまで、下北沢のことはある程度知ってると思っていた自分が初めて知るような話しが満載で驚きます。どれも素晴らしいお話しばかりですが、個人的に気に入ってるのはトップバッターのリリー・フランキーさんと本多劇場の本多さん、あととん水の野口さんのお話しかな。内容は書かなーい、気になる人は是非手にとって読んでごらーん。下北沢が好きな人だったら、絶対に損しないから。演劇が好きな人から見たら、音楽やカルチャーの面で発見があるだろうし、音楽が好きな人は接点のない演劇の世界を知ることができるよ。あー、この本読んでたらとん水に行きたくなってきたよ、最近行ってないなぁ。

下北沢の街に初めて来て20年目、そしてこの街で仕事を始めて16年目の私ですが、下北沢ブロイラーの前身である地域SNSをはじめた2008年くらいから、下北沢の街のためになにかをしたい、そんな気持ちを抱いていました。もっと下北沢の街を盛り上げたい、たくさんの人たちに来てもらうためにはどうしたらいいのか、そんなことばっかり考えていました。

でも、この本を読んである結論に達しました。下北沢の街のために自分がすべきことはたった1つ、【自分がやりたいことをやる、下北沢という街で】それだけなんだと私は確信しました。この本で語っている人たちは下北沢の街で自分がやりたいことをしてきた、そして、今の下北沢の街がある。未来の下北沢を創るためには、この街で自分がやりたいことをやれば良いのです。ステージに上がってもいい、ステージを観る側でもいい、おいしいご飯を作ってもいいし食べてもいい、ただこの街に来るだけでもいい。そんな、みんながこの街で何かをすること一つ一つが、この街を創り出しているのです。そんな重要なことを気づかせてくれた一冊、下北沢ブロイラーの記事を読んでくれているみなさんに勧める一冊です。あ、下北沢はあんま興味ないけど、リリーさんをはじめとしてこの本で語っているみなさんのファンの方にもぜひ読んでもらいたいなぁ。


下北沢ものがたり

最後に、この本を生み出してくれた播磨秀史さん、本当にありがとうございました。やー、続編希望ですよ! はじめににも書かれていますけど、今回の人選は素晴らしいですが、まだまだ下北沢を語ってもらいたい人はたくさんいらっしゃいますからねー。

あ、下北沢経済新聞にも記事が出てるのでぜひ読んでみてー。

インタビュー集「下北沢ものがたり」-リリー・フランキーさんなど16人参加