12月である。

贈り物の季節である。
クリスマス、お歳暮、年末年始の里帰り……。巷では、指輪や、ハムや、「東京ばな奈」なんかを贈りあっている。
そして、『やなか珈琲店 下北沢店』では、恩を送りあっている。
「恩送り」。
恩?
恩って、あの「恩に着るぜ」とか「鶴の恩返し」の、あの恩?
う~ん。ちょっと合っているけど、ちょっと違っている。

「恩送り」というのは、誰かから受けた親切や善意を、直接その人に返すのではなくて他の誰かに返していくこと。
恩なんていうと大袈裟だけど、いわば「気持ちのギフト」です。
ギフトを受けた人は、さらにそれを誰かに送って……、そうして「気持ちのギフト」が回っていくようになると、社会に善の連鎖が起きてくる、っていう考え方。

というわけで、『やなか珈琲店』。

『やなか珈琲店』では、4月から「恩送りカード」のサービスを始めている。
ドリンクを一杯購入するごとに1ポイントがもらえる。12ポイントたまると、誰かにコーヒー一杯をプレゼントできる。サービスを受けることができるのは、本人以外の人。カードに贈る宛名を記入する欄があって、ポイントがたまったカードは店内のボードに貼り出される。
贈る相手は誰でもいい。特定の知人でもいいし、例えば「山梨県出身の人」と書けば、山梨県出身者が店に訪れたときに一杯プレゼントされる。他に例えば、「美容師さん」とか、「今日たまたま黄色いシャツを着ている人」とか、もう何でもアリ。
え? 自分がためたポイントなのに自分が使えないなんて、、、って?
うん、うん。
でもね、自分の知らない誰かが、自分の贈ったサービスを受けて喜んでいる姿を想像したら、楽しくない? それに、気持ちのギフトを送ると、まわりまわっていつか思わぬ形で自分のところにやってくるかもしれないしぃ。

『やなか珈琲店』でこのサービスを始めたら、ほどなくしてボードは貼り出したカードでいっぱいになった。 そして、いまだ増殖中。

こういうサービスを、面白いねといってすぐに取り入れる。そんな柔軟なお客さんが交差している街なんだね、下北沢って。

【うらん】

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【やなか珈琲店 下北沢店】
北沢2-33-6
0120-935-466
11:00-20:00
第2火曜日定休(12月は大晦日まで休みなし)