[2日目]劇団フルタ丸 第24回公演 『僕は父のプロポーズの言葉を知らない』

 

2015年5月27日に初日を迎えた、劇団フルタ丸 第24回公演 『僕は父のプロポーズの言葉を知らない』2日目の公演を観劇してきた。2日目は最前列から観ると決めていたので、受付開始前に行ったが既に先客あり。やはり、今回の公演はフルタ丸のみならず、その公演を楽しみにしている人たちにとっても注目の公演なのだろう。

小劇場B1の入り口に掲げられた、公演タイトルの題字
小劇場B1の入り口に掲げられた、公演タイトルの題字

会場入って右側最前列左端、つまり舞台中央最前列でフルタ丸の2日目を観る。予想よりはるかに舞台に近い、しかし最前列だからと言って全体を見渡せないとかそのようなことはない。最前列からフルタ丸の6人を観る、今回は細かい部分を観ようと決めていたのでとにかく真剣に笑いもせず泣きもせず、とにかく1時間40分のお芝居を見続けた。

しかし、あのシーンで涙がこらえられなくなる。初日レビューでも書いたあのシーンだ。3人に見守られた真帆さんの表情そして佇まいは、にこの演劇の「転」を迎える重要な場面である。フルタジュンという作家がどのような想いであのシーンを書き、そして演出家としてどのような想いであのシーンを演出したのか。そして、それぞれの役者がどのように考えそして想い演じたのか、それを考えるだけでもこのお芝居が持つテーマの深さを実感することができる。

そして、2回目の観劇で気づいたことについて書きたい。舞台中央最前列から観ているにもかかわらず、このお芝居は役者の背中を観る場面が多い。背中が見えると言うことは表情を観ることができない。なぜ背中を向けているのかというと、2人で向き合っている場面だからである。1人の背中を観つつ、もう1人の表情を観る。しかし、1人の表情からは2人分の想いが伝わり、1人の背中からは表情以上の想いが伝わってくる。もちろんどのお芝居でもそのような場面はあるのだが、今回のフルタ丸のお芝居からはその場面に強い想いが込められていることを感じることができるのだ。

背中が語る、簡単に文字にできるが演じる側は難しい。役者の背中を観ていると、その場面における重要な要素として照明に目が行く。フルタ丸のお芝居はとにかく照明が美しい、そのことはフルタ丸を見始めた2年前から感じていた。しかし今回は美しいだけではなくお芝居の演出において極めて重要な要素であることを、役者の背中を見て感じた。お芝居は役者だけで作っているわけではない、当然のことだが改めてそのことを実感した。

当日券あり

劇団フルタ丸 第24回公演 『僕は父のプロポーズの言葉を知らない』は本日3日目を迎える。本日は14時の回のみ、平日唯一の昼公演だ。当日券も出るとのことなので、時間がぽっかり空いている方はぜひ見てもらいたい。あなたの時間とお金は、今でしか得ることができない素晴らしい思い出に換わるはずだ。私も3日目のフルタ丸を観に行く予定だ。

劇団フルタ丸 第24回公演 『僕は父のプロポーズの言葉を知らない』 フライヤー
劇団フルタ丸 第24回公演 『僕は父のプロポーズの言葉を知らない』 フライヤー

【劇団フルタ丸 第24回公演 『僕は父のプロポーズの言葉を知らない』】
[公演日程]
2015年5月27日(水) – 5月31日(日)
[会場]
下北沢小劇場「B1」 (北沢2-8-18 北沢タウンホール地下1階)
[開演日時]
5/27(水) 19:30
5/28(木) 19:30
5/29(金) 14:00
5/30(土) 14:00、18:00
5/31(日) 14:00、18:00
(受付開始は開演の45分前・開場は開演の30分前)
[料金]
前売:3,500円
当日:3,800円
学生割引:2,500円 (学生証提示)
※前売り日時指定・全席自由
[作・演出]
フルタジュン
[出演]
宮内勇輝
真帆
篠原友紀
工藤優太
清水洋介
フルタジュン
[スタッフ]
<照明・広報> satoko
<音響> 前田真宏
<音響プラン> 水野裕
<音楽> 平野智子
<舞台美術> 泉真
<写真> 木村健太郎
<撮影> 株式会社アンダンテ
<演出助手> 寺山義教/佐藤すみ花
<宣伝美術> 山下隼太郎
<制作> 丸山立/三村大作
<企画・製作> 劇団フルタ丸
[特設Webサイト]
http://dp02026338.lolipop.jp/24tokusetsu/24tokusetsu.html