テーマは「ボーダレスな映画体験のススメ。」
超極私的“下北沢映画祭の楽しみ方”

みなさん、初めまして。下北沢映画祭の平井と申します。

今回、下北沢ブロイラーさんのご厚意により、「寄稿」という形で映画祭について告知させていただけることになりました。貴重なスペースをどうもありがとうございます!

さて、明日10日(土)〜12日(月・祝)まで、第七回下北沢映画祭を開催する運びとなりました。そこでこの場をお借りして、超極私的“下北沢映画祭の楽しみ方”をナビゲートしたいと思います。

そもそも、なぜ下北沢で映画祭なのか? みなさんは下北沢のどんなところに惹かれていますか?

私が下北沢に対して思うのは、ライブに来たり、舞台を観に来たり、服を買ったり、飲みに行ったりと、“訪れる人によって見え方がまったく違う街”だということ。それだけ下北沢を彩る文化はたくさんあります。

それは「映画」というエンターテインメントにも当てはまることで、監督、俳優、音楽、美術、衣装、ロケ地、特撮……と、1つの作品を形づくる要素はさまざま。そこで私たち下北沢映画祭も、下北沢独特の文化を切り口にしながら「映画の見方の多様性」を感じてもらいたいと考え、日々活動を続けています。

今年のテーマは「ボーダレスな映画体験のススメ。」。メジャーとインディペンデントといった「作品規模」や、映画と音楽、映画と演劇といった「カルチャー」、実写とアニメといった「表現方法」など、双方の境界線が曖昧となり、様々なエンターテインメントを縦横無尽に楽しむことができる昨今。下北沢映画祭はそんな時代をポジティブにとらえ、バラエティに富んだ5プログラムをお届けします!

Aプログラム: 「されど、映画を語る。」

10月10日(sat)
13:00(開場12:30〜) 1,600円+1drink
at 下北沢ろくでもない夜

下北沢映画祭の幕開けは、下北沢文化を象徴するライブハウス、下北沢ろくでもない夜で行うトークイベント。アートの境界線を払拭し、多様性を受け入れてきた下北沢で、映画の可能性の再発見を目指します。

トークゲストは、『荒川アンダーザブリッジ』『大人ドロップ』を手掛けた飯塚健監督、そして邦画&洋画の舞台挨拶や記者会見のMCでおなじみ、映画パーソナリティの伊藤さとりさん、そして映画好きな芸人として知られるお笑いコンビ、飛石連休の藤井ペイジさん。

職種の違う御三方に、ライブハウスという場所で“これからの日本映画”についてたっぷりと語っていただきます。私自身も映画好きではあるのですが、好きな理由についてじっくり考えたことはなかったかも……。映画の魅力、そして新たな可能性について知ることは、自分にとっても、そして映画祭にとっても学びになると思うので、今からトークが楽しみです。ぜひゲストと一緒に、真っ昼間からお酒片手に映画についてトコトン考えましょう!

Bプログラム:「不気味でシュール、でも観たい! 〜シュヴァンクマイエルとチェコ映画の世界〜」

10月10日(sat)
19:30(開場19:00〜) 2,000円
at 下北沢トリウッド

下北沢映画祭初の外国映画上映! 実写とアニメーションを織り交ぜるなど“ボーダレス”な作風で知られるチェコの奇才ヤン・シュヴァンクマイエル。下北沢映画祭は、彼が他の監督の美術協力をしていることはあまり知られていない……ということに着目し、チェコ映画界の巨匠オルドジヒ・リプスキーの『アデラ/ニック・カーター、プラハの対決』を上映します!

チェコのコメディ映画の巨匠リプスキーの奇想天外、おもちゃ箱をひっくり返したような世界観に、シュヴァンクマイエルのシュールで不気味な唯一無二の世界観が融合したヘンテコ活劇コメディ。現在DVDは絶版のため入手困難だったり、レンタルはVHSしかなかったりと、なかなか観られない映画。これはもうスクリーンで観るしかないでしょう!!!

上映後のトークイベント、ゲストお一人目は、チェコ映画に造詣が深いチェコ蔵主宰のペトル・ホリーさん。シュヴァンクマイエル来日時には通訳も務めた方です。ホリーさんからは奇才の“素顔”も聞けるかも!?

そしてもうお一人は、飯塚貴士監督。飯塚監督は人形とミニチュアセット、昔ながらの撮影技法を使い、ほぼお一人で制作を行っており、あの斎藤工さんも飯塚監督の才能に惚れ込んでいる一人。

監督の出演にあたり、MOOSIC LAB 2013にて特別賞&主演女優賞を受賞した「GREAT ROMANCE」を同時上映します。縮尺の合わない世界で繰り広げられる男女の珠玉の物語。

国籍も世代も飛び越えた、まさにカオスでボーダレスな夜になること間違いなし。お2人の化学反応を目撃しに来てください!

Cプログラム:時代をかき回す!SPOTTED PRODUCTIONS スペシャルセレクション
女子高で観る!デジタル世代の青春ガールズムービー『私たちのハァハァ』

10月11日(sun)
15:00(開場14:45〜) 1,500円 大学生以下1,300円
at 成徳ミモザホール

『百円の恋』『おんなのこきらい』など、話題の作品を世に送り出し、映画×音楽の祭典MOOSIC LABにて新しい才能を発掘しつつ、ジャンルの横断を図り続ける、企画・配給宣伝会社SPOTTED PRODUCTIONS!
そんなSPOTTED作品からスペシャルセレクションとして作品上映を行います。上映作品は、会場である成徳ミモザホールが女子高に併設されたホールであることにちなみ、クリープハイプ好きの女子高生4人組が、彼らに会いに行くために九州から東京を目指す青春ガールズムービー『私たちのハァハァ』です!

上映後には、気鋭の若手監督として知られる一方、先日放送の「アウトデラックス」での“女性スタッフ全員が性の対象”発言で強烈な印象を残した(!)松居大悟監督、映画評論家の森直人さん、そしてSPOTTED PRODUCTIONSの直井卓俊さんのトークもあります。

女子校という場所は、卒業したらなかなか足を踏み入れないところ。そんな女子校で女子高生の映画を観られるのは、下北沢映画祭だけのスペシャルな体験。今まさに高校生活を送っている若者たちはもちろん、かつて高校生だったすべての人に突き刺さる映画です。音楽に限らず、大好きなものにとにかくひたむきだった時代を経験した方は、きっと心の琴線を刺激されまくりのはず!

そして、クリープハイプは下北沢出身のバンドとしても有名。イベント後は、彼らゆかりのライブハウス、DAISY BARにもぜひ足をのばしてみては?

Dプログラム:森岡龍×松本花奈のサイコロトーク「下北沢からごきげんYO!」

10月11日(sun)
18:00(開場17:50〜) 1,600円
at 成徳ミモザホール

俳優でありながら監督業にも挑戦するなど“ボーダレス”な活動で知られるゲストを招く上映&トークイベント。「あまちゃん」『ピース オブ ケイク』など多数の話題作に出演する一方、『ニュータウンの青春』で監督業にも挑戦した俳優、森岡龍さんと、現役女子高生監督として『真夏の夢』を手掛け、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭ほか上映先は常に満席状態の松本花奈さんを迎え、お2人の短編映画「フランソワな昼」「死んだ魚の目をしてみた」(以上森岡監督作)、「大切な君へ」(松本監督作)を上映します。

上映後には、お2人による“サイコロトーク”も開催。タイトルといい、サイコロといい、完全に某長寿番組の……というツッコミは甘んじて受けます(笑)。トークテーマは「芸能界の友達の話」「役者と監督の話」「影響を受けた作品の話」「これからの話」「下北沢と私」「はじめて○○した話」。アタリ目が出たら、お2人からお客さまにプレゼントも! 松本さんからは「大切な君へ」の劇中使用Tシャツ。そして森岡さんは、プレゼントにかなり熟考されているとか……今回のサイコロトーク発案といい、森岡さんの「映画祭を盛り上げよう!」というお気持ちがとてもありがたいです。

ちなみにお2人、松本さんが小学生時代から親交があり、彼女のご出演は森岡さん直々のご指名!世代、性別の異なる2人から一体どんな話が飛び出すのでしょうか?

そして「大切な君へ」は、女子高生シンガー井上苑子さんのMV(YouTubeでの再生回数120万回超!)。井上さんが女子高生の一人を演じるCプロ『私たちのハァハァ』と合わせての鑑賞がオススメ!

Eプログラム:コンペティション部門

10月12日(mon)
12:45(開場12:30〜) 1,300円
at 成徳ミモザホール

最終日は、映画祭のメインプログラムとなるコンペティション部門。全国津々浦々、いろんな映画祭がありますが、下北沢映画祭のコンペは、40分以内の作品であれば、あとは実写、アニメ、PV、ドキュメンタリーなどの「ジャンル」を問いません。ぜんぶ同じ土俵で審査をします。言い換えれば、なんて審査員泣かせなコンペティションなんでしょうか……!

ただ面白いのが、過去には黒沢清監督や熊切和嘉監督という実写映画の審査員が、アニメーションにグランプリを与えるという回もあり、そんなサプライズも下北沢映画祭ならでは。そして一日を通して多彩なジャンルの作品が楽しめる……このバラエティ感、ごった煮感、そしてボーダレス感も、下北沢という街で行うコンペティションの意義だったりします。

今年は全国から集まった213作品の中から実写7作品、アニメーション3作品、計10作品をノミネートしました。スタッフによる一次審査、二次審査では、かなり時間をかけて話し合いをし、自信をもってお届けできる10本になりました。

ゲスト審査員は、『ジョゼと虎と魚たち』や『のぼうの城』で知られる犬童一心監督です。過去のお客様アンケートやスタッフの中にも“ジョゼ虎”でミニシアター映画の魅力にハマったという人がたくさん。レギュラー審査員のSPOTTED PRODUCTIONSの直井卓俊さん、トリウッド代表の大槻貴宏さん、映画評論家の轟夕起夫さんと共に、どんな作品に着目するのか楽しみです。

さらに、ノミネート監督10人×審査員によるトークセッション、そしてゲスト、制作者、お客様、スタッフ交えての“大打ち上げ”も開催しますのでお楽しみに!

そして!

11日13:00〜、12日11:00〜は、ミモザホールロビーにて「シモキタ映画祭横丁」も開催します。何をやるかというと、ヴィレッジヴァンガード、mixture、BOOKENDS COFFEE SERVICEの出店&飲食スペース、SPOTTED PRODUCTIONSの展示、サイバーリンク株式会社の動画編集セミナー、コンペ部門ノミネート作品にまつわる展示、下北沢グルメのイラスト展、そして同時期開催のカレーフェスティバルのスタンプポイント(カレーを食べ過ぎた方はぜひ休憩を!)……ととにかく盛りだくさん。このカオスっぷり、もはや映画祭ではない(笑)! プログラムをご覧にならないお客様も無料で楽しめますので、下北沢散策のついでにぜひお立ち寄りください。

最後に、あまり公の場で舞台裏を語るべきではないと思いつつ、スタッフについての話を。今回“ボーダレス”というキーワードをもとに、各企画担当がここまで形にしてくれました。そして企画以外のスタッフも、作品選定や広報、デザイン、渉外、お金周りのやりくり、組織運営、飲み会の幹事などなど、1年を通してそれぞれがクリエイティブに動いてくれたことに本当に感謝しています。今年のテーマである“ボーダレス”そのままに、年齢も性別も経験値も関係なく、ここまでやってきました。当日は、携わってくれる関係者とお客様のために「見せる」ということにこだわったスタッフの頑張りもぜひ見届けていただければ幸いです。

時にシュールでろくでもない夜を共に過ごしたスタッフと、サイコロトークのごとく目まぐるしい話し合いを経て形となった第七回下北沢映画祭。ぜひ3連休はハァハァしに来てください!

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クロダマサノブ

下北沢の音楽や演劇、イベント、そして飲食店などの情報を勝手に紹介。アタラシイ下北沢の魅力をいち早くお伝えします [Twitter]ymkx

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