下北沢から美濃へ! 劇団フルタ丸 2016年 本公演ツアー 『ビッグマウス症候群』

ビッグマウス症候群

5月25日から29日の5日間、下北沢「劇」小劇場にて2016年 本公演ツアー 『ビッグマウス症候群』を上演した劇団フルタ丸。本公演ツアーと称している事もあり、6月10日から12日までは代表フルタジュンの地元美濃市で岐阜公演が始まる。ステージは下北沢から美濃へ! 東京公演を終え岐阜公演に向かう忙しい最中、フルタ氏に美濃市で行われる岐阜公演にかける意気込みを伺った。

劇団フルタ丸 代表 フルタジュン

---下北沢で行われていた東京公演が終わり、いかがでしょうか

フルタジュンさん(以下、フルタ): 東京公演が終わって1週間が経ちますが、お客様の声の中に自分が考えていた以上に、「このお芝居を岐阜でやったらどういう反応になるのか楽しみです」といった感想を頂きました。そういう感想は東京ではあまり出ないと思っていたのですが、この興行を単に東京で観るだけでなく岐阜でやったらどういう反応になるのか、そんな想いを込めた上で「岐阜公演頑張ってください」と声をかけられることが多く、改めて期待に応えたいと思いました。そんなこともあり、岐阜と東京でやる事の意味が、東京が終わり実感が追いついてきました。自分だけではなく、メンバーも含めて「次は岐阜だ」という空気ができているので、楽しみですね

---先日、私は岐阜公演について楽しみを越えて「怖い」という感想をお伝えしました

フルタ: どういう反応になるのかについて、特にその「怖さ」については実際にその感想を言われてからですね。言われてみれば確かにそうだと、「はっ」としました。それまでは、とにかくわかりやすく作ることだけを考えていましたが、このお芝居を観てマイナスの感情を抱く人もゼロではないのかもと。

 震災が起きる度に、その地元の芸能人が声を上げるじゃないですか。自分も岐阜県が震災に遭ったら同じく声を上げると思います。なにかマイナスなことがないと声を上げない、地元について触れたい、口にしたい想いはあるのに。そういう気づきのキッカケに、観劇がなって欲しいと考えています。地元を愛していることを有名人やタレントさんクリエイターが声を上げることを、何でもないときからもっとやっていいんじゃないかと。自分のふるさとのありがたみを感じる作品になれば、そんなモチベーションも抱いています

---役者の皆さんは下北沢で行われた5日間8公演で変化はありましたか

フルタ: 変わり続けましたね。お客さんの反応からこの作品の落としどころや役として求められていることなど、そこに至るまで微調整を役者自身が行い続けていたと感じました。もちろん私から役の方向性については伝えているのですが、その先の細かい選択については役者自身が演技しながら、お客様の反応や感想を見ながら選び、千秋楽にたどり着いたと言えます。そういう意味では、篠原が一番大変だったのかもしれません。公演期間中に何度か助言しましたし、さらには本番中にも1回言いましたからね

---本番中ですか? これまでだったら、やらなかったことですよね?

フルタ: まず、本番中にはやらないですね。しかし、なんとなく前半で「緩さ」を感じてしまった回があり、舞台袖で小声で伝えてステージに送ったことがありました

---今回の公演、事前に予想していなかった領域に入りつつあると感じていますがいかがでしょうか

フルタ: そうですね、それはありますね。自分でも予想していないところに来ている感じは、東京公演やっている間にも感じていました。公演の際には、お客さんからこういう感想が欲しいと想定し、その感想を引き出すためには何が足りないかと確認をしています。しかし、今回はその事前に予想した感想とは異なる声がたくさん寄せられています。そういう意味でも、何が起きているのかわからない状況でもあります。

あと、岐阜で新聞の取材を受けておりその記事が掲載されたのですが、地元の皆さんがご覧になるのは新聞だと改めて感じました。今回高校時代の先生に連絡を取った際に、すでに新聞で見て知っていたと聞きました。それ以外にも新聞で見たという声ばかりで、、、本当に地元における新聞の力を感じました。これもこれまでの公演とは違うことですね

---今回の公演は相当期待されているということでしょうね

フルタ: 期待されていると共に、今回の公演を成功させないと、今後、岐阜及び美濃での公演を打つことが難しくなるだろうと思っています。いい意味で、大きなプレッシャーを感じています

---美濃における制作のお二人(ご両親)が平穏に暮らせなくなるような、、、

フルタ: そうですね、そもそもどのような作品をやるのか知らないですからね、親父も。それ以前に、地元の一番の協力者の皆さんも作品の内容は知らないです、公開されている情報のみであえて台本も渡していないです

---初日の反応がとても気になりますね。ちなみに、金曜日よりも土日の方が埋まっているのでしょうか

フルタ:平日の夜にあの街で演劇を見る人はいないと考えていたのですが、意外にも金曜日の夜から埋まり始めていて、その点でも予想とは違っていますね

劇団フルタ丸 代表 フルタジュン

---岐阜公演についてですが、東京公演が終了してからはどのように準備が進められているのでしょうか

フルタ: 日曜日(5月29日)に東京公演が終了し、月・火とお休みで、水~金曜日の3日間で岐阜公演にあわせた稽古をしました。それ以降はメンバーと会っておらず、6月8日水曜日に岐阜に向けて出発します

---メンバーの皆さんと一緒に美濃に入られるのですね

フルタ: そうですね、自分だけ先に入る計画もあったのですが、こちらでやっておかないといけない仕事もありまして、、、

---考えただけでも大変さがうかがえます。水曜日に岐阜に入って以降はどのようなスケジュールでしょうか

フルタ: 水・木で会場の準備を進め、金曜日の夜に初日ですね。初日が明ければ、かなり気が楽にはなると思います

---岐阜公演のセットはどのような感じでしょうか

フルタ: 東京ほどは作り込むことはできませんが、和紙を使ったものは用意します

---役者の皆さんはどんな様子でしょうか

フルタ: 私が感じているような不安は、役者は感じていないと思います。東京でやった公演を岐阜でやる、役者的にはそんな感じでしょうね。私だけが勝手に大荷物を背負っている感じで、でも、それで構わないと思います。みんなで背負ってしまうと空気が重くなりすぎてしまうのでみんなは気軽に、ある意味、旅行のついでに演劇をやるくらいで来てもらえる方が、結果的に良いパフォーマンスをしてくれると思います。

お芝居の中で宮内が演じる巻田という男がいるのですが、宮内自身は東京出身で役者の誰よりも地方とか田舎との関係性から遠い人間です。でも、自分の気持ちを無理に引っ張り出さず、役としての説得力を役者として攻め込む方が届きやすいと考えてのことです

---今回の本公演ツアーにおいて、岐阜公演の位置づけを教えてください

フルタ: 今回の公演は東京で上演することが出発点でなく、岐阜・美濃でやる作品はどんな物語がよいのか、自分はこの土地で何をやりたいのだろうそこから始まっています。本音で言うと、岐阜・美濃のために創った演劇である事は否めないです。ですから、岐阜公演が総本山であり、ここで本当のこの作品の結果が出るだろうと考えています。

岐阜の皆さんは、「ビッグマウス症候群」という奇々怪々なタイトルだけで、何が観れるのかといった不安もあるでしょう。楽しめるという保証はないし、私のことを知らない方もたくさんいらっしゃると思います。でも、そんな皆さんに「観て良かった」「演劇って楽しい」そんな感想をもってもらえれば、成功だと考えています

---最後に岐阜・美濃の皆さんにメッセージをお願いします

フルタ: 僕ら以外の小劇団が美濃で公演をやることは、今後もまずないと思います。美濃において様々なエンターテインメントの中で演劇の価値は現状ではかなり低い、というよりは演劇自体が全く存在していない状況ですが、そこに風穴を開けたい。その日、見たいドラマがある人もいると思います。でも、この日だけはドラマは録画して一晩だけ私たちに時間をください。1回だけでいいのでチャンスをください、よろしくお願いします!

---岐阜・美濃公演、頑張ってください! ありがとうございます


フルタのこの公演にかける意気込みは、想像を遙かに上回っている。そして、東京公演を経てフルタも予想していなかった手応えを感じているようだ。この記事が公開される公演前日、劇団フルタ丸の面々は岐阜県美濃市にある美濃「道の駅」にわか茶屋で、公演準備を行っている最中だろう。

このインタビューでフルタの口から出てきた言葉は、とにかく美濃と演劇に対する想いだった。

「自分の子供が学芸会に出ると考えたら、観に行きますよね。そんな気持ちで見に来てもらいたい。そのくらいの入り口で来てもらいたい」

「経堂にどうやら、美濃出身で役者を目指して上京してきた若者がいるらしいんですよね、まだ出会えていないんですけど。同じ志をもって美濃から出てきたその人物と会いたいんです」

もしかしたら、この3日間で美濃の地に演劇という文化が芽生えるかもしれない。今の彼を見ていると、そんなことも実現可能な事に思えてしまう。フルタがそして劇団フルタ丸が美濃で何を創り出すのか、それを確かめるべく、私は6月10日岐阜県美濃市へ向かいます、最大限の期待を胸にして。

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劇団フルタ丸 2016年 本公演ツアー
『ビッグマウス症候群』

作・演出:フルタジュン

<出演>
宮内勇輝
真帆
篠原友紀
工藤優太
清水洋介
フルタジュン

ビッグマウス症候群

久しぶりに聞かせてくれないか、君のビッグマウスを。

精神科医の元に、ある男がやってくる。
彼は子供の頃からウソツキとして有名だった。
できそうにもないことを堂々と宣言しては、いつも周りを混乱させた。
大人になると、職場の同僚達は彼のことをペテン師と呼ぶようになった。
医者は男と目を合わせるなり、すぐに診断結果を伝えた。

「ビッグマウス症候群。病気ですね。」

大口を叩く人間に病名が付いた世界で起きる、
これは生き様のオハナシ。

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【岐阜公演】
2016年6月10日(金)~12日(日)
10日(金)19時
11日(土)19時
12日(日)19時
※前売り日時指定・全席自由
※受付開始は開演の40分前・開場は開演の30分前
<チケット代金>
前売・当日 2,000円
学生割引 1,500円(受付で学生証提示)
<チケット予約>
公式サイトから
<市内プレイガイド>
美濃市文化会館 0575-35-0522
美濃「道の駅」にわか茶屋 0575-33-5022
<会場>
美濃「道の駅」にわか茶屋 大多目的室
〒501-3714 岐阜県美濃市曽代2007
Tel:0575-33-5022

<協力>
特定非営利活動法人四つ葉のコウゾ

<スタッフ>
照明・広報:satoko
音響:前田マサヒロ
音響プラン:水野裕
音楽:平野智子
舞台美術:泉真
写真:木村健太郎
撮影:株式会社アンダンテ
当日運営:安田有希子
協力:古田大地/濱路沙優里
制作:三村大作
企画・製作:劇団フルタ丸

<お問い合わせ>
●電話 080-4898-2002(フルタ丸)
●メール info@furutamaru.com
電話もしくはメールでのチケット予約も承っております。
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