下北沢の文化と人が交わる拠点が登場!『下北沢ケージ』

下北沢ケージ・お披露目イベント

2016年8月19日、井の頭線高架下に3年間の期間限定でイベントパーク『下北沢ケージ』がオープンしました。昼間は街の広場としてくつろぐことができ、夜は併設店舗の客席として楽しむことができます。また、ナイトマーケット、パフォーマンス、PR イベント、ワークショップ、アコースティックライブ等、様々な活動に利用できるスペースです。これからの下北沢の文化やコミュニティの発展につながる、街の拠点を目指すスペースです。

『下北沢ケージ』のオープンに先立ち行われたお披露目イベント。「プロジェクトメンバーからの施設の紹介」、そして下北沢出身のミュージシャンKenKenさん、同じく下北沢出身の俳優柄本時生さんのお二人による「これからの下北沢にむけて!」スペシャルトークセッションが行われました。今回のトークイベントから、下北沢に新たに生まれた空間がこの街にどのような変化を与えるか、未来の下北沢の可能性を知る貴重な機会となりました。

下北沢ケージ・お披露目イベント

イベント第一部は、本プロジェクトを担当された京王電鉄の田原慎悟さん、この施設のデザイン・運営を担当する株式会社スピーク代表の林厚見さん、施設運営・イベント運営を担当する株式会社東京ピストル代表の草彅洋平さんの3名が登壇。

写真左から京王電鉄の田原さん、東京ピストルの草彅さん、スピークの林さん
写真左から京王電鉄の田原さん、東京ピストルの草彅さん、スピークの林さん

まず、京王電鉄の田原さんから『下北沢ケージ』が誕生するきっかけについて。ご自身も下北沢周辺に12年間住んでおり、これまでと同じような施設を作るのではなく、その場所でしかできないその場所の魅力を街の人たちと高められるプロジェクトをやりたい、そんな思いがこのプロジェクトには込められているとのこと。そして、スピークの林さんに相談し、今回のプロジェクトが動き始めます。

下北沢ケージ・お披露目イベント

トークイベント1つ目のテーマは「このプロジェクトをはじめたきっかけ」について。スピークの林さんからはお母様が代沢小学校出身で親戚が住んでいたこともあり、下北沢は子供の頃から慣れ親しんだ街。世界中の細い路地が連なるようなごちゃごちゃした街が好きで、その要素をもっている下北沢をこれからも面白くて謎めいた街にしたいという思いからこの街で仕事をしていた縁で、今回のプロジェクトに参画。

一方、東京ピストルの草彅さんは生まれも育ちも梅ヶ丘、自転車5分で下北沢の街に来ることができ、漫画の「はじめの一歩」に感化され金子ボクシングジムに通ったり、DORAMAでお兄さんがバイトをしていたり、餃子の王将でご飯を食べたりレコード屋を廻ったりと、まさに下北沢カルチャーを享受してきたとのこと。

古くから下北沢の街に関わり、そしてこの街を見続けてきたお二人が、下北沢にできた新たなスペースの可能性を広げます。

下北沢ケージ・お披露目イベント

続いてのテーマは、この空間をどのような場所にしたいかについて。林さんは、「この場所は街中の広場、東京にはたくさんの広場があるが、様々な事が禁止されており自由なことをできる場所は少ない。この場所では禁止を”禁止”したいと考えていて、色々なことができるようにしたい。色々な表現者、企業のPRイベント、文化的なことを色々やりつつ、3年間でこの街に関わるクリエイティブの方々に使って頂き、3年後にこの場所を終わりにしないで、と言われるような場所にしたい」と語ります。

一方、草彅さんは、「下北沢には色々なことに使えるイベントを行う場所が少ない。ここを起点にインフォメーションセンター的な役割を果たせるのではないかと。演劇や音楽ライブの情報がここから提供できるような、人が繋がる空間になれば」と想い込めて伝えてくれました。

草彅さんの話を受け林さんから、「この場所は昼間は門が開き中には誰でも入ることができ、夕方からはお店がオープンし飲食をしながらコミュニケーションができる空間となる。飲食店でもあり街の広場でありイベントスペースでもある」という、これまでの下北沢にはなかった可能性について示してくれました。

さらに、林さんから、なぜこのような【ケージ=檻】を使った空間を創り出したかについて、「自由に建物を建てることはできなかったので、単なる空き地にすることもできたが、囲まれている場所で街を通りゆく人からも見える、見る・見られるという関係がある空間が最初のイメージ。ライブハウスや劇場は外からは見えないが、ここは外からも見ることができる。これまでにはない新しい方ができるように、ケージを使った空間にした」と、ケージという一風変わった構造に対して想いを伝えてくれました。

下北沢ケージ・お披露目イベント

続いて、草彅さんからはこの場所でやってみたいことについて。「やってみたいことはいろいろあるけど、一つどうしてもやってみたい事として、12月24日に独身の男性をここに閉じ込めて女の子がレスキューするイベントをやってみたい。檻がある事から発想してこんなことがやりたい、そんなアイデアが出た人にぜひ使ってもらいたい」と話し、林さんからは「様々なモノを創ってもらってもいい、今の空間からはイメージできないような場所を生み出してもらってもよいのでは」と自由な発想でこの場所を活用してもらうべく、想いを語ってくれました。

下北沢ケージ・お披露目イベント

最後にメッセージとして、林さんからは「街を楽しむ遊び倒す、それは街の皆さんが集まってそれぞれの個性やアイデアが混じり合うことが一番大事。我々は管理運営をしっかりやるので、色々な方に関わってもらえれば嬉しい。僕らが想像できないようなことが起こる場所にできたらいいな、そう思っています」、一方、草彅さんからは「僕らだけでは何もできない。だからこそこういったことがやりたい、そんなアイデアがあればぜひ私たちに声を掛けてもらいたい。海外でやっているようなことではなく、下北沢らしいことをやっていきたいと思っています。この街は面白い街だけど漠然としていて一言で語ることはできない。そのことをこの場所で見せたい」と、それぞれ語って頂きました。

下北沢ケージ・お披露目イベント

続いて行われた、KenKenさんと柄本時生さんのお二人による、「これからの下北沢にむけて!」スペシャルトークセッション。

KenKenさんは、1985年東京・下北沢生まれの、ベーシスト&ゲーマー。父はドライマーのジョニー吉長さん、母は歌手の金子まり、兄はドラマーの金子ノブアキという音楽一家。ロックバンド『RIZE』をはじめ多くのバンドで活躍、さらに下北沢南口商店街振興組合のアイコンアーティストとして下北沢の活性化に一役買っています。

一方、柄本時生さんは、1989年東京・下北沢生まれの俳優。父は俳優の柄本明さん、母は女優の角替和枝さん、兄は俳優の柄本佑さんと、こちらは俳優一家。2003年、映画 Jam Films S『すべり台』(主演/2005年公開)のオーディションに合格し、デビュー。以降、多くのテレビドラマや映画、舞台に出演されています。

下北沢は音楽の聖地でありながら演劇の聖地でもあり、下北沢で生まれ育ち今も下北沢に住むミュージシャンそして俳優であるお2人から、自由な発想でこの空間の使い方そして下北沢のこれからについて語っていただきました。

下北沢ケージ・お披露目イベントスペシャルトークセッション「KenKen×柄本時生」

下北沢で生まれ育ったお2人が登壇し、まず口にしたのはこの空間のロケーション。そもそも、この場所は盛り土で井の頭線が走っていたため、ここからの景色はそれまで存在していなかったもの。KenKenさんからは「土地が増えた感じ、視界が開けた。30年住んでいるけどこの位置から本多劇場を見るのははじめて」、柄本さんからも「ここが通学路でしたが、元々ただの壁でしたからね」と、がらっと変わった景色について話し始めてくれました。

お互いに下北沢生まれで今も住んでいることもあり、ここ数年での下北沢の街の変貌について次から次へと話題が飛び出します。街の変化、お店の変化、その中でも変わらない下北沢について話は尽きません。

下北沢ケージ・お披露目イベントスペシャルトークセッション「KenKen×柄本時生」

KenKenさんから「踏切がなくなり道が整備されつつあり、京王電鉄さんがこのような空間を作ってくれたり、今まさに下北沢は過渡期。地元民がこれから何をするのかが大事な時期。下北沢を一番知っている人たちがよい方向に導けば、もっとこの街はよくなる」と語ります。長らく続いていたインフラ整備も終わりが見えてきましたが、整備された上でその場所をどのように活用するのか。下北沢に住む立場だからこそ、自分たちがが考える必要性について触れました。

続いて、下北沢ケージの活用について、KenKenさんからは「ニューオリンズみたいにオープンに、投げ銭でライブをやるような空間になれば。そして、月1回ここで飲み会をやります」と話し、「ファンミーティングもできるだろうし、憧れのミュージシャンとの接点にもなるかも」と続けます。さらには、「音楽人だけじゃなく、演劇人も含めて大宴会がしたい。ヤバイミュージシャンと演劇人を会わせたい」と語ると、柄本さんも「それはぜひやりたいです!」と、演劇と音楽が融合する可能性についてイメージをふくらませてくれました。

下北沢ケージでの演劇自体の可能性について、柄本さんは「演劇の事になると、どうしても凝り固まった部分があるので、、、3年考えさせてもらっていいですか?」と会場の笑いを誘いつつ、「とりあえず宴会には参加します」と応えてくれました。

下北沢ケージ・お披露目イベントスペシャルトークセッション「KenKen×柄本時生」

最後にお2人からのメッセージとして、まず柄本さんからは「下北沢ケージ、このような場所からいろいろなモノができあがればいいなと思います。そして、昔からあるモノへのリスペクトも忘れずこの街を見てくれれば。そういった風情が好きなので、若い人たちも意識しつつ下北沢を楽しんでくれれば嬉しいです」。

続いて、KenKenさんからは「今小学生の子供たちからしてみれば、この空間は当たり前にあるものとなるし、この場所があるから何かに使えるそんな発想ができるようになればいい。変に大人がだらしなくならず、きれいに遊ばないといけない。最近のパーティーピーポーとか勘違いしてるけど、ホントに遊べる人はキレイに最後まで遊べる人。無茶をすることがパーティーじゃなくて、このようなオープンなスペースだからこそ、一番カッコイイ遊び方を下北沢から発信できればいいんじゃないかな。スマートに何かを遊ぶ、この街特有のゆるさを出す、誰とでも話ができるような街の一部になってくれればいいと思います」と、それぞれ新たに生まれた下北沢ケージと下北沢の街に対する想いを伝えトークイベントは終了しました。

KenKenさん(写真右)と柄本時生(写真左)さん
KenKenさん(写真右)と柄本時生(写真左)さん

トークイベント終了後、お2人にお話を聞くチャンスがあり、気になっていた点について伺いました。私が伺ったのは、演劇と音楽の接点について。下北沢は本多劇場を筆頭とする演劇の聖地でありながら、Shleter・Que・251などを代表としたライブハウスがひしめき合う音楽の聖地でもあります。

下北沢で育ち、今もこの街でミュージシャンとしてそして俳優として活躍しているお二人にその点について伺うと、KenKenさんは「15年くらい前はミュージシャンと役者はもっと仲が悪かった。特にミュージシャンはパンクスの人やあと不良が多くて、怖かったよ」、一方、柄本さんも「確かに怖かった」と口をそろえます。さらにKenKenさんは「その状況を経て、今お互いが我関せずという状況になっているということは、これからは仲がよくなっていく時代なんだと思う。今は情報が多くて、ほらどっちの情報もまとめてくれるようなサイト(当サイトなど)もあるしね。だからこそ、下北沢ケージみたいなところで飲み会をやるっていうのはいいアイデアだよね。お互いが悪くないと思っている仲間を連れてきて20人、いや10人からはじめればいい、次はその友達を連れてきて、どんどん拡がっていけば、面白いことになっていくはず」と続けてくれます。

この飲み会というアイデアは本当にステキだと思いました。ミュージシャンそして役者さんだからと考えると、すぐにライブやお芝居と考えがちですが、お互いにその道のプロでありトークイベント中に柄本さんも話されていましたが、そう簡単に始める訳にはいきません。さらに、KenKenさんは「自分にないものが刺激だからね、自分が知っているモノが全てだと思いがちだけど、全然違う角度から見る音楽論だとか演劇論ね。プライドの持ち方で邪魔になってしまっているモノを全部脱ぎ払って、何がヤバイかを話し合う場所、そんな場所になればいいよね。外だし、バーベキューとかできればいいよね。そんな場所今まで下北沢になかったからね」と、具体的にどのような形でお互いの距離を近づけるかについてもお話し頂きました。

下北沢ケージ・イベント情報

下北沢新たにできる文化と人が交わる拠点『下北沢ケージ』、8月24日から毎週水曜日は「ナイトマーケット」を開催。17時から21時30分まで、古着、古本、レコード、クラフト雑貨、アクセサリー等、下北沢らしい品揃えの夜市。併設店舗「lồng và quán(ロンヴァクアン)」のドリンクを手に、線路の下で繰り広げられる夜市を楽しみましょう。

下北沢ナイトマーケット VOL. 2下北沢ケージの可能性、それを最大限感じることができるトークイベントとなりました。3年間の期間限定、その期間に下北沢ケージでは様々なイベントが行われ、そしてこれまでに出会うことがなかった人たちが出会うことでしょう。この場所から生み出される新たなもの、それはこのプロジェクトを進めた皆さんが考えることではなく、この場所を活用する人たち一人一人に託されています。

下北沢ブロイラーは、下北沢ケージで繰り広げられる様々なイベントを一人でも多くの皆さんに伝えます。この街を好きな人たちが、よりこの街を好きになることができるように。

下北沢ケージ

下北沢ケージ

下北沢ケージ

下北沢ケージ

下北沢ケージ

下北沢ケージ

『下北沢ケージ』

京王井の頭線・小田急線下北沢駅徒歩3分
井の頭線高架下

公式サイト
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[鳥籠酒場“ロンヴァクアン”]
下北沢ケージの敷地内に併設されるアジア屋台酒場
営業時間:17:00 – 23:30(L.O フード22:30 / ドリンク23:00 火曜はドリンクのみ / 土日祝は15:00-)
電話:03-6407-0707