1975年より、下北沢文化の発信地として営業を続けてきたジャズ・バー『LADY JANE』。若き日の黒田征太郞、石橋蓮司、坂本龍一、松田優作、沢木耕太郎、中島みゆき、荒木経惟、原田芳雄、桃井かおり、柄本明など数多くのアーティストや文化人に愛されるお店。週末に開催されるライブは店主の大木雄高氏が全てをプロデュースし、、駆け出しのアーティストからベテランまで、憧れでもあり目標とすべき場でした。そんな『LADY JANE』が、2025年4月13日(日)をもって閉店します。
閉店の理由は、賃貸契約の更新を認められなかったため。しかし、その背景には現在下北沢で進行中の再開発計画が影響していると大木氏は指摘。大家や地主の多くは、これを機に借用者に契約破棄と退去を迫り、路地の入り組んだ、歩行者が主体の街だった下北沢は少しずつその姿を変え始めていると語ります。
この状況は『LADY JANE』の“死”と捉えていた大木氏ですが、友人から「ネガティブに捉えるのではなく“序・破・急”の<破>と捉えることはできないだろうか?」と提言を受け、あえてこの機を“破の刻”と呼び、新たな一歩に向けて動き出すことになりました。『LADY JANE 50周年“破の刻”終幕式』は、そんな大木氏の50年分の想いが込められたイベントです。
『LADY JANE 50周年“破の刻”終幕式』
会場:ザ・スズナリ(北沢1-45-15)[Googleマップ]
日程:2025年4月17日(木)〜4月20日(日) 4日間
参加費:各日とも、自由席10,000円(整理番号付)
※ライブと終演後の懇親会費・記念品付(終幕式パンフレット・黒田征太郞画/“SHIMOKITA VOICE”マップ/荒木経惟「ライカで下北沢」ポストカード等)
定員:各回180名限定(自由席)
チケット: チケットぴあ
4/17(木) 18:30開演(18:00 開場)
【第一楽章】『御陣乗太鼓のように=祭りの始め』
森山威男(ds)中村達也(ds)太田惠資(vln)
正月にザ・スズナリで場叩きを始めた中村達也の幾星霜の還暦祝に、叩きの巨匠が駆けつけて胸貸せば、弦の調べは両者を架橋する虹立つ橋となる。
4/18(金) 18:30開演(18:00 開場)
【第二楽章】『祝詞女に憑く武者の心得』
中嶋朋子(朗読・perc)+「太平楽/四家卯大(cello)田中邦和(as・笛)佐藤直子(perc)」
+大友良英(g)
小さき蛍が虫ならば中嶋朋子は本の虫、即興言語を撒き散らし、下北沢生れ、雅楽の好き放題の原意を持つ太平楽と、警鐘鳴らす時代の変革者が割って入った。
4/19(土) 18:30開演(18:00 開場)
【第三楽章】『迷宮への回廊巡り』
「カフカ鼾/ジム・オルーク(g)石橋英子(p・fl)山本達久(ds)」+坂田明(as・cl・謡)
三人組の主カフカは鼾を掻きつつ、不穏な美しさを放つ禅の世界に、先輩朋輩の“喝ッ”が入り、玉露となって砕け散れば散華の花咲く!
4/20(日) 17:30開演(17:00 開場)
【最終楽章】久世光彦『マイ・ラストソング/言うなかれ、君よ、別れを』
(作:久世光彦/構成:大木雄高)
小泉今日子(朗読)浜田真理子(p/歌)
生前、久世光彦は心滲ませて人生最後の歌を昭和の言葉にした。絶品真理子の弾き語りと、明解今日子の朗読で綴れ織る珠玉の刻に身を委せる。江分利満氏に山口瞳が憤慨させて、森繁久彌が酔う度に感涙暗誦した『戦友別杯の歌』は反戦の裏名詩。
お問合せ:ビグトリィ03-3419-6261(月曜日~金曜日10:00~19:00)
主催:株式会社ビグトリィ/大木雄高
共催: ザ・スズナリ/野田治彦
協力: HOT STUFF PROMOTION、ヤマテピアノ
●スタッフ
舞台監督:堀内真人
舞台美術:加藤ちか
照明:岡野昌代
音響:水江英俊、加藤康仁
制作スタッフ:河野義家、丹羽蒼一郎、久信田浩之、伊藤美恵子
デザイナー:山田真介
Web: http://r.goope.jp/the-suzunari/free/hanotoki
この事態が悪しき「下北沢再開発」の裏現象と承知するなら、泣く訳にはいかぬ!
泣かなくても、笑っても最後の見世物!引き際に50年間の矜持を修める!
下北沢の文化を象徴するジャズ・バーLADY JANEが
2025年4月13日、50年4ヶ月の歴史に幕を下ろします。
大木雄高
あの『LADY JANE』が、50周年という記念すべきタイミングで閉店する。閉店の理由は大木さんも語られているとおりで、2025年の下北沢における現実です。多くのアーティストや文化人に愛され、下北沢の街を見守り続けてきたお店の代表といっても過言ではありません。そんなお店が閉店してしまうことは、下北沢の街にとって大きな損失であると言わざるを得ません。
鉄道事業者による開発が終わり駅前広場の完成を間近に控え、下北沢の街には新しいビルが次々と竣工しています。そう、下北沢の街が真の意味で変わっていくのはこれからなのです。今の下北沢をしっかりと感じてほしい、『LADY JANE』という伝説を最後まで見届けてほしい。LADY JANE 50周年“破の刻”終幕式、ぜひご参集ください。