CLARIS BOOKSと鉄道ロマン

1月21日におこなわれた進藤キーチさんの演劇ワークショップまえに、小一時間ほど時間があったため、時間をつぶすことにしました。
進藤キーチさんは、下北沢CM企画でシナリオ作成・撮影アドバイザーをしてくださっています。
今回は、そのご縁でワークショップにも誘っていただきました。
(会場は、キーチさんの経営されているカフェ「Ark Box」)

その近場で何かよさげなお店はないかと歩いていると、
“本”の文字を発見しました。

どうやら、“ CLARIS BOOKS ”というお店のようです。
興味をそそられたので、二階の店内へと足を運びます。

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ざんねんな(下北沢ブロイラー)副編集長もいないので、ひとりでゆったりと下北沢を堪能できます。
階段を上がってすぐに、なにやら面白そうな古本が小さめの棚に収納されています。

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店内にも、ふだんあまり目にすることのない書籍が並べられていました。

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男性店員さん二人と、女性客が話をしていました。
僕は棚の本を探しつつも、そちらの会話に耳をすませます。
むしろ、そちらがメインになっていました。

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どうやら女性は、フリーでライターをしているとのこと。
じつは、今回のCM企画の主人公の男性の設定も同じです。
これは興味深いシンクロが起きているぞ、とひとりでにやけそうになりながら、
「わたくしは読書家ですの」的な雰囲気をかもしだして、すまし顔で棚に視線を向け続けていました。
聴線(そんな日本語があるのかは知りませんが)は、女性の言葉に向いたままです。

鉄道が好きという、女性にしては珍しい趣味をお持ちのようです。

神田駅を出発して、群馬県や茨城県などをぐるっと一筆書きで周り、130円で東京駅の改札を抜けた、と話しています。

なにー!?

なんと12時間の旅だったというではありませんか。
それは旅なのか、ただ電車に乗っていただけじゃないか、というゲスな質問なんて浮かぶことなく、女性の体験に驚きを隠せませんでした。

でもやっぱり、すまし顔のふりは続けていました。

130円旅のルールは、同じ路線を通過しないこと、改札を抜けないこと、日付を越えないこと、みたいです。
ほんとうに一筆書きの旅です。

鉄道オタクなんて……と思っていたこれまでをお許しください。
こんなにもロマンのある、アホな、失礼、すてきな激安旅は、これまで存在していたでしょうか。
なんで神田から茨城まで行って、降りようと思わないのか。
都会の風景から一転、田舎の景色に直接触れたくはならないのか。

いや。
だからこそ、あえて通過するのが、人間らしい高尚な旅の味わい方というものでしょう。
このアウトローすれすれのイカした旅の記述は、時刻表の後ろのほうにも記載があるのだとかなんとか。

オタク文化は世界を救うのかもしれません。
サブカルバンザイ!(サブカルとオタクのちがいなんて知らずに使ってみました)

西村京太郎の小説を思わず買ってしまおうかと思いましたが、僕は青山七恵の『かけら』と豊島ミホの『リリイの籠』を買いました。
なんか、空気の読めない行動をとってしまった感が否めません。

そもそも、西村京太郎の作品が置いてあったのかは知りません。

でも、本のセレクトは絶妙で、ちゃんとカバーをしているものもたくさんありました。
「わたし、古本だけど、だいじにされてるわ」みたいな。
こじまんりとしていて、シャレた古本屋さんです。

 

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CLARIS BOOKS

〒155-0031
東京都世田谷区北沢3-26-2-2F
電話 03-6407-8506
FAX 03-6407-8512

営業時間
平日 12時-20時
日曜祝日 12時-19時
定休日 月曜日
(祝日の場合は営業します)

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