下北沢を拠点とする劇団フルタ丸の第22回公演チャレンジング興行第三弾「 共演NG 」が、5月16日(金)から25日(日)まで下北沢「劇」小劇場で行われます。【チャレンジング興行】と銘打った公演の第三弾、今回で完結となるお芝居の見所を、劇団主宰で作・演出を手がけるフルタジュンさんに伺いました。

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劇団フルタ丸主宰フルタジュンさん

ymkx: 今回もチャレンジング興行ということで、まずは、前回のチャレンジング興行第二弾「Parallel/パラレル」について伺います。前回の取材の際に稽古も見させて頂いて、ある程度どんな展開なのかわかっているつもりでしたが、そんな自分の予想を見事にぶっ壊してくれたのが「あのシーン」です。

フルタジュン(以下、フルタ):ああ、「あのシーン」ですね。

*「あのシーン」とは、それまで舞台の右側と左側で壁に仕切られ交わることがなく別々に展開していた物語が、山田伊久磨さんの手によって壁が崩壊。決して交わることのなかったパラレルワールドが混ざり合い、予測不能な展開に突入したシーンのこと

ymkx: 中盤まで絶対に右と左は交わらなく進んでいたので、観てる側としては最後まで絶対に交わらないって確信していましたから、、、。で、山田さんがあっちの世界に気づいて入ろうとする、まさに一線を越えるじゃないですか。最前列で観ていたので、舞台に上がってこの人を止めた方がいいんじゃないかって衝動に駆られました。そこからはジェットコースター的な展開で最後まで駆け抜けるわけですが、やはり、あそこは大きなポイントですよね?

フルタ: あのシーンについて、「どう展開させればいいのかわからなくなって、あのような演出をしたんじゃないの?」と言われたりしたのですが、むしろ僕の中ではアレがやりたかった。左右が混ざる瞬間を見せたかったので、もちろん意図した演出で最大のポイントです。

第21回公演チャレンジング興行第二弾「Parallel/パラレル」

ymkx: 左右それぞれで物語が進んでいて閉塞感のある状況だったのが、あのシーンで破壊されましたからね。ああ、今考えてもあのパニックがよみがえります。そんな「Parallel/パラレル」で難しかった部分は、どのあたりだったでしょうか。

フルタ: ユニゾンと呼ばれる左右線対称で進めていく部分が何カ所かありますが、お芝居をしつつ左右で動作を合わせる部分が難しかったです。お芝居をすることよりも、合わせることに気が回ってしまうことが怖かったですね。相手に合わせる動作をするのではなく、お芝居をする中で「合ってしまっている」そんな境地まで持っていくことが大変でした。稽古もかなり時間をかけていたのですが、対になる役者さん同士が毎ステージはじまるまで動きについて確認していましたね。

ymkx: ラストシーンも2人(真帆さんと黒沢美香さん)が歌うシーンがあります。聴いている側からするとあのユニゾンは最高に気持ちいいのですが、演じてる側からすると最後の最後まで気が抜けないですね。

フルタ: みんなが常にピリピリとした緊張感がありました。通常は舞台が進むに従って役者も楽になってくるものですが、今回は最後まで気を抜けない。「気を抜いたらやられる」、そう考えてくれる役者ばかりだったので、できたお芝居だと感じています。

ymkx: 観ていた側として、純粋に今回もやられたなと感じていたのですが、舞台裏ではそのような苦労があったのですね。本当に素晴らしいお芝居でした。

ymkx: さて、今回のお芝居について伺います。まず、タイトルの「共演NG」は昔から温めていたタイトルでしょうか?

フルタ: いえ、今回のお芝居のことを考えてゆく中で思いついて、タイトルに引っ張られながら中身を考えて物語を創り上げていきました。

ymkx: ちなみに、タイトルが先に思いつくのでしょうか、それとも物語を先に思いつくのでしょうか?

フルタ: 先にタイトルが出てくることもありますが、同時に物語とアイデアそしてタイトルを考えていることが多いです。

ymkx: 4月1日に「共演NG」というタイトルが発表されたのですが、とてもタイムリーでしたよね。前日の3月31日に、まさに共演NGというキーワードが世を騒がせていましたからね(夜放送された笑っていいとも最終日の特別放送)。あれとは無関係ですよね?

フルタ: 全く予期してなかったですね(笑)。でも、あの放送は何回も見直しました。このお芝居の参考にするとかそういう話しではないのですが、元々「共演NG」自体が大好きなんです。会わない、会わせないことが1つの伝説を創り上げてきたとこれまでも考えていたのですが、あの番組で実際に会わせてみたらやはり凄かったですね。それぞれの持ち味で笑いを生み出して、最高の組み合わせだったと思いました。

ymkx: 実際に役者の世界で、共演NGは存在するのでしょうか?

フルタ: 僕はあると思います、、、。そういう情報はこの世界にいたら何となく入ってきますし、あえてそこで一緒に使うことはないと考えますね。俳優、役者でも共演NGはあると思います。

ymkx: チラシにもフルタさんが書かれていますが、やはり「共演NG」は見たい組み合わせですよね、叶わないからこそですが。

フルタ: ある意味、叶ってしまうともう終わりなんですよね、二度とできない。僕はプロレスが好きなのですが、全日本プロレスと新日本プロレスが今は交流戦なんかをやってますけど、猪木と馬場がトップにいた時代に両団体が戦ったら、三沢と武藤とかどうなってしまうんだろうとか思いましたね。結局実現することはなくて、今思うと実現しなくてそれはそれでよかったと思いますね。

ymkx: チラシには『今回、役者の皆さんに共演NGの相手を発表する所からこの物語をつくろうと思う。』と書かれていますが、「共演NG」はどのようなお芝居でしょうか。

フルタ: お芝居には11人の役者が出演しますが、、、

(以下、「共演NG」の話しが続きます。が、ネタバレになってしまうので、ぜひ劇場で確認して下さい)

フルタ: と、言葉で説明していてイメージできるのか心配ですが、、、。

ymkx: うーん、、、わかったようなわからないような、確かに話しとしてはわかるのですが画的なイメージがわかないです。でも、1つだけわかったことは、自分が考えていた「共演NG」というお芝居のイメージとは全く違っていたこと。『共演NGの設定』自体も、全く予想していないものですね。

ymkx: 次にキャストについて、フルタ丸の役者さんと客演の役者さんに加えて、オーディションで役者さんを選ばれたとのことですが、どのような基準で選ばれましたか?

フルタ: 芝居として全体のバランスと、役者が持つ華的な部分が作品に合うのかを判断した上で選びました。

ymkx: 実際にみなさんで稽古をはじめられて、座組(出演者の構成)はどのような雰囲気でしょうか?

フルタ: 今までのフルタ丸の場合、客演の中に一度はフルタ丸の舞台に立ったことのある方が入っていましたが、今回は全員フルタ丸が初めての客演を選んでいます。あえて、新しい客演さんの血を入れようと決めていました。それだけに、フルタ丸の役者も緊張感を持って挑んでいます。

ymkx: その点でもチャレンジングですね。客演と言えば、フルタ丸の宮内さん(きゅうりの花 [ハイリンド vol.15])と真帆さん(宝猫歌劇団「108~女傑~」)が、他の劇団のお芝居に客演されましたが、フルタ丸に戻ってきて何か変化のようなものはありますか?

フルタ: いろいろな役者さんと知り合ったり、演出家と会った後は、やはり役者としての意識が変わっています。引き出しを増やして帰ってきてくれるので、時間が許す限り役者には客演をしてもらいたいですね。

ymkx: チャレンジング第三弾のお芝居となりますが、これまでの2作品と比較して「チャレンジング」についてどのような違いがあるのでしょうか。

フルタ: 第一弾と第二弾はストロングスタイルというか「軽さがない」作品でした。チャレンジングと銘打っていたので「どうだ!チャレンジングだろ!」という雰囲気を強く前面に出していたのですが、今回は「どうだ!」という部分よりも作品として楽しんでもらえるような「軽い」雰囲気を出したいと考えています。第三弾で集大成というと大げさですが、あまり深刻な「チャレンジ」にはせずに喜劇ですから皆さんに笑ってもらえる作品にするつもりです。

ymkx: 「Parallel/パラレル」は観る側も大変でしたからね。

フルタ: お客さんにも緊張感を強いるお芝居でしたからね、役者もお客さんが緊張しているのがわかると話していました。(自分たちが)何かを間違えるんじゃないかとか、とにかくずーっと見られている感じだったようです。そのようなチャレンジとは違う、新しい楽しませ方に挑みたいと考えています。

ymkx: ちなみに、今回のお芝居ですが、ステージの回数多くないですか?

フルタ: 全部で16ステージなので、フルタ丸としては過去最高ですね。一番の理由は多くのお客さんに見てもらいたい、とにかく回数を多くしてお客さんが観るチャンスを増やしたいという点に尽きます。あと、1回観て気に入ってもらったら2回目もぜひ観に来てもらいたいですね。

ymkx: 今回の公演チラシ(上の写真)についてですが、これは、水と油ですよね?

フルタ: はい、そうですね。注目してもらいたいのは、この水と油がちょっと混ざっている部分で、完全に合わない・混ざらないと言われているものがちょっと混ざったところ、その部分に「うま味」や「面白さ」があるという意味でこのお芝居を表現していますね。

ymkx: それでは、最後に一言お願いします。

フルタ: 実は今回やってみたい試みがありまして、観光地などにある記念に写真を撮る「顔はめパネル」をつくって、劇場に置いてみたいと考えています。演劇を観に来てくれた記念に写真を撮ってもらおうと思いまして。

ymkx: それはいいですね。演劇は食事とかと違って舞台の写真を撮ることができないです。でも、顔はめパネルとかがあれば観劇した記念になりますね、ちょっと恥ずかしいかもしれないけど。って、これもチャレンジングだ! お客さんもチャレンジですね!

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という感じで、インタビューをさせていただいたいのですが、話しを聴いた直後はこのお芝居の演出について、あまりイメージがわきませんでした。しかし、この後、1時間ほど稽古を見させて頂き、すぐにどのような設定のお芝居なのかは理解できました。フルタさんが公演チラシに書かれていた、

『今回、役者の皆さんに共演NGの相手を発表する所からこの物語をつくろうと思う。』

まさにそこから物語がはじまります。

いよいよ公演まで1週間を切った劇団フルタ丸第22回公演チャレンジング興行第三弾「共演NG」、今回でラストとなる劇団フルタ丸のチャレンジをみなさんもぜひ劇場でご覧ください。チケットは公式サイトから予約できますので、お早めにお申し込みください。私も初日を観劇予定です。

あと、今回の記事でも紹介した第21回公演チャレンジング興行第二弾「Parallel/パラレル」のDVDが発売されるそうです。今、予約しておくと劇場で受け取れるとのことで、こちらもどうぞー。ああ、あの山田さんが一線を越えた瞬間を再び!

劇団フルタ丸 第22回公演 チャレンジング興行 第三弾 【共演NG】 稽古風景、宮内勇輝さん(劇団フルタ丸)

劇団フルタ丸 第22回公演 チャレンジング興行 第三弾 【共演NG】 稽古風景、見方あゆ実さん

劇団フルタ丸 第22回公演 チャレンジング興行 第三弾 【共演NG】 稽古風景、松尾英太郎さん(劇団スパイスガーデン)

劇団フルタ丸 第22回公演 チャレンジング興行 第三弾 【共演NG】 稽古風景、清水洋介さん(劇団フルタ丸)

劇団フルタ丸 第22回公演 チャレンジング興行 第三弾 【共演NG】 稽古風景、斉藤レイさん

劇団フルタ丸 第22回公演 チャレンジング興行 第三弾 【共演NG】 稽古風景、キャスト集合写真。11名の役者さんとそれを仕切るフルタさんがどのようなチャレンジを見せてくれるか、期待です!

NGだから共演はさせられない。
絶対にさせられない。絶対に。
第三弾は共演NGを描く喜劇に挑戦。

【劇団フルタ丸 第22回公演 チャレンジング興行 第三弾  『 共演NG  』 】
下北沢「劇」小劇場(北沢2-6-6)
2014年5月16日(金)~25日(日)
[開演時間] 16日(金)19:30★
17日(土)14:00●、18:00
18日(日)14:00●
19日(月)14:00◎、19:30
20日(火)19:30
21日(水)14:00◎、19:30
22日(木)19:30
23日(金)14:00◎、19:30
24日(土)14:00、18:00
25日(日)13:00、17:00
★初回割引、◎平日昼割引、●終演後アフタートークイベントあり
受付開始は開演の45分前・開場は開演の30分前
[チケット] 前売:3,500円
当日:3,800円
★初回割引 :3,000円(16日・19:30)
◎平日昼割引:3,200円(19日・14:00/21日・14:00/23日・14:00)
学生割引:2,500円(学生証提示)
※前売り日時指定・全席自由

[出演] 宮内勇輝
真帆
篠原友紀
工藤優太
清水洋介

松尾英太郎(劇団スパイスガーデン)
力武修一(劇団リケチカ)
田中夏
池田萌子
見方あゆ実
斉藤レイ

[スタッフ] <作・演出> フルタジュン
<照明> 向井さとこ
<音響> 前田真宏/水野裕
<音楽> 平野智子
<舞台美術> 泉真
<衣装> 井上彩
<WEB>  砂川俊輔
<キャスティング協力> 森有紀
<演出助手> 寺山義教
<宣伝美術> 山下隼太郎
<監修> 田中ソウ
<制作> 和田宜之/三村大作
<協力> 株式会社ダイスクリエイティブ/アットムービー
株式会社アンダンテ/劇団スパイスガーデン/劇団リケチカ [公式サイト] http://dp02026338.lolipop.jp/22tokusetsu/kyoenng.html
[「共演NG」 稽古日誌] http://blog.furutamaru.com/
[劇団フルタ丸 公式Twitter] https://twitter.com/furutamaru2002
[劇団フルタ丸 公式Facebookページ] https://www.facebook.com/gekidanfurutamaru
[共演NG | 劇団フルタ丸 [演劇公演紹介] CoRich 舞台芸術!] http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=53304

About the Author

クロダマサノブ

クロダマサノブ、もしくは廣田西五です。「予定は未定であって決定ではない」の人で、別名シモキタさん。主にインターネッツ各所や、ライブハウス、サーキット、そして下北沢にいる。愛知県豊川市出身、京都市右京区経由で、普段は世田谷区で生息しているが、突然京都や大阪そして新栄のライブハウスに現れ泥酔し、泣きながらライブを最前列で見ている。要注意だ [Twitter]ymkx

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