2016年1月12日、俺は下北沢のおしゃれカフェで一人の男を待っていた。自身がプロデュース・作・演出を担当する『青春ゲットバック 2ndシーズン』を目前に控え、多忙を極める男、劇団フルタ丸主宰のフルタジュンだ。
今回は特定の公演についてのインタビューというよりは、2016年の劇団フルタ丸の動向を知るのが目的である。劇団としてのイベントとしては2月7日(日)にARENA下北沢で開催されるトークライブ【フルタ丸サロン『遠足前夜』】があり、そして5月から6月にかけて【第25回 本公演】が行われる。

2月7日に開催される【フルタ丸サロン『遠足前夜』】は劇団フルタ丸では初となるトークイベント。会場は劇場ではなく、下北沢のカフェバーであるARENA下北沢。シモブロでも年末に忘年会イベントを開催した場所であり、音楽ライブやお芝居の上演も行われる、おしゃれでいかにも下北沢らしい空間だ。そして驚いたのは公演時間、17時半開場18時開演で21時終演予定、途中休憩を挟むとはいえ3時間たっぷりフルタ丸を堪能することができる。ドリンクやフードの追加オーダーもできる、気合いを入れてお芝居を観るのとはひと味違う、リラックスした環境で楽しむことができそうだ。
そして気になるトークイベントの内容だが、以下の内容が語られる予定である。

★宿題トーク(それぞれのメンバーが語るマイベスト前夜とは?)
★「青春ゲットバックseason2」おつかれさま(終わったばかりのプロデュース公演をフルタ丸視点で振り返ります)
★フルタ丸の幻の短編ドラマ「友達B」上映会(フルタ丸でずいぶん前に撮った映像作品を初出し)
★寺山大陸(言わずとしれた演出助手の寺山。寺山の「今」を追います)
★フルタ丸検定(フルタ丸に一番詳しい人間は俺だ!フルタ丸検定を始めます。挑んで下さい)
★遠足前夜ライブ(このイベントのために書き下ろした、フルタ作詞&宮内作曲によるオリジナルソングを宮内が歌います)

『宿題トーク』では、劇団メンバーそれぞれがベストな「前夜」について語る。何について語るかは、当日までメンバー同士でも明かされないらしい。それぞれのお芝居に関わることか、それとも全く関係の事なのだろうか。
『青春ゲットバックseason2』の振り返りでは、作・演を担当するフルタ及び劇団の中で唯一出演する清水洋介本人による感想、もちろん観劇するであろうメンバーの忌憚なき意見を聞くことができるだろう。
『フルタ丸の幻の短編ドラマ「友達B」上映会』は3年前に撮影された20分ほどの映像作品「友達B」を上映。現在のフルタ丸メンバーが出演する作品だが、ファンにも知られていない幻の作品とのこと。期待すべき作品であることは間違いないだろう。
『寺山大陸』、フルタ丸の演出助手を務める寺山義教について語るコーナー。あまり疑問を持たずに彼の存在がフルタ丸に定着していたが、目指すは演出家。なんと、今年の夏には自身の劇団の立ち上げも予定されており、謎のベールに包まれていた「演出助手寺山」の全てが明らかになる。
『フルタ丸検定』は、フルタジュンが出題するガチ検定。公演に関するライトなモノから、メンバーでも分からないフルタ本人以外で答えられないようなコアな設問も用意されている。少なくとも公演DVDは全て振り返っておくべきとのこと。もし、全問正解することができたら、、、フルタが特別な何かをプレゼントしてくれるだろう。
そして、『遠足前夜ライブ』。このイベントのためにフルタが詩を書き、宮内が曲を書く。この日この時しか聞けないであろう歌がその場にいる人たちだけに届けられる。

イベントタイトルになっている『遠足前夜』、2016年の劇団フルタ丸がはじまる「前夜」という意味合いがあるのだろうか? そして、いつも劇場で見ている役者としての劇団フルタ丸ではなく、それぞれの個人としての6人をじっくり堪能できる3時間になりそうだ。

フルタジュン氏はココナッツラテ。このお店はラテアートがとってもかわういのである

話しは変わり、5月から6月にかけて行われる第25回本公演について。第24回公演 『僕は父のプロポーズの言葉を知らない』から1年のインターバルを挟んで劇団フルタ丸の25回目の本公演が開催される。【25】という数字に、普段全く気にかけていなかったこの劇団が持つ歴史と重みを感じる。

タイトルは未定、会場は「劇」小劇場、自分の中では最もフルタ丸を観ている場所であり、彼らのホームグラウンドたる劇場である。小劇場ではあるが、そこで生み出されるフルタ丸の世界は、空間の制約を逃れ拡がりそしてとても深い。そして、前回の公演に続きこの公演も6人の劇団メンバーのみで演じるとのことだ。

タイトルも決まっていない状態で何を聞くべきなのか、もちろん物語は新たなモノであるが、場所も同じで役者も同じ。直球で聞いてみた、この第25回目となる本公演、どこが見所なのか。すると、フルタは言葉を選ぶように話してくれた。

「5月に行われた前回の本公演を6人で演じ、10月にカレーフェスティバルで上演した『食卓のピエロ』も6人で演じました。そして、『食卓のピエロ』を作り演じる中で、私たちはとても重要なことを得ることができました。
あえて見どころを伝えるとすれば、【6人で作ること】。2回目なので強く推せるポイントではないのかもしれないけど、やはりそこが一番観てもらいたいポイントになると考えています」

【6人で作ること】、あえて言い換えよう【6人“だけ”で作ること】、6人の劇団メンバーだけで今回の本公演にも挑む。2つ前の本公演までは、個性豊かな客演の皆様がフルタ丸のお芝居を大いに彩っていたのだ。しかし、6人の劇団メンバーのみで公演を2度行い、劇団フルタ丸は何かに気づいたのかもしれない。そう、劇団メンバー6人のみでお芝居を作り演じる事の本当の意味、そして意義に。『僕は父のプロポーズの言葉を知らない』で見たのがフルタ丸6人の全てではない、まだまだ、この6人で見せるべきものがある。全てを語ってくれたわけではないが、何かを見つけそして挑もうとしている、それを十分感じることができた。

私がオーダーしたのはGrape Green Tea。ぶどうの香りが漂う、おしゃれカフェお似合いのメニュー。が、実際はおっさんふたりで向き合い、インタビューという戦いを繰り広げているのである。いい雰囲気をぶちこわしてごめんなさい、あの時のカップルさん

そして、忘れてはいけないことがある。この第25回本公演は5月25日から29日まで下北沢の「劇」小劇場で行い、6月10日から12日の3日間は岐阜県美濃市にある美濃にわか茶屋なる場所でも上演される。美濃市と言えば、フルタの出身地であり実家がある場所でもある。そして、美濃にわか茶屋とはなんだろう、劇場なのだろうか。

「美濃にわか茶屋は国道沿いにある道の駅です、近くに長良川がありますね。自分の地元ということもあって縁があり、今回の本公演を上演することになりました」

美濃にわか茶屋のWebサイトをチェックする、いかにも地方にありそうな道の駅だ。私そんな、道の駅にあるホール的な空間を使って、劇団フルタ丸は本公演を行うのだ。金曜日から日曜日まで3日間、完全に本公演だ。1回のみのイベント的な公演ではない、もちろんチケットを販売する公演なのだ。ここで、フルタは思いがけない言葉を発する。

「下北沢と美濃をつなぐことができるのは、たぶん、自分だけですから。演劇で美濃と下北沢をつなげたいのです」

下北沢と美濃をつなぐ、、、まさか、そんな言葉が出てくるとは予想すらしていなかった。この想いは以前からあったようで、今回の美濃での公演計画も前から動き始めていたようだ。そういえば、2013年に明大前で見た『60ミニッツ プロジェクト vol.2 「フルカラーの夏」』も美濃市で上演されている。
いくらフルタの出身地とは言え、下北沢とは異なり劇場が存在しない土地で、演劇の本公演が成立するのだろうか。しかし、彼の考えは全く揺るがない。

「6人でできる事やるべき事を考え、今回の下北沢と美濃での本公演、そして2月のトークライブもやるつもりです。そういう意味では、全てが劇団フルタ丸としてつながっています」

2016年も劇団フルタ丸から目が離せない、こんな話しを聞いてしまったら目を離すわけにはいかない。2月7日にARENAで開催される【フルタ丸サロン『遠足前夜』】、そして5月から6月にかけての【第25回 本公演】、劇団フルタ丸ファンにとっては参加必須イベントだ。そして、忘れてはいけない、新年から再び本公演まで劇団員6名及び照明・広報担当のsatokoによるリレーブログがはじまっている。彼らはもう本公演までの道を歩み始めているのだ。

そして自分にとっても、劇団フルタ丸にどきどきする1年がはじまった。今年も下北沢ブロイラーは劇団フルタ丸を全力で追いかけ、そして伝えたい。

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■フルタ丸サロン『遠足前夜』

フルタ丸による初となるトークライブ!
一体どんなことが起きて、何が生まれるのか?!
遠足前夜のごとき眠れぬ夜にご参加下さい!

出演:フルタジュン/宮内勇輝/真帆/篠原友紀/工藤優太/清水洋介

2016年2月7日(日)18時開演(17時半開場)@ARENA下北沢
チケット料金:2,000円+1ドリンク(500円)
チケット発売:1月4日(月)AM10時~ ご予約はコチラから

 
■第25回 本公演『タイトル未定』

今年も劇団メンバーだけによる本公演が決定!
東京と岐阜のツアー公演だ!!

作・演出:フルタジュン
出演:宮内勇輝/真帆/篠原友紀/工藤優太/清水洋介/フルタジュン

【東京公演】5月25日(水)~29日(日)@下北沢「劇」小劇場
【岐阜公演】6月10日(金)~12日(日)@美濃にわか茶屋

 

[おまけ]
劇団フルタ丸メンバー6人の新年メッセージ動画がYouTubeにアップされています。まだ、チェックしてない方はぜひご覧下さい。一度ご覧になった方も、何度でもご覧ください

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クロダマサノブ

下北沢の音楽や演劇、イベント、そして飲食店などの情報を勝手に紹介。アタラシイ下北沢の魅力をいち早くお伝えします [Twitter]ymkx

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