ヒミツノミヤコ - ミュージックピックアップ

5月24日下北沢MOSAiCに5人組のガールズバンド「ヒミツノミヤコ」が出演する。寸劇と演奏で構成され彼女たちが『宴』と呼ぶライブアクトは、これまでに観たことがない
2016/5/10 『JANUS 1000 SATIONAL!!』
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ホームである大阪でのライブということもあり、序盤から飛ばし気味の寸劇が展開される。フロアは音楽ライブとは思えない笑いに包み込まれるが、演奏がはじまるとその雰囲気は一転。特に初めて彼女たちを見たであろう人たちの反応は分かりやすい。自分も初めて見たときはそうだったからよく分かる、寸劇と演奏のギャップがこのバンドの最高の魅力なのだ。

見た目からカッコイイギターを見せてくれるであろう事は分かっていたが、その予想を上回る鮮烈なギターそしてボーカルの悪茄子。一方、それまでのゆるふわキャラはなんだったのかと思うくらい、力強いボーカルそして深く響き渡るベースを奏でるぼけちゃん。そして、コミカルすぎるキャラのボンちゃんも演奏に入ると一変、カラフルなキーボードでその真の姿を見せてくれる。さらには、病弱キャラ以前にひ弱な印象のエリカさんも、ドラマチックな曲を太いドラムで支える。小梅ちゃんはタンバリン盛り上げ隊長と称しているだけのことはあり、演奏に入ると情熱的なタンバリンさばきを見せてくれる。
しっかりとした演奏の上に、悪茄子とぼけちゃんのめくるめく入れ替わるツインボーカル、やはり「ヒミツノミヤコ」は最高にカッコイイ。

新曲「ツインクル」も披露され、宴は終盤、最大の見どころであるタケシ捜索(?)に突入する。

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もはや、ここまで来るとステージだけではなくフロアにいる全ての人が、ヒミツノミヤコの宴を構成する為に欠かせない存在である事が分かる。こんなアクトをするバンドはこれまでに観たことがない、唯一無二の存在だ。

2016/5/10 『JANUS 1000 SATIONAL!!』

2016/5/10 『JANUS 1000 SATIONAL!!』

最後にぼけちゃんが宴の告知を行い、ステージ前方に5人が揃う。まさに拍手喝采、フロアの全てを巻き込み、あっという間に終わってしまった「ヒミツノミヤコ」の宴だった。

そして、自分たちの出番が終わるとメンバーは急いで機材を片付け物販に駆けつける。物販スペースのみならず、フロアで「ヒミツノミヤコ」のファンはもちろん、その場にいる全ての人たちと積極的にコミュニケーションを重ねる。程なく、この日ラストとなるバンドのアクトがはじまると、5人はフロアで揃って盛り上げる。

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2016/5/10 『JANUS 1000 SATIONAL!!』2016/5/10 『JANUS 1000 SATIONAL!!』この日のイベントが終演し、フロアがクローズするまでひたすらお客さんに話しかける。自分たちをアピールしつつも、決してやり過ぎることはない。インタビューの中でぼけちゃんが話してくれた言葉を思い出した。

『いろいろな人に会って、日本でたくさんおともだちを作る』

まさに、それを実践している、そういうことなのだろう。それが、「ヒミツノミヤコ」というガールズバンドの全てなのかもしれない。

彼女たちはなぜ演奏だけでなく寸劇を行うのか、彼女たちの宴を3回観てやっとその意味を理解することができた。一つは自分たちの曲、演奏をちゃんと理解してもらうため。なぜその曲を演奏するのか、その曲のもつ意味や想いを知ってもらうために寸劇は欠かせないのだ。
そして、もう一つはフロアとステージの距離を最大限近づけること。演奏ではなく寸劇から始まることで、フロアにいる多くの人はステージに意識を向けざるを得ない。全てはそこから始まる、それが「ヒミツノミヤコ」の宴、そして音楽に対する回答なのだろう。改めて、とんでもないバンドに出会ってしまったことを実感する。

「ヒミツノミヤコ」は2016年5月24日(火)に下北沢に来る。下北沢MOSAiCで『ヒミツノミヤコ3周年!タケシを探して3千里ツアー』と称した宴が行われる。音楽とお芝居、どちらの要素も持つ彼女たちのアクトは、音楽の街でありながら演劇の街でもある下北沢ではひときわ輝きを放つだろう。この街で一人でも多くの人に「ヒミツノミヤコ」の世界に触れてもらいたい。

2016/5/10 『JANUS 1000 SATIONAL!!』

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ヒミツノミヤコ サイン色紙