[レビュー]劇団東京乾電池創立40周年記念本公演『ただの自転車屋』

下北沢にゆかりの深い劇団東京乾電池の創設40周年記念となる本公演『ただの自転車屋』が本多劇場で上演されています。柄本明、ベンガル、綾田俊樹の劇団を創設した3人が久しぶりに舞台を共にする記念すべき公演です

2016/6/24 本多劇場 劇団東京乾電池創立40周年記念本公演『ただの自転車屋』

本多劇場で6月22日から上演されている、劇団東京乾電池創立40周年記念本公演『ただの自転車屋』を観劇してきました。東京乾電池と言えば下北沢にアトリエを持ち、座長の柄本明さんは下北沢在住ということもあり、下北沢にはゆかりの深い劇団。にもかかわらず、これまで一度もそのお芝居を観たことはありませんでした。テレビで見るとの同じくらい下北沢の街ではよく見かけるのですがね、柄本明さんは、、、。

今回の作品は劇団東京乾電池の創立40周年を記念した本公演で、劇作家の北村 想さんの新作書き下ろしとなる作品。出演は座長の柄本明さんを初めとして、ベンガルさん、綾田俊樹さんと劇団を結成した3人の俳優、そして劇団員の山地健仁さんの4名。柄本さん、ベンガルさん、綾田さんについてはテレビドラマや映画でもよく見かける皆さんだけに、演劇でどのようなお芝居を見せてくれるのか期待がふくらみます。

まだ、公演期間中でもありますのでお芝居の内容については触れませんが、観劇した印象について。本多劇場での観劇自体が数年ぶりと言うこともありますが、いつも見ている下北沢の他の劇場とはやはり何から何まで違います。あの階段を上がって受付に向かう感覚、なんとも言えないワクワク感があります。平日のマチネ公演にも関わらず席はほとんど埋まっています。

劇団東京乾電池創立40周年記念本公演『ただの自転車屋』

暗転しお芝居が始まった瞬間からなんとも言えない空気感が漂います。ちょっと動くだけで笑いを誘うというか、動きの一つ一つがなんだか面白く感じてしまいます。それぞれがかみ合わないようでかみ合っている、どこまでがセリフでどこがアドリブなのかすらよく分からない状況のまま物語は進みます。ただ、この物語の設定自体がくせ者で、さらには横道に逸れては戻りの繰り返しで、いったいどこにたどり着くのか見当も付きません。しかし、ある事がキッカケに物語は一気に動き始めます。このお芝居のタイトルの意味をしっかりと感じることができる、そんな結末でした。

40年間芝居を続ける、そもそも40年ちょっとしか生きてない自分にとっては到底イメージのできない世界です。この公演で久々に舞台を共にする3人、それぞれの個性がハッキリと感じられるお芝居でした。ふわふわしてる柄本さんが突然覚醒する瞬間、なんだか凄いモノを見た気分です。

劇団東京乾電池創立40周年記念本公演『ただの自転車屋』は6月29日(水)まで、本多劇場で上演中です。土日についてはすでに前売りが完売している会もありますので、詳細は公式サイトに掲載されているお問い合わせ先にお願いします。

劇団東京乾電池創立40周年記念本公演
『ただの自転車屋』

[作]
北村想

[演出]
柄本明

[出演]
柄本明
ベンガル
綾田俊樹
山地健仁

[開演日時]
6/22(水) 19:00
6/23(木) 19:00
6/24(金) 14:00
6/25(土) 14:00、19:00
6/26(日) 14:00
6/27(月) 14:00
6/28(火) 19:00
6/29(水) 14:00
受付:開演の60分前/開場:開演の30分前

[料金]
全席指定/前売¥4,500/当日¥4,800

[公式サイト]
http://www.tokyo-kandenchi.com/tadanojitenshaya.html