下北線路街でレジデンシャル・カレッジ 「居住型教育施設(学生寮)」の開発が進められています。

2020年11月に開業予定のこの施設は、小田急電鉄株式会社とUDS株式会社、多様な学びの体験や空間を提供する教育事業を展開する株式会社エイチラボ(以下、HLAB)の3社が協働し開発が進められ、多様性豊かな高校生・大学生・若手社会人が寝食を共にする中で互いに学び合い、新たな教育的価値をもたらす学生寮です。

開発プロジェクト発足の背景として、現代社会における急速な技術革新、グローバル化の波が教育に大きな影響を与えていることが挙げられます。MOOC(大規模公開オンライン講座)の普及などにより世界の一流大学が提供する知識・技能コンテンツへのアクセスが物理的・経済的に容易になったことを背景に、教育に以下のような変化をもたらしていると認識しているとのこと。

  • 知識や技能の習得以上に、それらを実践し応用する力、それらをツールとした問題解決能力を養成する重要性が高まっている
  • 複雑さを増す世界の課題解決に、分野横断的なアプローチが求められる中、多様な専門性を“架橋”しながら学び続けること(生涯学習)が求められている
  • グローバル化に加え、少子高齢化にも直面する日本においては、多様な人材と協働し新たな産業を創出できる人材が必要とされている

こうした状況の中で生まれた本施設の計画は、特定の高校・大学に紐づいた欧米型のボーディングスクール(寄宿型学校)とは一線を画すもの。「教育プログラムとしての共同生活」「リベラルアーツの学び合い」「地域に開かれ共創するプロジェクト」の3つを柱として展開するとともに、多様性豊かな居住者がそれぞれの高校・大学・職場などでの経験を持ち寄って互いに学び合う居住型教育施設という新たな教育の形を提案します。

居住型教育施設で提供する3つの教育的価値

1)知識・技能の応用力と問題解決能力を養う教育プログラムとしての共同生活
当施設では、単なる住まいの提供だけではなく、共同生活の運営をプログラムの一環として位置付け、様々な講義・研修も提供します。居住者が互いの関心事や専門性から学び合う居住空間を創出し、他者との共同生活の中で知識・技能の応用力、問題発見・解決に挑む力、そして主体的なリーダーシップを育みます。

2)地域に開かれ、多様な背景を持つ人々と新たな価値を共創するプロジェクト
寮生活の運営で身につけた問題解決能力やリーダーシップを活かし、周辺地域に貢献する活動や、各々の問題意識をプロジェクトにしていく経験を通して、多様な仲間と新たな価値を共創する力へと昇華させていきます。特に、下北沢地域という、文化と多様性豊かな地域に根ざし、地域に開かれた寮にすることで、居住者が地元の環境・人々からも多くを学ばせていただくことも重視します。

3)リベラルアーツを学ぶ、豊富な機会を提供
 常に最新の知識に合わせて学問領域を超えた学びを続けていくことが求められている中で、「リベラルアーツ(幅広い知識教養)」を互いに学び合うプログラムを提供します。入居者は、知的好奇心を刺激されるリベラルアーツのプログラムを学び続ける中で、自身の探究を深めるだけでなく、生涯学習を続けるための知的な基盤を養います。

今後、「居住型教育施設」で展開されるプログラムや応募要項については、順次発表していく予定とのこと。メールマガジンや公式LINEアカウントで発信されますので、興味がある方はこちらのページよりご覧ください。

施設で展開される教育のイメージ

HLABは、2016年にはTHE HOUSE by HLABの運営を開始し、2018年3月開業の学生レジデンス「NODE GROWTH湘南台」のプログラム設計や、山梨学院大学の国際寮の設立を協働しました。

この度の「居住型教育施設(学生寮)」では、HLABが展開して来たレジデンシャル・カレッジ事業の知見や、HLABが創業以来取り組んできたサマースクール事業の卒業生1600名を超えるコミュニティが最大限活用されます。

レジデンシャル・カレッジの基盤は、背景の違うものが互いから学び合う「ピア・メンターシップ」と、学際的な内容を互いに学び合い深め合う「リベラルアーツ」です。これらの土台の上に、日々の共同生活から学び合いが生まれるためのカレッジ運営や対話の仕組み構築、居住者に向けた教育プログラムの設計・実施、コミュニティマネジメントを総合することで、居住者の主体性が育まれる学びの場を創出します。


下北線路街の開発計画が公表され、様々な魅力的なエリアが並ぶ中、なぜこの場所に学生寮を作るのかハッキリと分からないままでした。しかし、今回の発表を受け、この「居住型教育施設(学生寮)」がとても魅力的な施設であることを理解しました。

学校でのそれぞれの学びに加え、学生寮という形で共同生活を送る。しかも、高校生・大学生・若手社会人、もちろんそれぞれの専門が異なる立場の若者が集まることに、大きな可能性を感じます。そして、様々なクリエイティブが溢れる下北沢という土地にあり、地域に開かれた寮にすることにより、相互的な価値の高まりが期待できます。下北沢の街に加え、すぐそばには「BONUS TRACK」や「世田谷代田 仁慈保幼園」そして「温泉旅館 由縁別邸 代田」といった同じく下北線路街の魅力的な施設があり、それぞれが交流することでその魅力はさらに高まります。

小田急電鉄株式会社が下北線路街で何を実現したいのか、ハッキリと見えてきました。当初は商業施設を中心とした施設が立ち並ぶと考えていましたが、計画が発表され「下北線路街 空き地」や「BONUS TRACK」といった、これまでにない施設が開業。それぞれが魅力的な施設でありながら、お互いが繋がり、さらには下北沢の街や人と繋がることにより、その可能性は無限大に広がることが期待できます。

この「居住型教育施設(学生寮)」がオープンするのは2020年11月予定、今から開業が待ち遠しい施設です。

下北線路街「居住型教育施設(学生寮)」

■ 施設概要
所在地:東京都世田谷区代田五丁目20
(小田急小田原線、京王井の頭線 下北沢駅南西口 徒歩4分)
構造:鉄筋コンクリート造 5階建て
敷地面積:1267.78㎡
建築面積:715.41㎡
延床面積:2495.34㎡
室数:102室
食堂:1ヵ所
着工:2019年6月
竣工:2020年10月(予定)
入居開始:2020年11月(予定)
企画・設計・運営:UDS株式会社
企画・運営パートナー:株式会社エイチラボ
施工者:株式会社フジタ

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クロダマサノブ

クロダマサノブ、もしくは廣田西五です。「予定は未定であって決定ではない」の人で、別名シモキタさん。主にインターネッツ各所や、ライブハウス、サーキット、そして下北沢にいる。愛知県豊川市出身、京都市右京区経由で、普段は世田谷区で生息しているが、突然京都や大阪そして新栄のライブハウスに現れ泥酔し、泣きながらライブを最前列で見ている。要注意だ [Twitter]ymkx

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