2021年2月7日(日)に下北沢「劇」小劇場で上演されたFURUTAMARU. Vol.3 『豚の砦 -Pig Fort-』。これまでに何度もしもブロでご紹介している劇団フルタ丸が本公演とは別に手がける、「FURUTAMARU.」シリーズの第三弾公演。第一弾「虎の館」と第二弾「梟の服」と続き、第三弾は【豚】をテーマとしたお芝居です。
劇場での上演はこの日16時からの1回のみで、2月16日まではその劇場公演をインターネット配信にて観劇することができます。私は当日に劇場で観劇し、改めてインターネット配信でも観劇しました。まだ、配信期間中ということもありネタバレしないようにレビューをお伝えいたします。まずは、公式情報のSTORYを改めて。
栄光のブヒブヒをもう一度。
Glory oink oink again.
オオカミに歴史的大勝利を収めた子豚三兄弟。
世界中で彼らの偉業を知らない者はいないだろう。
二〇二一年、かわいい子豚だった三匹達はくたびれた中年豚になっていた。
ある日、疎遠のまま暮らしていた三匹が久しぶりにレンガの家に集まることになる。
しかし、すでにレンガの家の姿はなく、朽ち果てた残壁が残るのみ。
その有様は、まるでただの中年豚となり果てた自分達の姿と重なるのだった。
どうしてこんなにもズルくて醜くて情けない中年になってしまったんだろうか。
どん底の中年豚野郎たちによる哀愁と再生の童話コメディー。
まさにこのSTORYの通り物語は進みますが、中年豚としてお芝居を演じているにもかかわらず、キャストである3人のリアルが至るところでオーバラップ、台詞を超越したリアリティをそこに観ることができます。さらには、自分自身が中年世代であることも重なり、物語に対する不思議な没入感に包み込まれることになります。この辺りは、観る人たちの年代で受ける感覚は異なりますが、もちろんそれぞれの年代で楽しむことができる内容です。
そして、事前インタビューでもフルタさんが重要な役であると話してくれましたが、「声」として出演される篠原さんの存在が想像を完全に超越していました。ステージ上で演じている3人には大変申し訳ないのですが、あえてMVPを与えるとしたら私は迷わずに篠原さんを選ぶでしょう。これまたネタバレになってしまうので詳しく触れることができないのですが、これまでにフルタ丸の公演で様々な役を演じた篠原さんの姿が浮かび上がってくるような、お芝居においてなにかを超越した存在でした。まあ、声だけでステージ上には一切登場していないわけですけどね、、、。
中年豚は現実には存在しません。まあ、様々な豚がいるので一切存在しないわけではないのですが、人間の世界において当たり前のように存在している中年、それと同じ立場の豚は存在していないでしょう。そういう意味で中年豚はある意味ファンタジーな存在であり、そんな中年豚をリアルな人間の中年が演じることの妙に、深く関心を覚えました。インタビューの後にも感じましたが、豚という存在にもう少し真剣に向き合いたいと思います。などと書いてますが、豚、豚、と書いて思い浮かぶのは豚料理ばかりですよ、生姜焼きおいしい。
たった1回の劇場での公演でしたが、その1回の公演は映像化され現在インターネット配信されています。ネット配信は2月16日(火)23時59分まで視聴可能(販売は22時30分まで)、本編は60分で比較的気軽に観ることができますので、まだご覧いただけてない方はぜひご覧ください。冒頭にも書きましたが私は劇場公演そしてインターネット配信でも観ましたが、劇場の客席からは感じることのできなかった細かい部分や、それぞれの役者の細かい表情や仕草などを観ることができ、文字通り二倍楽しむことができました。劇場でご覧いただいた皆さんにも、ぜひ配信でもご覧いただきたいです。
というわけで、YouTubeに掲載されているダイジェスト映像をどうぞ。
さて、劇場での上演が終わったFURUTAMARU. Vol.3 『豚の砦 -Pig Fort-』ですが、どうやらこの物語はこれで終わりにはならないようです。過去のFURUTAMARU.の公演も、様々な開場で上演されましたが『豚の砦』についても、今後色々な場所での上演を目指しているとのこと(参考:公演が終わって一週間の世界線|劇団フルタ丸|note)。私としてはぜひ子供たちに観てもらいたいですね、純粋に子供が楽しめる作品であると思っていますので。そうだなー、下北線路街にある【世田谷代田 仁慈保幼園】なんてとてもオススメだと思います、保育園に通うお子さんはもちろん地域の皆さんに親子で観ていただきたい作品です。
『豚の砦』の物語は1回限りで終わったのではなく、まだはじまったばかりです。
FURUTAMARU. Vol.3 『豚の砦 -Pig Fort-』
原作:『三匹の子豚』
作・演出:フルタジュン
出演:山田伊久磨・清水洋介・フルタジュン/(声)篠原友紀
栄光のブヒブヒをもう一度。
Glory oink oink again.
オオカミに歴史的大勝利を収めた子豚三兄弟。
世界中で彼らの偉業を知らない者はいないだろう。
二〇二一年、かわいい子豚だった三匹達はくたびれた中年豚になっていた。
ある日、疎遠のまま暮らしていた三匹が久しぶりにレンガの家に集まることになる。
しかし、すでにレンガの家の姿はなく、朽ち果てた残壁が残るのみ。
その有様は、まるでただの中年豚となり果てた自分達の姿と重なるのだった。
どうしてこんなにもズルくて醜くて情けない中年になってしまったんだろうか。
どん底の中年豚野郎たちによる哀愁と再生の童話コメディー。
【公演日時】
2021年2月7日(日)16時開演(15時40分開場)
【会場】
下北沢「劇」小劇場
(世田谷区北沢2-6-6 tel:03-3466-0020)
【チケット】
⓵劇場観劇チケット
▶料金:3,000円
▶チケット予約:カルテットオンライン
https://www.quartet-online.net/ticket/buta
*税込/自由席
*発売開始:2020年12月27日(日)10時
⓶アーカイブ観劇チケット
▶料金:2,000円
▶チケット予約:イープラス
https://eplus.jp/pigfort-st/
*2月10日(水)12時よりアーカイブ配信スタート
*販売期間:2月16日(火)22時30分まで
*視聴期間:2月16日(火)23時59分まで
*期間内に何度でも視聴可能
*視聴方法:イープラス「Streaming+」
*発売開始:2021年1月8日(金)12時
【注意事項】
・本公演は政府、東京都ならびに関係機関により策定された新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインにもとづき、感染拡大防止対策を講じて開催いたします。
・ご来場の際は、マスクの着用、手指の消毒、検温、咳エチケット等感染症対策にご協力をお願いします。
・ステージから2メートル離れた最前列、また、適度な間隔のある座席配列となります。
【お問い合わせ】
info@furutamaru.com
【STAFF】
照明:宮崎晶代
音響:水野 裕(空間企画)
写真:木村健太郎
演出助手:白戸祐太郎
映像配信:natural Paradox
主催・企画・製作:劇団フルタ丸
<FURUTAMARU.シリーズについて>
「フルタ丸 胸に迫る あたたまる」をモットーに、ひとりぼっちの夜を救う演劇を創作している東京の劇団フルタ丸。2018年から、山田伊久磨・清水洋介・フルタジュンによる「FURUTAMARU.」シリーズを開始。機動力のある表現方法で国内ツアーと海外展開を目指している。今回は、その第三弾公演『豚の砦』。