作家の辻仁成氏が審査員長を務める「アート&デザイン新世代賞」、5回目となる「第5回 アート&デザイン新世代賞」が下北線路街にある「SHIMOKITA COLLEGE」にて開催されることが発表されました。

「アート&デザイン新世代賞」 は、芸術家・デザイナー・建築家などを目指す25歳以下の若いクリエーターのための新人賞。2017年に作家でDesign Stories主宰の辻仁成氏が立ち上げ、2020年までに4回実施してきました。

今回「第5回 アート&デザイン新世代賞」がSHIMOKITA COLLEGEにて開催されることになった経緯について、以下のように説明されています。

辻仁成氏が若い頃から長らく拠点をおいていた下北沢で新世代賞を実施したいと考えていたところ、「下北線路街」の開発を手掛ける小田急電鉄と出会い、下北沢で駅の詩をテーマに第5回新世代賞を開催することが決定しました。新世代賞の開催を通じて次世代の“原石発掘”を目指す辻氏に、小田急電鉄が居住型教育施設SHIMOKITA COLLEGEの居住者を巻き込んで共同で実施したい旨を申し出たところ、辻氏に賛同いただき、同施設の居住者有志で実行委員会が組織され、三者での開催となりました。運営会議では、辻氏自らパリよりオンラインでSHIMOKITA COLLEGEの居住者に対して一緒に新世代賞を作り上げていこうと参加を呼びかけ、学生等が辻氏に積極的に質問や意見をぶつけるなど、まさに新世代が作り上げる新世代のための賞になっています。

「第5回 アート&デザイン新世代賞」 の作品テーマは「駅の詩(うた)」。「新世代賞」は、第1回より「生活に寄り添う」、「古きものを新しく」、「時代の言の葉、言葉のデザイン」、「君がリデザインするアフターコロナのホテル」と年ごとにテーマを設けて開催。第5回のテーマは「駅の詩」、あなたの心の中にある駅という空間が内包する物語(ストーリー)を、なんらかの形で表現していただきます。音楽、詩、小説、アート、デザイン、表現方法は自由です。駅に集う人々が、その場所をより愛することができるような作品を期待しています。

募集期間は2021年11月7日まで。審査会・結果発表・授賞式は11月20日に開催、最優秀賞には賞金30万円、優秀賞には賞金10万円、特別賞には賞金5万円がそれぞれ贈られます。また、SHIMOKITA COLLEGE居住者有志が審査するSHIMOKITA COLLEGE賞を設けられるとのこと。受賞者はSHIMOKITA COLLEGEに1ヶ月間無償で居住することができます。


【第5回 アート&デザイン新世代賞 概要・募集要項(抜粋)】

■募集期間
2021年9月1日(水)~2021年11月7日(土)

■結果発表・授賞式
・審査会、結果発表、授賞式:2021年11月20日(土)
※最終選考に残った方には直接連絡します。
※審査会は公開審査となります。最終選考に残った応募者は公開審査にご参加お願いします。
 (遠方の方はオンライン参加でも可能です。)
※公開審査は新型コロナウイルスの影響で変更になることがあります。

■賞
・最優秀賞(1点):賞金 30万円
・優秀賞 (1点):賞金 10万円
・特別賞 (2点):賞金 5万円
※該当作なしの場合もあります。
※今回は上記の賞とは別枠で、SHIMOKITA COLLEGE居住者有志が審査するSHIMOKITA COLLEGE賞を設けます。受賞者は、2021年12月10日〜2022年3月10日(期日は要相談)の間の1カ月間、SHIMOKITA COLLEGEに学費(居住費用)無償で居住いただけます。(居住希望の応募者のみ審査対象、応募時にSHIMOKITA COLLEGE賞での審査希望有無および居住希望期間を記入)

■審査員
辻仁成/Hitonari Tsuji(作家、Design Stories主宰、審査員長)
甲斐徹郎/Tetsuro Kai(建築・まちづくりプロデューサー、株式会社チームネット代表取締役)
尾田大介/Daisuke Oda(株式会社オーバーシーズ取締役)
柏雅康/Masayasu Kashiwa(下北沢商店連合会会長)
宮崎晃吉/Mitsuyoshi Miyazaki (建築家、株式会社HAGI STUDIO代表取締役)
奥村大/Dai Okumura(ミュージシャン、ロックバンド「wash?」のvo.音楽プロデューサー)
中村暖/Dan Nakamura(クリエーター、第1回新世代賞最優秀賞受賞者)

■主催
Design Stories
SHIMOKITA COLLEGE 新世代賞実行委員会
小田急電鉄株式会社

■応募方法
詳細はWebマガジン「Design Stories」からご確認いただけます。
https://www.designstoriesinc.com/worldfood/art_and_design14/

「第5回 アート&デザイン新世代賞」 開催にあたり、審査委員長の辻仁成氏は以下のようにメッセージを寄せています。

ぼくはずっと下北沢で暮らしていた。事務所も仕事場も長らく下北沢にあった。そして、何より、あの「ZOO」というナンバーはぼくが20代の頃、下北沢駅の改札口でそこから出てくる人々を一日中、眺めてはスケッチし作ったのだった。人間をさまざまな動物にたとえたナンバーで、多くの人に口ずさまれ、歌い継がれ、ありがたいことに、あの曲をカヴァーしてくれる、次の世代のアーティストが大勢いる。あの曲には流行が無いのかもしれない。今回、小田急電鉄さんと組むことになったアート&デザインの第5回新世代賞は、人との出会いと交流の場である「駅」をテーマにする。誰もが駅から出発し、だれもが駅に戻ってくる。駅で待ち合わせ、駅で人生の多くを学ぶ。そこは人間交差点であり、長い人生の通過点でもある。ぼくが「ZOO」を書いたのは20代半ばのことだった。25歳以下の新世代に向けたこの賞を下北沢で応募し、審査を行えたらどんなに素晴らしいだろうと想像し、興奮した。それが本当に実現することになり一番驚いているのはこのぼく自身だ。今回のメインテーマを「駅の詩」とさせてもらう。多くの人の心の中にそれぞれの「駅」のイメージがあると思うが、愛する我が町の駅の改札口の周辺に、人々の心の交流を優しく見守るデザインや建築物やアートや詩や歌を飾りたい。駅をさらに愛する場所にするための創造、作品を募集したい。それは曲でも構わない。ポエムでも構わない。それは建築物でも、デザインでも、ポスターでも、絵画でも、彫刻でも、構わない。若い皆さんが作った作品が駅をより愛に溢れた空間に変えるだろうことを希望している。

また、SHIMOKITA COLLEGE 新世代賞実行委員会からは、以下のメッセージが寄せられています。

SHIMOKITA COLLEGEは、高校生・大学生・若手社会人が寝食を共にする中で互いに学び合い、新たな教育的価値をもたらすレジデンシャル・カレッジ(教育寮)です。昨年12月に、下北沢のまちにオープンし、2021年8月現在、約70名が暮らしています。私たちは、日常の何気ない会話や暮らし、深夜にまで及ぶ対話やディスカッションを通して、身近な違いに出会い、学んでいます。そんなわたしたちが大切にする学びは、人と人とが交差し、つながることから生まれます。今回テーマとなっている駅も、個人的な思いや記憶、つながりの集積地と言えるでしょう。
新世代賞は、駅がまちとまちをつなぐものであるように、わたしたちと社会を繋げてくれるものになると思っています。SHIMOKITA COLLEGEに住んでいるわたしたちは、新世代賞の応募者と同じ25歳以下の学生たちがほとんどです。新世代のための賞を、同世代でともに創り上げられることに胸を踊らせています。みなさんとSHIMOKITA COLLEGEでお会いして、共に学び合えることなど、新世代賞を通じた、たくさんの素晴らしい出会いを楽しみにしています。

最後に小田急電鉄からのメッセージです。

新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、リモートワークによる働き方の定着などライフスタイルは大きく変化し、鉄道の利用者は大きく減少しました。そのような状況下で、鉄道の在り方は変化を求められ、駅に必要な機能や形など駅の在り方も今後大きく変わっていく時代を迎えたのではないかと考えています。そこで、若い世代が考えるこれからの「駅」とはどのようなものなのか、たくさんの作品の応募を楽しみにしています。


昨年開催された「第4回アート&デザイン新世代賞」で授賞した作品を観ました。昨年のテーマは「君がリデザインするアフターコロナのホテル」、募集内容はテーマにそったデザインアイデアとのことで、それぞれグラフィックで表現していました。一方、今回のテーマは 「駅の詩(うた)」 であり、音楽・詩・小説・アート・デザインなど表現方法は自由。下北沢に関わる様々なジャンルの若手クリエイターにとって、チャレンジし甲斐のあるテーマだと言えます。

辻仁成さんと下北沢の関わりで真っ先に思い出すのは『愛をください』ですね。辻さんが脚本を担当され菅野美穂さん主演のテレビドラマで、当時下北沢で行われていた撮影によく遭遇したことを思い出しました。「ZOO」という曲のことは、もちろん今でも鮮明に残っています。

小田急線が地下化し、下北沢には新しい駅舎ができました。以前の面影は一切無い今の下北沢駅ですが、相変わらずたくさんの人が改札を通りこの街にやってきます。そんな一人一人が、それぞれストーリーを持っています。 「駅の詩(うた)」 というテーマから、何を想い、そしてクリエイティブに昇華させるのか。しもブロも「第5回 アート&デザイン新世代賞」に注目します。

About the Author

クロダマサノブ

下北沢や京都のライブハウスに突然現れ、最前列で号泣しているおっさん。ライブイベント #316NIGHT はお休み中です。久々に日本人ドライバーのいるF1シーズンがはじまったので、F1でも号泣しそう。愛知県豊川市出身、京都市右京区経由、東京都世田谷区在住。 [Twitter]ymkx

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