2023年1月20日(金)よりシモキタ – エキマエ – シネマ『K2』にて、女性駐車監視員が主人公の映画「ミドリムシの姫」が公開されます。
《あらすじ》
野上幸子(42)の小さな頃の夢は「みんなに愛されるお姫様になること」。そんな野上は、昔の夢に反して、今日も違法駐車を取り締まる駐車監視員として働いていた。駐車監視員はその風貌から「ミドリムシ」と世間から馬鹿にされている。違反者から罵られることもしばしば。カリスマミドリムシ・知念道夫(61)とコンビを組むことになった野上。知念の仕事ぶりに感化され、野上は徐々に仕事へのプライドを持ち始めて行く。そんな時、街では若者による「ミドリムシ狩り」が流行り始めていた…。
街でよく見かける駐車監視員は、その緑の風貌からネット上では「ミドリムシ」「日本で一番、嫌われている職業」と呼ばれている。そんな彼らを主人公とした日本初!?駐禁コメディ映画「ミドリムシの夢」はSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019にて上映され、その後、劇場公開を果たしました。今回は前作と視点を変え、男性が多い職業の中で奮闘する女性の視点で物語を紡ぎます。
主人公の女性駐車監視員・野上幸子役に『偶然と想像』(濱口竜介監督)にて第35回高崎映画祭・最優秀主演俳優賞を受賞した河井青葉。カリスマ駐車監視員・知念道夫役に、『はるヲうるひと』(佐藤二朗監督)をはじめ舞台やドラマに縦横無尽に演劇界を牽引する大高洋夫。共演に青野竜平、三田村賢二、仁科貴、金田賢一、若手から実力派まで魅力的なキャストが集結。今回は総勢9人のミドリムシ(駐車監視員)が出演、和製アベンジャーズがここに誕生しました!!
《主演・河井青葉さんコメント》
真田監督はこの作品を和製アベンジャーズと言っていたけど、私はこれからアベンジャーズ出身と言ってもよいのかな?ずっと私にはヒーローモノとか無縁なんだと思っていたけど、これくらい地味でおばちゃんでへなちょこでも気持ち次第で誰かのヒーローになれるって教えてもらいました。私の中でヒーローのイメージが少しだけ変わったかもしれない。
《監督・真田幹也コメント》
前作「ミドリムシの夢」と同じ映画祭を経て、同じ劇場での公開。そんな奇跡を大変嬉しく思います。しかし、前作と同じスケールの作品を撮ったつもりは全くありません。「駐車監視員」といえば男性のイメージが強いかもしれませんが、今回はそれもひっくり返します。一生懸命生きている人たちの背中を押してくれる作品になったと思いますので、ぜひ劇場でご覧いただければ幸いです!
駐車監視員の皆さん、下北沢の街でも頻繁に見かけます、頻繁と言うよりほぼ毎日活動されていますよね。幸いにして私自身はお世話になったことはありませんが、実際の業務風景や予告編の映像からもなかなか大変なお仕事だと感じています。めちゃめちゃ怒鳴られたりしてますからね、、、。
「ミドリムシの姫」主演の河井青葉さんというと、同じくシモキタ – エキマエ – シネマ『K2』のこけら落としで鑑賞した「偶然と想像」に出演していたことを思い出します。偶然が生み出したシチュエーションに訳の分からない緊張感のある展開でしたが、その結末はあまりに美しく彼女の晴れ晴れとした表情が印象的な作品でした。それはちょうど1年前2022年1月20日のことで、2023年1月20日に再び河井青葉さんが主演の作品が公開されることになり、運命的なものを感じざるを得ません。
公開初日である2023年1月20日(金)は、作品上映後に河井青葉さん・大高洋夫さん・青野竜平さん・真田幹也監督によるトークショーを開催。また、21日(土)は三田村賢二さん・仁科貴さん・ほりかわひろきさん・真田幹也監督、22日(日)は鈴木歩己さん・ほりかわひろきさん・杉本等さん・真田幹也監督による上映後トークショーが開催されます。チケット予約はシモキタ – エキマエ – シネマ『K2』の公式サイトからどうぞ。
[2023/01/30 追記]
先日シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』にて、「ミドリムシの姫」を鑑賞、レビューを追記します。
本当に正直なことを書くと、駐車監視員の皆さんのことを軽蔑のまなざしで見ていました。私自身は確認標章を取り付けられたことはありませんが、その作業風景はしばしば目にしており、その路上駐車車両を確認する光景をなんとも言えない気持ちで見ていました。
しかし、この駐車監視員は駐車監視員資格者講習を受け国家資格を有する人たちであり、管轄の警察署長から放置車両確認事務を受託した放置車両確認機関に所属しており、その業務は正当なものなのです。まー、そんなことは分かっているけど、やはりいざ取り締まれると腹が立つし、全然関係ないのにその光景を見るのも腹が立つわけです。
が、映画「ミドリムシの姫」を観てその考え方は完全に覆りました。放置車両の存在は時に自分が想像もしていないような出来事を誘発する可能性があり、それらを防ぐために駐車監視員は日々業務を遂行しているわけです。主人公である野上幸子42歳が、なぜ駐車監視員になったのか。そしてその厳しい業務内容(主に取り締まられる側からのあれこれ)にもかかわらず、駐車監視員を続けるのか。本人の想いと共に、同僚の駐車監視員(主におっさん)の考えが交錯しながら物語は進み、ある大事件に巻き込まれます。
主演の河井青葉さんのどこか憂いのある表情、駐車監視員という仕事について実際に業務をはじめた頃から作品では描かれていますが、その憂いが徐々に晴れ駐車監視員・野上幸子としてのアイデンティティーを確立してゆく表情・演技は見事の一言。その変化に、観客として完全に引き込まれてしまいました。というか美しすぎるのです、その車内を確認する様が、、、。そして、大高洋夫さん演じるベテラン駐車監視員・知念道夫の存在が彼女の変化に大きく影響を与えますが、知念の信念そのものが表情や佇まいそして言葉に表れていて、もう最強の駐車監視員感がスゴいんです。こんな駐車監視員の方がいたら、絶対に抵抗できません、とりあえず謝っちゃいますごめんなさい(?)。
映画「ミドリムシの姫」を観れば、確実に駐車監視員という存在が変わると思います。そして、その業務を応援したい気持ちになります。そういえば、以前警察官の方がこんな事を言っていたのを思い出しました、「道路は皆さんのものですから」と。数ある職業の中でも確実に偏見の目で見られている駐車監視員、その存在と正しさが感じられる作品です。いや、もう、普通にエンタメ作品として楽しめる内容です。そして、ラストに訪れるタイトル回収の見事さたるや、ぜひ劇場で感じてください。
シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』での上映は、2月2日(木)までとなります。最終日には上映後トークショーとして、太田善也さん(脚本)・タカタタイスケさん(音楽)・真田幹也監督が登壇されます。上映時間の確認及びチケットの予約は公式サイトからどうぞ。前作の「ミドリムシの夢」も気になるから観ますー。
「ミドリムシの姫」
出演 河井青葉 大高洋夫 青野竜平 三田村賢二 樋渡真司 岡田正
ほりかわひろき 今村美乃 仁科貴 金田賢一
脚本 太田善也 監督 真田幹也
製作 ミドリムシフィルム 2022年/日本/ビスタサイズ/ステレオ/92分
区分 G
公式Web
公式Twitter
公式Instagram