7月24日(水)から28日(日)まで下北沢のシアター711で上演される『嘘をついた下北沢』。その上演を記念し、舞台の作・演出及びボイスドラマの作を手がけた劇団フルタ丸のフルタジュンさんに、劇団フルタ丸の話、下北沢の話、そして今回の舞台の見所を伺いました。

---まず、下北沢に拠点を持つ劇団フルタ丸についてお聞きします。なぜ、下北沢に劇団の事務所を持とうと思ったのですか?

「劇団の事務所を下北沢に作ろうと思ったのは、『(演劇の聖地である)下北沢に劇団の事務所がある』ということを言いたくて、劇団仲間とか対外的なウケを考えて下北沢の街に事務所を構えました。ちなみに事務所を持つために、それまで住んでいた自宅を引き払って僕は彼女の家に転がり込み、浮いたお金で事務所を確保しました。それが、5年くらい前の話ですね」

---劇団の立ち上げはいつ頃ですか

「11年前かな、大学3年生の頃ですね」

---え? 大学時代にいきなり劇団を作ったのですか? 大学の劇団に所属するのではなく

「僕は上の人の言うことを聞きたくなかったんですよ。先輩の言うことは聞きたくないと思っていて、先輩を持つのではなく最初から僕が先輩になりたかったんですよね。最初は演劇のなんたるかとか全くわからずに、我流で公演を重ねてきました。高校時代に演劇もやっていませんし、全くのゼロからはじめました。ちなみに、その頃の役者は今は一人も残っておらず、唯一スタッフが一人残っているだけです」

---下北沢の劇場での初公演について教えてください

「大学卒業した直後の本公演として、2005年第6回公演(世界鉄道、2005年10月22日(土)・23日(日))を【しもきた空間リバティ】でやりました。劇場が内容に関してなにも言わない、なにやってもいいということだったので、ゆで卵とかが飛びかうような感じで床のカーペットがぐちゃぐちゃに汚れちゃったりして無茶苦茶やってたらものすごくすごく叱られました、、、。でも、その時にリバティーの方と熱い絆が生まれて、今でも街で会う度に近況報告をしたりしています」

---叱られるほど無茶苦茶ですか、、、今のフルタ丸からは全くイメージができないのですが、劇団のコンセプトは常々変わっているのですか?

「はい、そう考えると今は第3期ですね。大学を卒業したばかりの頃(第1期)は、パンクロック的思想に僕が支配されていたのです。ロックバンドに負けたくないみたいな変な対抗意識を勝手に持っていて、激しいことをやらなきゃいけないと考え、それを演劇に取り込んだりしていましたね。今思えば、そんなことで競っててもしょうがないってわかるんですけど、その頃は強く思っていたんです。確かに演劇人はロックが好きな人が多くて、それを要素として取り入れる人がいるんですけど、大概失敗するんですよね。演劇の良さと何でもやっていいことは親和性がありそうで実は合わない、それに気づいたのが劇団第2期の途中ですね」

---これまでに何度かお芝居を観させて頂いて、フルタ丸はお芝居を通して訴えかけてくるメッセージ性が高く観終わった後に心にジワジワくる印象がありますが、当初は違ったのですね

「当時もメッセージ性は高かったのですが、ハッキリと前面に押し出していましたね。そう、メッセージを舞台上で口に出して言っちゃうくらい、ハッキリと押し出していましたね」

---それでは今回のお芝居の話しをお聞きします。まず、この『お芝居』と連動している『ボイスドラマ』についてお聞かせください

「まず、全部で8話分のボイスドラマがあり、ボイスドラマ自体でも話しは完結するのですが、7月24日からの舞台版を観ることでボイスドラマの裏側も含めて、この物語の全てがわかるような仕掛けになっています。舞台だけでも楽しめますが、ボイスドラマを聴いて頂いた上で舞台を観て頂いた方が楽しめます。前回のボイスドラマ(青春ゲットバック、ボイスドラマと2012年11月30日~12月3日 小劇場「楽園」で行われたお芝居)は1話15分で全20話でととても長かったのですが、今回は1話10分弱(エンディングテーマを除けば8分くらい)で全8話なので、舞台を観られる方でボイスドラマを聴いていない方は舞台観る前にでも聴いて頂ければと考えています」

---今回の舞台でもある下北沢という街についての印象はいかがでしょうか

「他の街に比べて信号が少ないというかほとんど無い、そこが好きなんですよね。もし、何らかの理由で自分が視力を失ったとしても、この街なら生きていけるんじゃないかと感じています。あと、田舎出身で信号が少なかったという事もあるのですが、信号を待つのが嫌いなんですよね」

---下北沢の劇団が、下北沢の劇場で、下北沢を舞台としたお芝居をするわけですが、そこについての想いはありますか

「下北沢を舞台にした演劇を、下北沢の劇場で観た後、下北沢の街に出て行った所からが僕にとっての勝負なんだと思っています。舞台を見終わって劇場を出て駅に向かうまでに、劇場に来るときには見えなかったものが見えるように、そんなお芝居にしたいと考えています。下北沢という街はそれ自体が話題性に富んでいて題材にできるし、僕がこの街に密接に結びついているからこそできる、一回しか使うことができない仕掛けですけどね」

---舞台版の「嘘をついた下北沢」の見所を教えてください

「企画のコンセプトとしてボイスドラマをやった上での舞台化なので、劇団フルタ丸の本公演とは違って出演者の設定がそれぞれ濃くて、漫画から飛び出してきたキャラクターがそのまま舞台で演じるみたいな、その濃さを楽しみにしてもらいたいですね。コロさん(コロブチカ)など実力のある役者さんも出演しますし」

---キービジュアルのイラストについてもポイントをお聞かせください。それと、ここに描かれている女のコは劇中の誰かなのでしょうか?

「イラスト自体は西俊樹(west colors)さんと姫心重機さんに手がけてもらっています。描かれている女のコは、、、」

---あ、なんか聞かない方がよい雰囲気なので大丈夫です! あと、ボイスドラマのエンディングに流れてくる音楽ですが、これはオリジナルですか

「このボイスドラマの為に作りました。2pla-Tone(Hal Music)も普段活動しているわけではなく、このボイスドラマの為に作ったユニットですね」

---ものすごく完成度が高く、この曲が物語の世界感を創り出していると感じましたので、ぜひ会場でグッズとして売り出してください!

---それでは、最後に一言お願いします

「このキービジュアルにもなっているイラストにものすごく意味が含まれています、モニターに穴が開くくらい見ておいてくださいね。あと、描かれている女のコが右手に持っているものとかキーアイテムになります、、、これ以上はあまり言えないのですが」

---どうもありがとうございました、公演頑張ってください!

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いよいよ今週に迫った、舞台版【嘘をついた下北沢】。現時点でボイスドラマの最終回となる第8話も配信されておらず、またこのインタビューからは舞台版の内容がわかりませんが、いくつかのヒントを頂き期待したいですね。まずは、キービジュアルとなる上のイラストをしっかり眺めておきたいと思います。チケットは公式サイトから予約できます、この記事をご覧頂いて気になった方はまずはボイスドラマを、そして、シアター711で行われる舞台をご覧下さいね。

(取材・文:ymkx)
【公演概要】

-あらすじ-
東京は世田谷区。カルチャーの町、下北沢。

そんな下北沢に憧れ、後追いで作られたニセモノの街、リトル下北沢。
どこか中国のテーマパークのように胡散臭い街であったが、
下北沢が失ってしまった“何か”をまだ持っていた。
下北沢とリトル下北沢。

ある日、2つの街を繋ぐ、一人の女が現れた―。

不思議なシモキタを舞台に巻き起こるSFコメディー。
-出演-
牛丸 :市来光弘 (マウスプロモーション)
黒木 :大須賀純 (マウスプロモーション)
りょう :コロ (コロブチカ)
レモン :森谷里美 (マウスプロモーション)
麻衣子 :山本綾  (アーリーウイング)
荒木 :宮内勇輝 (劇団フルタ丸)
リサ :真帆 (劇団フルタ丸)
沢井 :篠原友紀 (劇団フルタ丸)
田川 :工藤優太 (TACT/劇団フルタ丸)
トモヤス :清水洋介 (劇団フルタ丸)
-STAFF-
<ボイスドラマ版スタッフ>
作 :フルタジュン(劇団フルタ丸)
演出 :ひらさわひさよし
演出助手 :山口翔平
編集 :松尾崇宏、藤原道乃
映像編集 :平塚亮(アスラフィルム)、清田育代(アスラフィルム)
<舞台版スタッフ>
作/演出 :フルタジュン(劇団フルタ丸)
照明 :向井さとこ
音響 :前田真宏
舞台美術 :泉真
制作 :和田宜之
<キービジュアル>
西俊樹(west colors)/姫心重機/砂川俊輔(DICE CREATIVE)
<主題歌>
『リンクな世界』
歌 :RifufuRi
作詞 :Rie*HH
曲・編曲 :2Pla-Tone (Hal music)
<音楽制作>
2Pla-Tone (Hal music)
<WEB>
MAYA
<プロデュース>
ひらさわひさよし/フルタジュン

-スペシャルサンクス-
アーリーウィング/ダイスクリエリティブ/ダイスエンターテイメント
ハルミュージュック/マウスプロモーション
(かな順)
-公演スケジュール-
7月24日(水) 19:30~
7月25日(木) 19:30~
7月26日(金) 19:30~
7月27日(土) 14:00~、19:00~
7月28日(日) 13:00~、17:00~
-チケット-
前売 3,500円
当日 4,000円

About the Author

クロダマサノブ

クロダマサノブ、もしくは廣田西五です。「予定は未定であって決定ではない」の人で、別名シモキタさん。主にインターネッツ各所や、ライブハウス、サーキット、そして下北沢にいる。愛知県豊川市出身、京都市右京区経由で、普段は世田谷区で生息しているが、突然京都や大阪そして新栄のライブハウスに現れ泥酔し、泣きながらライブを最前列で見ている。要注意だ [Twitter]ymkx

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