2023年2月10日(金)、月刊コミックビームにて連載中の西尾雄太著「下北沢バックヤードストーリー」。下北沢の古着屋を舞台に、店主とそれ取り巻く人々によって繰り広げられる作品で、1・2巻が同時発売されました。

「俺のなにが悪かったのか……?」
下北沢で古着屋を営む椹木(35)の人生は順風満帆……でもない。
貯蓄なし、安定とは無縁の仕事。面倒なバイトたちも悩みの種だが、
同棲中の彼女が理由も告げずに家から出ていったのだ。
仕事を立て直し、最愛の恋人を取り戻す手がかりは、元カノたち!?
ライブハウス、小劇場、そして古着屋。
サブカルチャーの街で迷走する、こじらせ人生最後のモラトリアム、開幕。
下北沢の情報サイトをやっているにも関わらず、実は古着には全く詳しくないし、古着屋さんで買い物もほとんどしない。私の知っている古着屋さんの知識と言えば、映画「街の上で」に登場してきた古着屋さんくらいだったりします、、、。が、そんな私が読んでも面白い! 古着に関する知識がないからこそ、古着の持つ魅力を目の当たりにさせてくれる作品です。これ、古着好きの人が読んだら、ものすごく参考になりそう。
「下北沢バックヤードストーリー」のメインテーマは古着ですが、それと共に描かれる人物模様が興味深い。古着が好き、いや好きという言葉では足らない、古着を愛しすぎな主人公・椹木錕(さわらぎこん)35歳。同棲中の彼女が家を出てしまうところから物語ははじまります。彼女になんとかして戻ってきてほしいけど、何が理由で家を出てしまったのか全く分からない、、、。わかる、わかるわー、古着の知識は全くないけど、この展開はめっちゃ分かる。古着と同様、何かを愛しすぎてしまっている人たちなら共感呼びまくりなストーリーなのです。いやいや、共感したらあかんねん、何よりも愛する存在があるからこそ、恋愛がこじれてしまうわけですよっ。「もう! 古着と私、どっちを選ぶのっっ!!」、いやいやそんな単純な話ではないのですよ、この物語は。
実際には存在しない古着屋さんが舞台であり(モデルがあるのかもしれませんが)、他の作品のように下北沢がものすごく登場するわけではありませんが、街に佇む古着屋さんのバックヤードでこんな出来事が繰り広げられていると思うと、古着屋に対する見方が大きく変わります。いや、みんながみんなこんな古着屋さんじゃないのかもしれませんが、こだわりのお店もたくさんありますからね。ぜひ、古着屋のスタッフの皆さんにも読んでほしい、そして、いろいろと語ってほしい作品です。というか、ちょっと古着に興味が湧きました、古着屋さん行ってみよう。
「下北沢バックヤードストーリー」1・2巻は2月10日発売、お近くの書店、またはAmazonなどでご購入ください。









