『滋賀県から下北沢を想う(後編)』 ~ コラム:岩井の覗いた下北沢

 

下北沢ブロイラーをご覧の皆さん、こんにちは。新人ライターの岩井ゆうきです。前回の続きです。前編をまだお読みでない方は、もしよかったら先にこちらを読んでみてください。
※前後編を両方読んでくださった方に、先着15名様で読者プレゼントもあります。

では続き、行きます。

『木之本町のここがすごいベスト3』
「【第2位】カドヤの2階がヤバい。@カドヤ」
第3位の岩根書店さんの紹介でやってきました。カドヤの2階。まずは写真をご覧ください。

カドヤの2階/『滋賀県から下北沢を想う(後編)』

僕はですね、もっと簡素なものを予想してたわけですよ。ミニストップのイートインコーナーみたいな、ライトなやつを。なんですか、これは。箱根に強羅花壇っていういいお店があるんですが、少し盛って言うなら、木之本花壇でしたよ。田舎の、屋敷の、書斎みたいな。

現在、この記事はこちらのお店で書いてるんですが、他にお客さんいなくて実質貸し切り状態なので、ものすごく筆が進みます。この勢いでまだ書いてない年賀状100枚も書いてしまいたいですよ。

カドヤの2階/『滋賀県から下北沢を想う(後編)』

コーヒーとプリンを注文。プリンはなんと醤油プリン。近所に醤油を作っている蔵があり、そこの醤油を使っているとのこと。ちなみに第3位で登場した海老と豆の煮物にも同じ醤油が使われています。どちらも大杉醤油屋の醤油です。チョコのかかったポテトチップスというのがありますが、あれと同じ発想ですよね。スイカに塩。甘さと塩気は意外とあいます。

眺望がこちら、面白いんですよね。先日、下北沢一番街商店街にあるアークボックスというお店でおみくじをひいたら「超凶」というヤバいのが出てしまったので、来年どんなことが私の身に起きるのか、ある意味わくわくしていたのですが、このわくわくを鎮める答えが窓の外にありました。そう、厄除けです。

厄除け?/『滋賀県から下北沢を想う(後編)』

厄除け?/『滋賀県から下北沢を想う(後編)』

この流れで第一位の発表です。

「【第1位】日本一でかい地蔵とか、滋賀県で一番古い図書館とか、全国でトップ10に入る古い酒蔵とか、黒田官兵衛の記念館とか、サラダパンのお店とか、なんだか意外と色々ある。」

第2位のカドヤさんの2階の窓から見えた「厄除祈願」の文字は、日本一でかい地蔵、木之本地蔵のあるお寺の入り口に飾られたものでした。そう、日本一でかい大仏は奈良の東大寺にありますが、日本一でかい地蔵は滋賀県(長浜市木之本町)にあります。マスコット的なカエルがいい感じです。暗闇を歩くアトラクション的な修行もできます。その他、写真でザザザっと紹介しますね。

たぶん木之本町/『滋賀県から下北沢を想う(前編)』 ~ コラム:岩井の覗いた下北沢

滋賀県で一番古い図書館。
※小学生の時、友達が少なかった私は学校が終わるといつも、ここに通っていました。

全国でトップ10に入る古い酒蔵/『滋賀県から下北沢を想う(後編)』

全国でトップ10に入る古い酒蔵
※ちなみにトップ10のうち、2つが木之本町にあります。

黒田官兵衛の記念館/『滋賀県から下北沢を想う(後編)』

黒田官兵衛の記念館
※黒田官兵衛は兵庫とか九州で活躍しており、賤ヶ岳の合戦以外ではほとんど木之本には来たことないんですが、官兵衛の祖先にあたる黒田家自体は元々木之本にいた武士のようです。

サラダパンのお店/『滋賀県から下北沢を想う(後編)』

サラダパンのお店
※今や日本一予約が多い惣菜パンとも噂されるサラダパン。一個145円のパンを買いに毎日たくさんの人が車に乗ってお店に来てくれるそうです。

他にも、松井秀喜選手が食べた出世鍋とか、盗まれないか心配になるくらい歴史的価値の高そうな看板とか、色々あるんですが、それはまた、改めて。

今回、初めて、観光客の目線で故郷を見たのですが、子どものころから見ていたはずなのに、気付いていなかったものがたくさんあるなと思いました。明治維新の頃って、留学した人が外国の文化を持ち帰ってなんたらかんたらってくだりがたくさんありますが、東京に10年住んでる私と、地元にずっと住んでる私の同級生とでは、どっちが上とか下とかではなく、単純に、この街の見え方が違うんだろうなと思いました。

事実、さっき、「カドヤの2階がヤバいよ!」って地元の同級生に電話したら、
「へぇ~、そうなんや。そういうのがあるのは知ってたけど、行ったことないわ~」
とのことでした。下北沢というカフェ文化のある街に住んでいた経験が、この店の良さを気付かせてくれている一面もありますし、この店が全ての人にとって「ヤバい店」にはならない可能性も十分ありますが、観光って、どういう人(住んでる場所・年代・性別・収入)に、どういうタイミング(毎日~1年に1回)で、どれくらいの金額(500円~10万円)を使ってもらうか、その目的によって正解に近い方法は変わってくるでしょうから、今回の帰省は下北沢の活性化事業をさせていただいている者のはしくれとして、いい勉強になりました。

下北沢カレーフェスティバル2014開会式司会をする岩井氏/『滋賀県から下北沢を想う(後編)』

下北沢で昔から商売している人にとっては、10年下北沢に住んでいる私ですら「よそ者」でしょうし、木之本町で商売している人にとっても東京に住んでいる私は「よそ者」でしょう。けれど、そういう「よそ者」の視点は観光を始めとする地域活性化事業には欠かせず、でも、それと同じくらい大事なのが、地元の人との連携。観光事業の主体となるのは紛れもなく地元の人で、この方たちの協力なしには、どんな観光も地域活性化も成立しないです。下北沢カレーフェスの成功を支えているのは、寝る時間を削ってカレーの仕込みをしてくれているカレー屋さんの努力にほかなりません。

地元の人が何を望んでいるのか。そういうヒアリングもしつつ、来年(注:2014年に書かれた原稿のため2015年のことです)の下北沢カレーフェスの企画立案をしていきたいと思います。

以上、木之本町から岩井ゆうきがお送りいたしました~。
次回は「沖縄県から下北沢を想う」を書く予定です。

カエルの置物、特産?/『滋賀県から下北沢を想う(後編)』